.    '15年9月27日

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地味な花

 左側はミゾソバの花です。 『え~ぇ この花が地味?』と思われましたか?   確かに‘地味’というと、ちょっと語弊があるかもしれません。 形は金平糖のようにそれなりに華やかですし、色も派手とは言えないまでも、それほど地味ではありません。  しかし、右側はどうでしょう? これも左の花と同じ株に咲いている‘花’です。 一見、つぼみに見えますが、これで完全に咲いている状態です。 この花も一面に咲いているのですが、多くの方は気づきません。 目立たない理由は、その色と形もさることながら、最大の原因は‘咲いている場所’。この花は、地表すれすれ、あるいは地中に咲いています。 閉鎖花と呼ばれるだけに、開くことはありません。開かないため、虫などに頼る花粉の媒介はなく、閉じた花の中で受粉 ・受精(自家受精)します。  そのようにして確実に結実することで、このあたり一面に増殖しています。





   足の踏み場も無いほどミゾソバが増える理由は?


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きのこシーズン

 写真はタヌキノチャブクロ。これとよく似たキツネノチャブクロが地上に出るのに対し、こちらは朽木や樹の腐朽部分から出ます。 両者ともホコリタケと称されることがありますが、ホコリタケはキツネノチャブクロの別名であり、タヌキノチャブクロの別名は ケムリタケとすべきようです。 雨滴があたって胞子が飛散する様子を表しています。 いずれも、幼菌(出始めた頃)は食べられますが、成長すると‘食不適’になります。 ちなみに、食不適とは‘食べるのに向かない’(≒まずい)ということであり、必ずしも毒きのこということではありません。 毒きのことは 【過去に誰かが犠牲になって有毒であることが判明したもの】であり、多くは‘食毒不明’【『実験台になって食べてみよう』という人があらわれないきのこ】です。  なお、園内では『食べられる ・食べられない、うまい ・まずい、毒の有り ・無しのいかんに関わらず採取禁止』になっています。





     このクリの樹は、一部が腐っているだけ


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???

 『うわぁ なにコレ!? カマキリの頭?』と思われました? じつは、蜘蛛(くも)なのです。その名は、オオトリノフンダマシ。 コガネグモ科トリノフンダマシ属の一種です。 トリノフンダマシ(鳥の糞騙し)の幾種類かは、その名の通り、尿酸が混じった白いまだら模様の鳥の糞にそっくりです。その中で、このオオトリノフンダマシは、あまり鳥の糞らしくなく、多くの方がカマキリの顔を連想されるようです。  ススキの穂にとまっていた(隠れていた)このクモを見つけたのは小学生でした。 今年もまた、安曇野市内 10校あまりの小学 5年生が、当緑地内で環境学習をおこないました。 その際、ひとりの生徒が『これは、なぁ~に?』と持ってきたのがコレ。 写真では大きく見えますが、実際にはメスは 10mmちょっと、オスにいたっては 2mmほど しかありません(写真はメス)。 子どもの目線(高さ・めざとさ)ゆえに見つけられたのかもしれません。  





   いきなり見ると、ちょっとドキッと… しませんか?