.    '15年8月11日

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立秋は暑い?

 『立秋なのに暑いね』との言葉をよく聞きます。しかし、それは当然のこと。(暦の上では)立秋が暑さのピークであり、これ以降、徐々に気温が下がっていきます。 その意味では、暑さの折り返し点といえます。これから後、‘残暑’が始まり、やがて‘処暑’(8月23日頃)を過ぎれば、来年まで夏とのお別れです。  今まさに、怒涛の夏が過ぎようとしています。…とはいえ、当緑地の夏はまだまだ続きます。例年、子どもたちの夏休みとともに来園者が徐々に増え、お盆休みがピークになります。 今年も、お盆休みの来園者が最多になることに変わりはないでしょう。しかし、今年はすでに去年までのお盆休みの人数をはるかに上回っています。 急増している要因はバーベキュー禁止によると思われます。 せっかく来園いただきながら、満車のために入園できない状況が少なからずあります。 散策するならば、早朝がお薦めです。





     昼間の陽射しは、いまだ秋を感じさせない


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新道 完成!

 ‘完成’とはいっても、1年前から供用開始していた園路です。このたび、チップ敷きが終わり、作業完了となりました。 これまで作業ができなかった理由は、チップが調達できなかったためです。 『チップなら、なんでもいい』というわけにはいきません。  素性のわからないチップを山の中にまくことは、時として危険が伴います。 一例として… 過去、長野県内のとある公園(桜の名所)において、‘ならたけ病’に罹った樹を伐ってチップ化して敷いたために、その一帯の樹が感染して枯れたことがあります。  昨年外部から調達しようとしたチップは、一部に枯れた原因の判らない広葉樹数種が混ざっており、急遽計画を取りやめました。 そして、待つこと一年。ようやく満足できるチップ材が用意できました。そのすべてが、この冬、園内で雪害を受けた針葉樹を伐採してチップ化したものです。  …フカフカの道を、どうぞお楽しみください。





    馴染むまでに数年はかかることでしょう


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傷ついて…

 園路を歩いている時に、帽子の上にポトリッと落ちてきたのは… トビナナフシの一種のヤスマツトビナナフシ(安松飛七節)。 ご覧のように(前脚・中脚・後脚のうち)前脚の右脚がありません。時としてこのような姿になるのは… 捕食者から襲われた際、自ら脚を切り離す‘自切’で危機を回避するからです。 それは、まるで ‘トカゲのしっぽ切り’ のようです。 なお、失われた脚は、若齡時であれば再生することがあるようです。 他にも興味深いのは… オスが見つかっていないこと。 『えっ!? それじゃ、どうやって子孫を残すの?』と疑問を持たれることでしょう。実は、単為生殖により、メスだけで卵を産み世代交代しています。 トビナナフシにオスは不要なのでした。この虫に限らず、気にしなければ‘見ても見えず’の小さき生物も、興味を持てば尽きない話題があります。 水生生物観察会が、そんなきっかけとなりますよう。





 【知ることの喜び】は、こんな小さき生きものからも…