.    '16年8月22日

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お猿さんのフルーツ

 ニホンザルが食べ散らかしたのは、サルナシ(猿梨)。 梨というよりもキウイフルーツにそっくりな味で、【ベビーキウイ】の別名があります。 それもそのはず、同じマタタビ科マタタビ属のつる性植物です。 サルだけでなく、 ツキノワグマ も好物のようです。 時に、サルナシだけを食べたと思われる熊糞を見つけることがありますが、 それは、サルナシ色(淡緑色)で、フルーティな香りがします。もちろん、ヒトにとっても美味しい果実ですが、食べられるようになるのは晩秋から初冬。一度、霜にあたってからが食べごろになります。 園内では植物の採取は禁止になっていますが、そのこと以前に ヒトが食べられる時期を待たず、野生動物の胃に収まります。





 発酵させると猿酒… でもそれは違法(酒税法違反)です


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お菓子の家

 ヤマブドウの葉の上に、おびただしい数の赤い実… のように見えるのは ヤマブドウハトックリフシと名付けられた【虫こぶ】(虫えい)です。 この中にはブドウトックリタマバエの卵がひとつ産みつけられています。 やがて孵った幼虫は、住み家となっている 我が家の内側を食べて育ちます。 ところで、この我が家(お菓子の家)は虫が作ったのではありません。産卵による刺激(虫が出す植物ホルモンによるらしい)のために植物自身の細胞の異常増殖により出来上がります。このほかにも、園内では数えきれない数の虫えいや、菌による菌えいが観察できます。 〔過去、話題にしたのは… ハイイヌツゲ、ドロノキ、コナラ、エゴノキ、ネジキ、ヌルデ など〕





              新興住宅地


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ツバメ と 雨

 巣立って間もないツバメの幼鳥です。なにやら叫んでいるのは、親を呼んでいるのでしょうか、それとも兄弟姉妹とのコミュニケーションなのでしょうか?  ところで、ある日、こんなことがありました⇒ 小雨の中、それまでご機嫌で飛び回っていた彼らでしたが、雨脚が強くなると、一斉に電線に集まってきました。 やがて、 殴りつけるような降りになると、皆そろって、喉をのけ反らせて天を仰ぐ姿勢で固まりました。 不安解消のため一緒にいるのは解りますが、上を向くのはなぜなんでしょう? 巣立ち直後は電線に団子状態でとまっても、徐々に間隔をとるようになります(親は離れてとまる)。 とは言え、いざという時の絆は、いまだ保たれているようです。





 雨の日の、不思議な行動(姿勢)は、なんだったのか?