小林歯科診療所


思いつくままに(その2)
[歯を喪くしたとき]

歯を喪くしたとき(義歯とブリッジの違い)
 歯牙の欠損とは、歯を喪くしたことを言います。主に虫歯や歯周病、外傷(けが)で歯を抜くこ
 とになります。歯がないのは、歯牙欠損症という病気です。病気は治す必要があります。
 なくした歯を補う方法には、義歯(ふつうに言う入れ歯)とブリッジがあります。
臼歯の義歯 前歯の義歯 臼歯のブリッジ 前歯のブリッジ
                                                           

 義歯は、残っている歯にバネをかけて人工的に作った歯を補います。この場合、床と呼ばれ
 る歯肉に当たる部分に歯を並べ、本当の歯肉の上にのせます。バネで止めていますので、強
 く引っ張る力で、はずれることもあります。床と歯肉の間に、食べ物が入って溜まりやすいの
 で、毎食後、はずして清掃する必要があります。使い勝手は決して良いとはいえませんが、義
 歯はあらゆる条件で、適応できます。バネを掛ける歯が1本も無い場合でも、総義歯(総入れ
 歯)として噛むことが出来ます。
部分義歯
総義歯
                                                        
 ブリッジは、なくした歯の両隣の歯を土台にして、文字通り橋を架けます。固定されており、
 自分の歯と同じように使えます。手入れも同じです。ただ、土台の歯が十分全体を支えられる
 だけの強さが必要です。また両側にしっかりした土台の歯があることが必要です。連続した欠
 損の歯の数が多いと出来ないなど、色々な条件で、出来ない場合も多いのです。土台の歯を
 必要以上に削らなければならないことが多いことが、ブリッジの最大の欠点でしょう。
欠損からブリッジ装着まで

インプラント(人工歯根):「歯を喪くしたとき、従来の義歯やブリッジは、(総義歯を除いて)
 残った歯を土台に使って(残った歯にもたせて)無くなった部分に歯を足します。インプラント
 は、直接骨に埋め込むという今まで考えられていたのですが、なかなか実現できなかった方法
 です。歯を喪くしたときの新しい方法といえます。」
インプラントの模式図

インプラントは安全?
 インプラント(人工歯根)をしたいと希望される患者さんが増えています。人工歯根は言葉通
 り金属などの人工の「根」を喪くなった歯の代わりに骨の中に埋め込み、冠などの頭を付けて
 噛めるようにする方法です。少し前までは適応条件が厳しく、希望されても出来ない場合や、
 せっかく埋め込んでも揺れてしまい再治療なども多く観られました。現在では、材料技術の進
 歩により、よほど条件が悪い場合を除けばほとんどの場合可能になり、成功率も飛躍的にの
 び、心配なく行えるようになりました。
 違和感も少なく、これからの歯科治療の本命に思われますが、現在では保険治療の対象外
 で、しかも1本数十万円、噛めるためには一つの口の単位で治療しなければならないので、費
 用が数百万円になる事が多いのです。治療開始から、検査・準備・手術・冠などの終末処置と
 数ヶ月から1年近くかかる場合もあり、やむを得ないとはいえ費用の圧縮が課題といえます。
 なによりも、歯を失わなければ必要のない処置ですから、手入れを怠らないことが肝要です。

入れ歯の話
 歯をなくした時、こんなに色々補綴する(補う)方法があります。しかし、どんな場合でも可能
 なのは(費用も比較的安くすみます)、義歯で補うことです。ただ、うまく噛めない、噛むと痛い、
 はずれる、じゃま、などなど、不満が一番多いのも、義歯にまつわることです。それでは、義歯
 (特に総義歯)とうまく付き合う方法はないでしょうか。考えてみましょう。



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