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資料編

ドイツにおける救急医療の実際
   -インターネットから得た資料-

6 法・規則

♯18 共同救急業務規則
 
ヴェストファーレン-リッペ医師会および保険医協会
  2009年11月11日/2010年5月20日より

http://www.kvwl.de/arzt/recht/kvwl/notdienst/index.htm
  ↓
 Notfalldienstordnung (PDF - 50 KB)

[法と規則で義務を明確にするのがドイツのやり方である。
この州の共同救急業務規則は社会や医療の変化とともに改正され、過去に少なくとも1996年と2002年の版が存在する。]

  州:ノルトライン-ヴェストファーレン 人口: 1,787万
   準州:ヴェストファーレン-リッペ 人口:   837万

前文
 ノルトライン-ヴェストファーレン州(NRW)医療職法と社会法典Ⅴは、外来診療を行っている医師とその自治機構に外来救急医療の確保を委託する。ヴェストファーレン-リッペ医師会(以下ÄKWLとする)とヴェストファーレン-リッペ保険医協会(以下KVWL)は共同救急業務規則(GNO)によって、その時々に存在する法的義務を果たす。

§ 1 原則

(1) 自分で開業しているか、あるいは外来治療に参加している医師の任務は、常に外来治療を確保することである。医師のこの長時間の義務を軽減するために、地域的な医療提供として医師救急業務が設立された。

(2) 救急業務の設立はしかしながら、もし患者の病状が現在治療を行っている医師を必要としているならば、その医師が患者のケアのために配慮を負っているという義務から解放される訳ではない。

(3) 救急業務の枠内で行う治療は、患者が次に可能な通常の外来あるいは入院治療が医学的に適切でそして十分に提供されるまで行われる。治療はこの様に必要不可欠のものに限られるべきである。

(4) 患者の救急医療が終了したら、もしその患者が他の開業医で治療中である場合には、それ以上引き続いて治療をすることは許されない。

(5) 救急業務を行う医師は、自分の行った医療行為の種類と範囲を、現在治療を継続中の医師または今後治療を行う医師に対して遅滞なく報告する義務がある。報告は彼が提出する完全に記入された救急業務証明書のコピーを送ることによる。

(6) 開業許可を受けた全ての医師は、どの専門分野で研修し、あるいは従事していても、専門家として救急業務に参加するに相応しい。

(7) 救急業務に参加する義務のある医師は救急業務を行うための生涯教育を持続的に研鑽しなければならない。

§ 2 参加義務のある医師の範囲

(1) 救急業務への参加は

 a)認可された契約医・・・半分の医療任務しかもたない医師や、仕事分担の条件下で契約医医療に参加している医師も含む・・・
 b)開業している期限付き認可の医師
 c)開業して自由診療を行っている医師

に義務がある。もしある職業専門共同体の枠内で従事していても、割当単位は1.0と見なされる。

(2) 救急業務への参加は、雇用関係で外来治療に従事している医師にも義務がある。この義務を履行するために、雇用されている医師の割当単位は各々の雇用関係の範囲内で次のように設定する:

週あたりの勤務時間
10 時間以下          割当単位0.25
10 時間から 20 時間    割当単位0.5
20 時間から 30 時間    割当単位0.75
30 時間以上         割当単位1.0

(3) 医療を遠地で行っている医師は、遠方の救急業務への参加は原則的に義務ではない。ただし、それによって救急業務が確保されない場合は別である。この件に関しては所轄の地域事務所の長が決定する。

(4) 許可が休止になっているけれども私的に開業している契約医は、重大な根拠がないのなら救急業務に参加する義務がある。

(5) 種々の形で外来医療に従事している医師が参加する場合には、参加の形は仕事をしている地域に適合した割当単位に従って救急業務への参加が分割されて科せられる。

(6)認可された医療センターで働いている勤務医は、医療センターの持ち主は勤務医であるということで、前述の規定に従う。

(7)§ 2 (1)から(6)に定めた参加医師の他に、それ以外の医師が自主的に救急業務に参加することができる。必要な申請はヴェストファーレン-リッペ保険医協会に提出する;申請により医師は共同救急業務規則の決定に従う。

(8) 心理学的精神療法医師と心理学的小児・青年-精神療法医師は医師救急業務に参加しない。

(9) 口腔・顎・顔面外科の専門医はは歯科医救急業務または契約医救急業務のどちらに参加するかを選ぶ。ヴェストファーレン-リッペ保険歯科医師協会と保険医協会は、選ばれた業務が守られていることを確かめる。

§ 3 救急業務の時間帯

(1) 医師救急業務は次の時間帯において外来医療を確保している。

 a) 月、火、木         18.00 時 から 8.00 時(翌日)
 b) 水、金            13.00 時 から 8.00 時(翌日)
 c) 土、日、法的祭日     8:00 時 から 8.00 時(翌日)
 d) 12月24日、12月31日   8.00 時 から 8.00 時(翌日)

(2) 例外として、(1)から外れて医師救急業務は次の時間帯に変更して短縮され得る。

 a) 土               8.00 時 から 8.00 時(月曜)
 b) 水               13.00 時 から 8.00 時(木曜)
 c) 法的祭日   (前日の夕刻)20.00 時 から 8.00 時(次の平日)
 d) 12月24日、12月31日(平日なら)  8.00 時 から

 これに関する決定は、その時々に関係している地域事務所の長がそれぞれの救急業務グループと協議の上で行う。

§ 4 組織化と管轄

(1) 組織的な重複構造を避けるためにヴェストファーレン-リッペ医師会は、開業して自由診療を行っている医師にたいする決定を除いて、救急業務の組織化と運営をヴェストファーレン-リッペ保険医協会に委任した。

(2) ヴェストファーレン-リッペ保険医協会の理事会は救急業務地域を確定し、それを相応しい形で明記する。救急業務地域の区分作成は次の基準を考慮して行われる。

・適切な時間内の十分な医療の確保
・無理のない、そして原則的に平等な医師の分配

地域事務所の長は救急業務に義務のある医師達に救急業務地域を文書で通知する。

(3) ヴェストファーレン-リッペ保険医協会(KVWL)の理事会は、経済的な要請を考慮して、救急業務を実施するために必要な技術的ならびに組織的な細目を定める。

 各々の救急業務地域は原則的に医療提供を、下記の基幹施設とともに提案すべきである。

・一般医救急業務
・救急診療所、または病院内に設置した救急診療所
・患者の電話を仲介して司令部への連絡
・(非自家用車)運転業務
・広域の統一電話番号

(4) KVWLの理事会は救急業務の組織化と実施のために必要な契約を締結する。KVWLが義務づける雇用関係を不当とすることは許されない。

(5) KVWLは救急業務の組織化や実施のために一つの職務遂行団体を用いることができる。

(6) 地域事務所の長は、決定が明らかにヴェストファーレン-リッペ保険医協会( KVWL) の理事に委ねられるものでない限り、その地域の全ての救急業務の要件に決定を下す。

 開業して自由診療を行っている医師にたいする決定はヴェストファーレン-リッペ医師会(ÄKWL)の管理地域の担当理事長が行う。

 配属される地域に関しては、医療活動の場所(診療所の所在、契約医として届け出ている住所、仕事をしている所)によってその都度個別に調整される。

 入り組んだ救急業務地域の場合には、どの地域事務所が管轄するかは理事会が確定する。

 領域内で複数の地域事務所から救急業務の義務があるとされた医師については、所轄の地域事務所の長達がお互いに調整する義務がある。

 救急業務への加入と免除の申請に関しては文書の通達によって決定される。

 地域事務所の長は、原則的な特異性について決定する際にはÄKWL の管理地域の理事長達に知らせる義務がある。

(7) 契約医として治療に参加している医師の異議については、担当の管理事務所の長が処理係として、 KVWL の理事会が苦情係として決定する。その他の全ての医師は前述の方法を取らずに ÄKWL に対して苦情を申し立てる権利がある。

§ 5 救急業務グループ

(1) 各々の救急業務地域において救急業務へ参加を義務づけられている全ての医師は救急業務グループを形成する。医師をある救急業務グループに配属するためには、その医師の勤務場所が重要である。変則的な配属は地域事務所の長の文書による許可がある場合にのみ可能である。

(2) 救急業務グループは各々の救急業務地域内で § 3の時間帯で救急業務の確保に責任を持つ。

(3) 救急業務地域は例外的に、隣接する他の保険医協会の地区を含めて形成され得る。関係する保険医協会あるいは医師会はこのことを文書で取り決めなければならない。

§ 6 業務の割当

(1) 地域事務所の長は救急業務グループのために業務計画を作成する。業務計画は原則的に半年分を作成すしなければならない。計画は遅くとも実施の1ヶ月前に救急業務グループの構成員に文書で周知させなければならない。

(2) 救急業務に参加する義務はまた・・・相応の需要があれば・・・司令部内の業務の一部を分担することによっても果すことができる。

(3) 雇用されている医師は業務の割当に際して§ 2 Abs. 2 und 6 に従って、雇用している医師や医療センターの協力を考慮する。雇用している医師や医療センターは割り当てられた救急業務の遂行に責任がある。

(4) 不断の救急業務への動員は、一般的に24 時間を超えてはならない。自由意志に基づくなら、それを超過する割当は可能である。

(5) 救急業務の医師は救急業務グループ内でできるだけ均等なな業務割当を求める請求権がある。

(6) 救急業務への動員は、医師に救急業務を割り当てる救急計画を公表することにより生じる。

(7) ヴェストファーレン-リッペ保険医協会は、医師救急業務医療の原案を公表をする。それ以上に、割り当てられた医師の氏名や電話番号の公表は許されない。

§ 7 専門医の救急業務

(1) もし当面の専門医救急医療がヴェストファーレン-リッペの担当全領域にわたって確保されるのなら、KVWLの理事会は補完的に専門医救急業務を設立することができる。但しこれによって一般医救急業務の確保が阻害されない場合にのみ設立され得る。

(2) KVWL の理事会は専門医救急業務の地理的および時間的な範囲を決定する;その際、一般救急業務のために相応しい決定と異なっても良い。

(3) その他の点では、専門医救急業務に関するこの共同救急業務規則の決定に従う。

(4) ある専門医救急業務が設立される場合には、当該救急業務地域におけるその専門科の全ての専門医は§ 2によってに参加する義務がある。彼らはこれによって救急業務の義務を遂行する。

(5)自由意志で独自に専門医救急業務医療を提供しても、一般救急業務の参加義務から解放されるということにはならない。

§ 8 救急業務の実施

(1) 一般的救急業務のうち待機業務では、医師は救急診療所の開いている間は救急診療所に居なければならない。診療所診療が空いていない時間には、待機業務の当番医は救急業務区域内に居て司令部と連絡できなければならない;救急業務区域外の滞在には地域事務所の長の許可を要する。

(2) 乗車業務もまた原則的に救急診療所が引き受ける。司令部は個々の場合に応じて、どの乗車業務(救急業務地域に関係なく)を差し向けるかを決める。

(3) 専門医救急業務は、救急業務を割り当てられた医師の診療所か救急業務診療所で実施される。

(4) 救急業務が割り当てられた医師またはその代理(交代した医師)は、業務開始の前に用意ができていることを司令部に直接届け出る義務がある。

(5) 救急業務時間中に要請された必要不可欠でかつ急を要する往診は、救急業務時間の終了後にでも当番医が行わなければならない。

(6) 当番医師達が時間を決めて引き継ぐ直接交代(例えば、土曜の当番医と日曜の当番医の間)の場合、後続の当番が業務を開始するまでは当番医に義務がある。

§ 9 代理

(1) 医師は他の適当な医師に代理してもらうことができる。

(2) 代理をして貰う医師は、交代のことを適正な時に全ての関係者に知らせる義務がある。

(3) 上記医師は代理の指名(選任)と資格の審査に自分で責任を持つ;彼は代理を依頼することで時に発生する費用を自ら負担しなければならない。

(4) 専門医救急業務の代理は、代理をしてもらう医師の診療所によって、または同一救急業務地域内に存在する他の診療所によって引き受けられなければならない。

(5) 契約医の医療に参加する医師が、自らは契約医医療に参加していない医師に代理してもらう時には、規則通りに救急業務を実行するという責任は移行しない・・・始めに割り当てられた医師にある・・・。
 他の全ての代理事例では責任は代理に移行する。

§ 10 業務の交代

 話し合いで具体的な日時を取り決めた救急業務の義務は、業務の交代によって他の医師に移る。交代によって業務を引き受けた医師は、引き受けた業務について規則に適った実行に責任を負う。業務を代わって貰った医師は、交代のことを適切な時に全ての関係者に周知させる義務がある。

§ 11 医師救急業務への参加免除

(1) 医師は文書で申請することにより、重大な根拠(事由)がある場合には地域事務所の長によって永久にあるいは期限付きで救急業務から免除される。

(2) 免除の根拠は特に、

a) 医師について証明可能な重い疾患や障害があり、その疾患や障害が診療行為(例えば、症例数)に相当な範囲で不利な影響を与えていて、またそのために医師が救急業務のための代理を委託することが費用の面で期待できない場合。
b) 妊娠(妊娠期間中と出産後長くても12ヶ月)。この期間を超えた幼少児養育のための免除は一般的に正当化されない。

(3) 65才を迎えた医師は、申請すれば救急業務から免除される。

(4)院外医師(岡嶋訳。アメリカのオープンシステムに近い。)として働いている医師は申請により個々の例で下記の判定基準を考慮して免除される。

 a) 保有しているベットの数; 院外医師活動の共同実施
 b) 単独診療か職業実施共同体か(例えば、共同診療所)
 c) 救急業務領域内の当番の頻度
  この規定は、定期的な救急業務活動に参加している透析医療や緩和ケアをしている医師にも適用される。

(5) 医師団体のために名誉職活動をしている医師は申請により救急業務を免除される。以下の者は申請により救急業務を免除される。
 ヴェストファーレン-リッペ保険医協会では、代表者会議の理事長、理事、行政事務所の長、地域事務所の長。ヴェストファーレン-リッペ医師会では、行政地域の理事長、会長、副会長、理事。

(6) 救命業務への自発的な参加は救急業務の免除を正当化しない。だから自発的に救命業務に参加している医師は、救命業務に参加することによって自分の救急業務義務の遂行が妨げられない様にしなければならない。

(7) 救急業務を行うには継続教育が乏しいということは免除を正当化しない。この場合には、救急業務義務を代理に委託することから発生する費用を負担することで果たさなければならない。

(8) 救急業務グループ内の合意によって、ある医師に割当がなかったということは(1)の意味の免除ではなく、免除はいつでも撤回できるし、その医師が今後も割当られないとか免除になるとかいう法的請求権の根拠とはならない。

§ 12 医師救急業務参加からの排除

(1) 救急業務の的確な実施に相応しくない医師は救急業務から除外され得る。除外は持続的であるか、または継続教育の付帯条件付きで一時的であるかを通告される。

(2) 医療の面であれ個人的な面であれ、規則に適った質の高い医師救急業務の遂行を行えない者は特に、医師救急業務への参加は不適当である。

(3) 契約医の場合には地域事務所の長の提案を受けてKVWLの理事会の長が除外を決定する。私的に開業している医師の場合には行政区長の提案を受けてÄKWLの理事会が決定する。

§ 13 分担金(割当金)

(1) 救急業務の組織と遂行のための費用は、疾病金庫からの使用目的限定負担金と交通費用の全額を充てる。これで賄えない場合には、救急業務の義務がある全ての医師に均等に分割され、四半期毎の決算で精算される。救急業務への参加の単位が1.0以下の義務である医師は、参加単位に応じて分担金は減額される。
 (1) に関連して、許可が休止になっている医師や、完全または部分的に救急業務から免除されている医師の分担金は50%減額されるという措置が相応しい。分担金を負担する義務は、救急業務に実際に参加することや基盤的施設を利用することとは関係がない。

(2) 医師が指示した交通業務のうち、非自家用車を利用する救急業務中の往診に要する交通費は、精算されるべき医師の四半期決算からKVWLが天引きする。

(3) 勤務している医師のためには、負担金は雇っている医師が負担するという措置により前記の規則が有効である。

(4)比較的遠い所に救急業務参加の義務がある医師は、遠い場所であるということ(1) によって追加的に分担金を課せられることはない。

(5) 社会的不公正の事例では、申請により理事会が救急業務分担金を減額したり免除したりすることができる。

§ 14 違反

 この共同救急業務規則に対する違反は、職業法や契約医法の規定に従って罰せられる。

§ 15 書類
(1) この共同救急業務規則は2010年04月01日に発効し、2011年02月01日に組織的に移行する。

(2)2002年01月 01日版の共同救急業務規則は経過措置として2011年01月31日まで有効である。

2010年03月20日ミュンスターにて   
ドクター ヴィントホルスト (ヴェストファーレン-リッペ医師会長)
2009年11月11日ドルトムントにて
ドクター シーペ (ヴェストファーレン-リッペ 保険医協会・代表者会議会長)

謄本

 上記の本文は2010年03月20日のヴェストファーレン-リッペ医師会集会の会議と2009年11月11日のヴェストファーレン-リッペ保険医協会代表者会議の議決に適う。この書類はヴェストファーレン医師雑誌とヴェストファーレン-リッペ保険医協会のプルスプンクトの両紙上で発表する。

2010年03月22日 ミュンスターにて
ドクター ヴィントホルスト (ヴェストファーレン-リッペ医師会長)
ドクター シーペ (ヴェストファーレン-リッペ 保険医協会・代表者会議会長)

7.新聞などの記事より

♯19 医師は救急当番診療所に強く関わっている
http://www.rp-online.de/niederrheinsued/
erkelenz/nachrichten/erkelenz/
Aerzte-halten-an-Notdienstpraxis-
fest_aid_433005.htm


[ライン・ポスト紙の記事。人口の少ない4市共同でで開設している救急業務診療所について。]

ノルトライン-ヴェストファーレン州    人口:1,787万
   ケルン県                 人口:  439万
     ハインスベルク郡          人口:   26万
         エルケレンツ市        人口:   5万
         ヒュッケルホーフェン市   人口:   4万
         ヴァッセンベルク市     人口:    2万
         ヴェークベル市        人口:   3万

2007年4月28日更新 (ライン・ポスト紙)  エルケレンツ市にて
 エルケレンツ、ヒュッケルホーフェン、ヴァッセンベルク、ヴェークベルク各市の開業医総会はエルケレンツ救急当番診療所の現在の状況に取り組んできた。
 2000年6月以来、これらの市の耳鼻科と眼科と歯科を除く(この時点で)132人の開業医は、エルケレンツ病院の向かい側のゴスヴィン通りにある救急当番診療所に資金を出している。以来、7年間に41人の医師が2万4千人の患者を治療した。


 前年に比べて患者の減少したのは、一つにはこの四半期に救急の場合にも診療料金が高くなったためだと医師達は見ている。その他に、病院の建築工事のために著しく悪くなっている救急当番診療所の駐車場の状態について苦情が寄せられている。これはエルケレンツ市長のペーター・ヤンセンに援助を頼むべきである。

患者が減少していても縮小はしない
 
 一般的にうまくいっている救急業務診療所の医療供給を変更したり縮小する誘因はないと、総合的に医師達は見ている。だから救急当番診療所には引き続き18時に開き、一人の医師と一人の女性助手が勤務する。

 この医師は救急当番診療所内においても、また要請があれば往診でも、患者の治療を行う。水曜と金曜には、診療所は12時に開院の準備が出来ている。これらの日には、18時から21時の間に増大する往診の要請を遂行するために医師がもう一人加わる。

 週末と祭日には 当診療所はこれまで通り24時間開いている。
全時間帯に二人の医師が居て、その内の一人が往診に専念する。10時から14時の間は第三の医師が勤務している医師を支援する。

電話による窓口業務はない(コール・センターはない)

 患者はエルケレンツの救急業務を直接に電話番号 0 24 31 / 89 22 22 で連絡することができる。他のところで一般的にやっている様に、まずはコールセンターに電話しなければならないなどということはない。もっと周知を徹底し、緊急の場合にも早く理解できるように、全ての診療所は来週もう一度患者さんのためにパンフレットを整えておく。

♯20 ローブベリッヒにできた第2救急業務診療所 は今日から
http://www.rp-online.de/niederrheinsued/
viersen/nachrichten/viersen/Zweite-
Notdienstpraxis-ab-heute-in-
Lobberich_aid_518894.html


[ライン・ポスト紙の記事。「4-1 ♯11一般救急業務」で紹介したフィーアゼン郡救急当番診療所に関連する5年後の続報である。フィーアゼン郡のデュルケンには充実した終夜の救急業務診療所が既に存在するが、一カ所に集中するのでは交通が不便なので、人口の少ない2市で第2の救急業務診療所を開設した。こちらの方は24時までで、以降は第1診療所が引き受ける。]

ノルトライン-ヴェストファーレン州       人口:1,787万
  デュッセルドルフ県              人口:  519万
    フィーアゼン郡               人口:   30万
     フィーアゼン市              人口:    8万
       デュルケン (フィーアゼン市の一区画)
    ネッテタール市               人口:   4万
       ローブベリッヒ(ネッテタール市の一区画)
       ヒンスベック (ネッテタール市の一区画)
    グレーフラート行政地区          人口:   1万6千



アンドレアス ライナーズによる-最新更新:2008年01月09日

 医師の救急業務を要求していたフィーアゼン内の患者は、本日の正午から簡単になる。ローブベリッヒにある市立病院内の新しい救急業務診療所は15時からの業務を開始する。
 それによって開業医による救急業務の医療は格段に改善される。既に5年半にわたってデュルケンの病院通り88で定着している救急業務診療所に加えて今では第二の同様の施設がローブベリッヒにある。


 ヒンスベック、ローブベリッヒ、グレーフラート内の開業医がフィーアゼン健康ネット(株)に加盟することによってそれが可能になった。フィーアゼン健康ネットは既にデュルケン内の診療所を運営していおり、ローブベリッヒ病院内の患者のために新しい拠り所を組織的に担当する。新しい救急業務診療所は病院の中央患者受付に併設する。そこでは水曜と金曜の午後と、週末と祭日には準夜帯にも医師が勤めて患者の面倒をみる。既にデュルケンで行っているのと同じ様に運転業務もある。自分で救急業務診療所に来られない患者は当番の医師の往診を受ける。そのために2台の自動車が備えられている。

 デュルケンとローブベリッヒの両救急業務診療所は互いに電話でつながっている。両施設のなじみの電話番号は 01802-112 333 である。電話をかけた人は自動的に最寄りの診療所に行くように指示される。

 新しい施設はネッテタール市とグレーフラート行政区の患者を担当する。「しかしこれ以外の地区の患者を断る訳ではない」と、これまでローブベリッヒ、ヒンスベック、グレーフラート地区の医師仲間達と一緒に救急業務を担当してきたドクター フランツ-ヨーゼフ・ヴィルコムは説明する。診療所の利点:診療所はローブベリッヒ病院の既設の部分に統合された。当番の医師は・・・疾患の重傷度によって・・・患者を病院の外来または他の特別な部に回すことができる。そのことによって、危急の場合には多くの時間を稼げる。

 ローブベリッヒの新しい救急業務診療所にはザッセン教会通りの中央入口を通って到着する。申し込みは中央受付で行う。業務時間は現在のところ、月・火・木の19時から24時、水・金の14時から24時、土日と祭日の9時から24時である。そして24時以降はデュルケンの救急業務診療所が担当する。

♯21 ドイツにおける医療機関(モネトス)      
http://www.monetos.de/

モネトス:ヨーロッパの私的な経済分野に関する独自の情報と調査

[経済情報提供を目的としたウエブサイトであるが、EU各国の医療事情(医療保険、医療制度)についても各国語(独、英、仏、伊、蘭、西で提供している。]

モネトス・・・国境を越えた調査ウエブサイト・・・は、ヨーロッパにおける社会的・経済的に重要な話題をめぐって的確な専門情報と有益な助言を提示する。

モネトスの主要5項目の内サービスの項のうち、
EU案内書:受診について(ドイツ版)

緊急事態のための情報:EU における医療機関の受診
http://www.monetos.de/service/arzt/

 長期にわたって他国に滞在する人達は、しばしば現地の医療システムが必要になる。システムは国によって異なるので、イギリスにおける受診はドイツの場合と違った流れを辿る。

 次章では 当該国において注意を払うべき正確な手順や、料金、手続などを説明する。もし関係するシステムが分からない場合には、適当な家庭医から救急業務の機関に至るまで、探索を通じて疾病保険が全ての重要な質問に答える。

更なる情報を次に記す。-----ドイツ

ドイツにおける受診
http://www.monetos.de/service/arzt/
arztbesuche-in-der-bundesrepublik-deutschland/


 ドイツでは基本的に、病気になって医師や病院にかかる人は医学的な治療を受ける。治療は、国籍、民族、宗教、年令、性別、その他の要因に関係なく行われる。 もし疾病保険を持っていなくても医師は医療援助を行う。このことは一般医であろうと、歯科医であろうと、専門医であろうと同じである。救急の治療は常に優先される。このことを基本として病院の救急入院は、個々の症例の緊急度に従って等級別の表が作成されている。

 医師と受診の日時を決めようと思ったら、希望する診療所に電話でまたは自分で直接に申し込むことができる。ドイツでは医師にかかるために患者は窓口で診療費を支払わなければならない。しかしこれを支払うのは法的疾病保険の人である。私的保険の人は支払わなくても良い。

 法的および私的疾病保険は支給の原理に関して違いがある。法的疾病保険の場合は現物給付の原則、私的保険の場合には費用立て替えの原理がある。この違いから、薬代の支払いは両者の間で異なる。ドイツでは患者は薬代を自分で支払わなければならないか、追加分を支払うか、または全然支払わないことになる。

次の題に関する情報があります。

緊急事態
http://www.monetos.de/service/arzt/
arztbesuche-in-der-bundesrepublik-
deutschland/notfall/


緊急医


 医学的な緊急状態が発生した場合には、ドイツではいつでも全国統一の緊急電話番号112で救命司令部の医師を呼び出すことができ、この医師は最短時間で病人・怪我人の許に到着する。また緊急番号112でヨーロッパ各国において医師の助けを求めることができる。

 病人のために救命業務や患者搬送が必要な場合には呼出番号19222で、場合によっては前番号を付け加えるか、緊急番号112である。重要なことは19222は単に救命業務の要請に役立つだけである。緊急番号112は次のような場合でも携帯電話で連絡を取ることが出来る。

a.SIM (Subscriber Identity Module Card)カードがない時、
b.プリペイドカードの貯金が証明できない時、
c.呼び出し時に業者の携帯電話網が利用できないし、他の業者の携帯電話網で接続しなければならない時、
d. PIN(暗証番号 (Personal identification number))が入力されない時、

 緊急の場合にはいろいろな技術的機能のついた携帯電話や固定電話網によって緊急医につながる。このような緊急電話は無料である。

 緊急電話112は緊急医だけでなく、消防にもかかる。その他の、誰も怪我をしていないような交通事故や襲撃等の類の緊急状態では、警察の緊急番号110を廻す。電話をかけた人は、もし必要なら警察業務司令部から救命司令部に繋いでもらう。


医師待機当番

 特定の電話番号で医師待機業務にもつながる。待機業務の医師は、診療所が開いていない夕刻や夜それに日曜祭日に、診療所を開業している医師達の代理を務める。待機当番医の電話番号と住所はインターネットのオンライン照会で見つけることができる。その他に、ある決まった時間に自分の診療所で待機業務をしている医師も示されている。待機当番医の時間と電話番号は地方新聞にも出ている。大抵の医師は留守番電話で伝言を残したり、待機業務中の医師と連絡が取れる様にしている。待機業務の医師は患者の家でも診療を行う。

 ある医師が常に同じ診療所で待機業務を引き受ける訳ではない。また緊急の場合に、どの診療所でも必ず待機業務を行っているとは限らない。待機業務の医師には、法的保険の人は10ユーロを支払う。一方、私的保険の人は支払わなくてもよい。

 緊急の場合には、もし患者の状態が許せば、勿論一番近くの病院の外来を直接受診することが出来る。

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