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資料編
ドイツにおける救急医療の実際
   -インターネットから得た資料-
 各資料についてサイトを記し、その次の行の[ ]内に簡単な解説を付けた。

1 (統合)司令部

[統合とは医療に関する救命業務だけでなく、消防業務や山岳・水難救助の司令も行うという意味である。]

1-1 司令部の概説

♯1 ホッホフランケン司令部         
2008年10月より稼働
http://www.kfv-hof.de/integrierte_leitstelle.html

[バイエルン州内には26の司令部があり、その中のある地域司令部のホームページである。州内における司令部の全体像を説明している。約50万の人口について一つの司令部があることが分かる。]

バイエルン州             人口:1,300万
 オーバーフランケン県       人口:  101万
  ホッホフランケン地方      人口:   23万
  (ホッホフランケンはオーバーフランケン県の一部で、いくつかの群と市から成る)


救命司令部の構造と任務

 バイエルン州は26の救命区に分かれていて、各救命区は多くの郡と市からできている。ミュンヘン市とミュンヘン郡は例外で、この市と郡で一つの救命区を形成している。

 各救命区には救命業務の担当部署として、救命業務と消防出動のために一つの目的連合体が設立されている。

 各救急区内には救急業務のための司令部が一つあり、26救命業務の内の14は、これら目的連合体の委託を受けてバイエルン赤十字が運営している。

 司令部は電話番号 19222で繋がるし、また警察と消防の出動センターによって伝えられる緊急電話によっても繋がる。全ての判定基準を確認した後に、責任者は目的に適った図表や緊急医師適用目録に照らし合わせて以下のことを決定する。即ち、どの救命手段(緊急医出動車、救命車、救命ヘリコプター、患者搬送車など)を緊急出動させるかを決定する。

 例えば山岳救助や水難救助などで特殊救命隊の出動が必要な場合には、救命司令部が特殊救命隊を出動させる。重症の病気や酷い怪我で集中治療の必要がある患者では、救命司令部は集中治療運搬車両を配する。

 司令部は出動経過を調整・監視し、他の(警察や消防のような)専門業務が必要な場合にはそれを要請する。また、現場の救命業務と搬入する病院の間の繋ぎ役も果たす。

 救命司令部はその課題を遂行するために救命業務に関係する援助組織(労働者サマリア同盟、バイエルン赤十字、ヨハニスター事故救助組織、マルテスター救助業務)と連携して行動し、また緊急救命に関与する私的救命業務組織と共に活動する。

 救命司令部は固定回線電話で警察の出動センターや消防署の数ある非常出動係と繋がっているし、その上に何時でも無線で即座に連絡できる。

 受け持ち区域の中で特に危険度が高い場所(例えばトンネル区域、空港、工業施設の様な)のために救命司令部は特別な緊急出動プランを持っている。

 バイエルン赤十字司令部の勤務者は、何年もの出動経験と追加的な教育によって司令部活動の資格を得た救命医療助手と救命士である。それに加えて彼らは定期的な継続教育に参加し、緊急事例や患者移送に対する感覚を忘れないために、年間に何日間も救命監視所当番の実践をしている。

 救命業務に関する情報はwww.rettungsdienst.brk.de でも手に入る。

 将来的にはバイエルンの統合司令部は消防と災害支援隊の緊急出動も引き受ける。

 統合司令部が引き受ける、または引き受けなければならない任務は、統合司令部法の2項に定義されている。 

 統合司令部の構造と所在については www.ils.bayern.de で手に入る。その地図は右のホームページにある。https://www.bayern-ils.de/ILSWebseite/index.php


1-2 統合司令部の規模と活動内容

[1-1-①と兄弟関係にある司令部のホームページで自己の業務内容を説明している。]


♯2 トラウンシュタイン統合司令部
http://www.ils-traunstein.de/

[統合司令部部の業務内容について概要]

バイエルン州            人口:1251万
 オーベルバイエルン県     人口: 433万
  トラウンシュタイン郡     人口:  17万
   トラウンシュタイン市    人口:   2万

a.主な内容

救命業務   →1-3で詳述
消防署/ THW (工学的救援組織)
災害防護
山岳事故と、水難の救助
ニュース
興味深いリンク
その他

b.警報の通知

バイエルンの雪崩
オーストリアの雪崩
洪水警報

c.救急業務

医師救急業務
薬局救急業務
歯科医師救急業務
緊急症例-ファックス(難聴などのためにファックスで申し込むために)


♯3 トラウンシュタイン救命業務と消防出動に関する目的連合/統合司令部
http://www.ils-traunstein.de/index.php?option=com_content&view=category&id=31&
Itemid=41&7757447054db5b4c839a3095382e846e=
d508aa173ff11844c2744093e11a10a5


[前項の業務に関するデータの数値。業務領域の人口は49万3千とあるので、トラウンシュタイン郡以外の領域も含むが、地域の名称は不明。]

バイエルン州         人口:1251万
 オーベルバイエルン県  人口: 433万
  トラウンシュタイン郡  人口:  17万
   トラウンシュタイン市 人口:   2万

2009の統計

 これまでの年と同様に今年もまた我々の仕事の種々の業績について、司令部の「2009年版報告書」として報告します。

    トラウンシュタイン救命司令部文書報告 2010年4月19日

トラウンシュタイン救命業務の領域
http://www.ils-traunstein.de/images/
stories/statistiken/Presseinformation%202009.pdf

数値:

領域の面積:・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.750 平方キロメートル
住民:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・493.000 人

救命待機所:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
緊急医待機所:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

所有移送手段(車両など)
緊急医出動車:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
救命車:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
患者搬送車:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
救命ヘリコプター:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

山岳救助待機所:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
洞窟救助待機所:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
補足的山岳救助待機所:・・・・・・・・・・・・・・・2

水難救助駐屯所/常在迅速出動グループ:・・・9
水難救助-、迅速-出動グループ:・・・・・・・・12

その他:
現場の救助員グループ


1-3 統合司令部の救命業務の実際
 
♯4 トラウンシュタイン統合司令部の救命業務
http://www.ils-traunstein.de/index.php?option=com_content&view=article&id=
48&Itemid=27


[司令部の業務・活動内容の詳細]

バイエルン州         人口:1251万
 オーベルバイエルン県  人口: 433万
  トラウンシュタイン郡  人口:  17万
   トラウンシュタイン市 人口:   2万

救急業務の概要

 トラウンシュタインの司令部は特別に教育され、実践を経験した救命医療助手と救急士が三交代で1日中詰めている。
 一緒に業務を果たす隊員の数は、遂行する出動の総量で決まる。

 そういうことで夜間には2人、昼間には4人の隊員が司令部で業務を行っている。全体として22人の中央官庁に勤務する隊員が業務運営に投入される。この22人は49万3千人が住んでいる3,750 km²の地域にある12の緊急医待機所と18の救命監視所に援助をを求めることができる。
 
 中央官庁の救命医療助手と救命救急士、非軍事的役務奉仕者や数多くの無給の協力者が、救命業務と患者移送のために交代で車両に乗っている。・・・この様にして救命業務は1年間365日、24時間出動の準備ができている。

 緊急医は初期医療を現場で行う。初期医療に属するのは生命機能の回復と確保、救命の監視、移送の手配とその際の医師による監視である。バイエルンにおける緊急医の業務はバイエルン保険医協会と救命連盟によって保証されている。緊急医師業務に参加しようとする医師はバイエルン保険協会に対して特別な適正証明をしなければならない。この適正証明書として普通は救命業務の専門学証明書が求められる。
 

 こににトラウンシュタインの司令部が担当している地域の概観を簡潔に示す(各待機所の所在は、右上の統合司令部ロゴマークをクリックするだけで、我々が独自に作成したグーグル・マップ上にそれを見つけることができる)。


[クリックすると大きくなります。地図の画面になります。]

 バイエルン赤十字とマルテスター病院事業の2つの救急救命機構は22台の患者移送車 (バイエルン赤十字 21 、マルテスター 1)と28台の救命車両(全て赤十字)を所有している。バイエルン山岳監視所は21人の山岳救助監視員を擁し、水難救助施設 (13)とバイエルンの14の水難救助-迅速出動グループにはドイツ救命協会が詰めている。更に地域の4援助グループと3後方業務に助力を求めることができる。大規模出動の場合には、司令官の業務や救急士出動行為と同じ様に24時間無償で業務の準備をしている12の迅速出動グループを緊急呼集できる。

 同様に警報受信者を通じて、統合司令部の要請があれば4隊の危機介入チームに緊急呼集がなされる。捜索活動には救助犬チームが要請されることもある。

 トラウンシュタイン統合指令部の地域には基本的に、トラウンシュタイン病院に駐機する救命ヘリコプター"Christoph 14"が担当している。この施設はバイエルン赤十字によって運営されている;連邦内務省は連邦上級官庁を通じて住民の保護と災害救助のために超近代的なヘリコプター Typ EC135T2i を自由に使用させる。

 ドイツ連合警察南部飛行隊の職員はパイロットとして出動する。緊急医師は病院によって調達される。集中治療と救命業務に経験のある専門医が重要である。救命医療助手は赤十字の職員である。基礎的な研修と多年の職業経験が航空救命業務出動の前提条件である。救命助手が航空救命業務のための特別講習を受けると、医学的な業務を支援する他に、出動の着陸の際に航空術や領空の観察でパイロットを支援する。更にまた、出動を統括する救命司令部と無線で連絡を保つ。

 救命ヘリコプターは、命が危険な程の怪我か病気であると推測される人を助けるために出動する(初期出動)。救命ヘリコプターの出動に関する医学的な適用は緊急医師出動の場合と同じである。救命ヘリコプターはまた、特別な緊急の状況においても出動する可能性がある。その状況とは、とりわけ山岳地帯や道のない地形、あるいは迅速で穏やかな長距離の移送のための出動である。

 救命ヘリコプターの本質的な利点は、緊急医師を遠くの患者の許まで速やかに届けられることであり、患者は最適の病院まで迅速かつ穏やかに輸送が行われることである。特に病院が現場から離れている時には有用である。(以上は初期出動)

そういうことで、救命ヘリコプターは全くのところ地方には欠かすことができない。集中治療が必要な患者をある病院から特殊病院に愛護的に移送することも同じく多種の業務の一つである。(二次移送)


司令部外観


司令部内部

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