世尊
「普賢菩薩は、自由自在な神通力を用い多くの衆生の迷いを吹き払い、衆生を苦悩の海から解放させます。
又 威徳名聞力いとくみょうもんりき という 菩薩の高い徳で多くの衆生を感化し仏の教えに導きます。
その普賢菩薩が、たくさんの大菩薩衆と共に、娑婆世界をめざし東方の世界を出発しました。
その途中に通過する国々の生命は皆、喜びの感動で震え賛美の声をあげ 最高の礼をもって褒め称え
美しい蓮崋の雨を降らし、妙なる音楽を奏して、普賢菩薩の一行を供養いたしました。
普賢菩薩の一行の中には、人間たち・天上界の住人たち・諸々の鬼神きじん たちも無数におりました。
この一行は皆、周囲のものを感化する力である威徳神通力いとくじんつうりき の徳を具えもっております。
鬼神にもなぜ、威徳神通力が具わっているかを、疑問に思うでしょう
彼らは、私(世尊)の無量義経むりょうぎきょう の説法会の始めから、積極的に参加しておりました。
真剣な心で説法会を聞いて、法華経の教えを学び理解したものたちなのです。
その報(結果)が彼らの身に現われ、このような徳と偉大な神通力を 具えることができたのです。
このように、法華経は生命ある万人・万物を成長させる教えなのです。
さて、普賢菩薩の一行が 娑婆世界の霊鷲山りょうじゅせん に到着しました。
すぐに彼らは、釈迦牟尼如来の許に座し、最高の礼を尽くす特別な礼拝・合掌を 何回も行いました。
特別な礼拝・合掌とは、菩薩が仏に対し行う 特に格式が高い儀式的な礼拝・合掌のことです。
普賢菩薩 法華経の教えの真の功徳を得る道 を聞く
「私は、宝威徳上王仏ほういとくじょうおうぶつ の治める当方の仏国土から、娑婆世界へやって参りました。
娑婆世界の各地で世尊が説法されております法華経の教えは、私の仏国土にも 聞き渡っております。
そこで今回、菩薩衆と共に、世尊から直接、ご指導を受け賜わりに参りました。
世尊に、如来の滅後に、法華経の教えの真の功徳を得るにはどうすればよいのか、を教えて欲しいのです。
私たちは、そのことを、私の国の宝威徳上王仏さまへ、報告する義務があるのです」。
世尊
「善哉・善哉・普賢菩薩よ、それは、如来の滅後の善男子・善女人が、次の四つを実現することです。
1 諸仏に護念せらるることを願う 2 諸々の徳本を身に植える 3 正定聚しょうじょうじゅ に入る 4 一切衆生を救う心を発す
法華経の教えの真の功徳を得る とは 法華経の教えが真に自分の身と心に成る ことです。
うわべだけの理解とか、小手先だけの実行とか、自分を偉く見せたい心で法華経を説くとか
そういう、薄っぺらで軸が定まらない衆生には、法華経の教えの真の功徳を得ることは、できません。
真の功徳を得るには、法華経の教えを、自分の全身・全霊で、行動するのみなのです。
只、純粋な心をもって、全身・全霊で法のために法を説き、法を実行するのみなのです。
では、この四つを詳しく説きましょう。
1 諸仏に護念せらるることを願うとは、自分は諸仏に護念されているという絶対の信念をもつという意味。
日々の善行ぜんこう の実行力は、衆生の心の根底に存在する絶対の信念が、源泉げんせんなのです。
諸仏は、法華経の教えを守り善行を行う人を、必ず護っています。 これは諸仏の真実の誓いなのです。
2 諸々の徳本を見に植えるとは、その法華経の教えである善行を日常生活で積み重ねるという意味。
徳本とくほん とは、悟りを得る根本の正しき善の心のことです。
その正しき善い心を植えるということを、草木にたとえるならば
種だけ蒔いてしまえば、後は野となれ山となれ式の勝手に育ってくれでは 草木は大きく育ちません。
日々、水や肥料を施し、丈夫に大きく育てる愛情の心があるから、草木は大きく育つのです。
これと同じ意味なのです。 善い心を育てるには、愛情と努力が必要です。
自分の心の中にある苗代で、愛情をもって善い心を育てながら、善行ぜんこう を繰り返し行うのです。
愛情をもって善い心を育てることは、法(教え)に愛情を捧げることなのです。
普賢菩薩よ 実はここが最も重要なところなのです なぜなら、
善い行いは善い心が原因で生まれるのですが、同時に善い行いをするから、善い心も育つのです。
この二つは、お互いに循環的に関蓮し合っているのです。
善い行いをしたとき 誰しも、快こころよ い気持ちになった経験があるでしょう。
善いことをすることは、こんなに気持ち良いものか!と 誰もが感じたことがあるはずです。
そこには、すでに善い心が育っているのです。とにかく、善行ぜんこう の実行が 一番大事なのです
つまり 心が先か行動が先かではありません。知行合一です。 「中江藤樹の言葉」
卵が先か・鶏が先かの話に似ですよね トンチンカンな発言でスイマセン ‥‥‥ボサツマン・またまた失言・
世尊
「ボサツマンよ、ここは重要なところです。つまらない冗談はやめましょう。
まあ・しかし、冗談が出るということは‥‥、法の理解がかなり進んだ証拠なのでしょう。
うむ、この座の空気が緩みましたので、ここで少し休憩しましょう。 次に、第3の説明をします」。
すいません、休憩して頭を冷やしてきます‥‥久しぶりの休憩嬉しい‥‥ボサツマン 「前にもあった休憩」
つづく