.    '15年6月1日

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間道を歩く

 からすの学校 ・第77回は、間道を歩く 〜烏川の歴史をたずねて〜。  好評の『間道を歩く』シリーズの4回目です。これまでとは違い、間道を歩くだけではなく、烏川の生い立ちを地形的な面から知ることが目的のひとつでした。 標高1000mを超す場所に立ち、そこがかつての川底であったこと、隆起と侵食による河岸段丘の成立など、悠久の時の流れと壮大なスケールを実感できました。  ところで、今回の講座がいつもと違ったのは、お申し込みの段階で意思確認をさせていただいたこと。 危険の伴う悪路(笹刈りした場所や河床)を歩くことから、ある程度の山歩き経験者を対象としている旨をお伝えし、それを了解いただいた方にご参加いただきました。   終わってみれば… 一人のけが人も無く、『疲れたけれど楽しかった』とのご感想を聞くことができたことは、主催者冥利。 準備の苦労も報われました。





        深緑の中、道なき道を行く


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希少(その1)

 お気に入りの樹にとまって、飽くことなくさえずり続けるノジコ。  夏鳥の多くは、すでに求愛時期が過ぎたため、さえずりを聞くことも減ってきました。 しかし、そんな今頃でも、ノジコは盛んに歌っています。(ひょっとして、これは警戒鳴き?)  繁殖地は世界中において日本の本州、それも局所的であるとか。 生息が限定されることや、さえずりの美しさ、レモンイエローの姿などから、多くのバードウォッチャーにとって憧れの野鳥です。  今園内では、ハルゼミエゾハルゼミがかしましい一方で、ついこの間まであちらこちらで聞こえていたオオルリのさえずりは、すっかり少なくなりました。 それでも、たまに聞こえてくる声に、営巣中の彼らに思いを馳せるのでした。 なお、子育て中のメスは、オスのようにさえずるとか。 日本三鳴鳥のひとつの声が聞こえ、それがメスであれば、近くに巣があり警戒している証拠。 そっと遠ざかりましょう。





 オオルリ同様、囀(さえず)りが、とぉ〜てもよいのです


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希少(その2) (園地外情報)

 日本国内(あるいは地球上で)ここだけでしか見られない野草、タデスミレ。 残念ながら、園内ではなく松本市内のとある場所、当WEB管理者が講師を務める講座で訪れた際の写真です。 例年ならば今頃が最盛期ですが、今年はすでに終わりかけていました。長野県では10年ほど前に‘特別指定希少野生動植物’に指定し、あわせて‘タデスミレ保護回復事業’を実施しています。 事業計画書では【絶滅危惧の要因】として『自生地が局限されていることに加えて、森林施業及び自然遷移による生育環境の変化、 道路工事、踏みつけによる個体数の減少が懸念される。また、近年、自生地で増加しているニホンジカによる食害も懸念される。』とあります。   当WEB管理者が、この10年間ほど観察している場所においての激減の要因はニホンジカの食害よりも人為的な要素〔←林道整備〕が大きいようです。





      草丈 40cmほどにもなる大型スミレ