豊作…? コナラの果実、いわゆる『ドングリ』です。今年は豊作のようで、園内のコナラの樹はどれも鈴なりにドングリが生っています。ところが… 場所によっては、このようにおびただしい数の未熟なドングリが落ちています。虫害や病気によるものではなく、自然に落ちた『生理落果』です。 何らかの理由で、成熟させることが困難になった時、 未熟なままの果実を落とす現象です。その理由には、土壌のミネラルの過不足、水不足、日射不足 などの他に様々な要因がありますが、要は、樹木が 『子孫繁栄のためとはいえ、このままでは我が身が危ない』と判断した時に落とすわけです。 ツキノワグマにとっては、 冬越しの身体づくりには欠かせない食糧なのですが…
夏の頃のエサ場 ツキノワグマがアリの巣を捕食した痕跡です。あのような大きな体に比べて、あまりにも小さなエサなので… 『効率が悪いなぁ 腹の足しになるのかなぁ』と思いませんか? しかし、実際には、アリは結構な食材のようです。その証拠に、たとえば、 漢方生薬になっている クロトゲアリ には20種以上のアミノ酸(タンパク質の構成成分)と10種ほどのミネラルが含まれているとか。 ちなみに、園内にはムネアカオオアリ、エゾアカヤマアリ、ツボクシケアリ、ミカドオオアリ、クロオオアリ、アズマオオズアリ、クロヤマアリ、アミメアリ、ウメマツアリ、アシナガアリ、ヤマトアシナガアリ など 20数種が生息しています。 さて、このうちで、クマの餌食となるアリは…?
まだ早いけど… 未熟なオニグルミをかじるニホンザル。 本来ならば、秋に落ちたのを食べれば美味しくて栄養価も高いのでしょうが… しかし、餌が不足するこの時期、『背に腹は代えられない』とばかりに、食べようとしたのでしょう。しかし、未熟なクルミの果皮 (正確には外果皮と言う) は容易には剥けません。口のまわりを外果皮に含まれるタンニンで真っ黒にして歯で削り取っています。 試しにこの外果皮を手で剥くと… 黒くなるだけでなく、ベタつきます。それは水で洗っただけでは容易に落ちません。 その厄介者に含まれる ユグロンという成分により、根元に他の植物を生育させない作戦です。 しかし、それらの様々な企てはサルには通用しなかったようです。