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星空の下で、さよなら &君に繋がる空 続編
binary star ― 連星 ― 6
「・・・重症だね」
苦笑混じりに呟かれた言葉に、あたしはゆっくりと頷いた。
「情けないでしょ?」
自嘲気味に笑う。
笑ってはいたけれど、目が潤んでしまうから、顔を上げた。
日差しを遮るように生い茂った枝葉が、風で揺れて光が躍った。
夏休み最終日。
附属大学での練習を終えたあたしと真由利は、打ち上げと称してカラオケに行くみんなと別れて、地元の女子中高生には人気があるアイスクリーム店に来ていた。
店舗前にあるベンチに並んで座り、疲れた両足を投げ出していた。
アイスケースの並んだ店内は、10人も入ればいっぱいになってしまうような小さなお店で、アルバイトのお姉さんが一人で対応していた。
3人掛けのソファーが一つの店内は、同じように部活帰りだと思われる制服の女の子が3人、夏限定のメロンミックスにプラスチックのスプーンを差し入れて口に運んでいる。
他にも私服の女の子5人がアイスケースを覗き込んで、あれこれトッピングを選ぶ声が店の外に響いていた。
小さなお店だけれど、店舗はいくつかあって、去年は本店の方で有菜と食べたことを思い出す。
そして、有菜と「初めてのキスは〜」なんて話したんだ・・・。
確か泉峯の近くにも店舗があったはずだ。
有菜はここのメロンソフトが好きだから、きっと今年も食べてるだろう。
真由利は最近の彼女のお気に入りのヨーグルトソフトをスプーンを使わず食べ掛けて、あたしの言葉に重々しい溜め息を零した。
「あのね、情けないのは、この夏も彼氏できなかった私のほうなんだけど?」
真面目な顔でそう言って、買ったまま放っておかれているあたしのバニラソフトをぺろりと甞めた。
「ん、おいし〜!でもやっぱりこっちの方がおいしい」
食べる?と真由利は右手に握られたヨーグルトソフトを差し出して首を傾げた。
あたしは溶け出している自分のソフトを口に運び「真由利の減らしちゃ悪いでしょ?」と肩を竦めた。
濃厚な甘さが口に広がって、練習で疲れた体が喜んでいるのがわかる。
やっぱりとっても美味しい。
店内から聞こえる妙にハイテンションな曲は、あと数時間で夏休みが終わるあたしたちに"やり残したことはない!?"と急き立てているみたいだった。
真由利はひと甞めするごとに「んー!」と嬉しそうな声をあげ、幸福そうに頬を緩めた。
10分前まで「もう歩けない!」「コーチ厳しすぎ!」と悪態つきながら歩いていた人と同一人物とは思えない。
「いやあ、でもさ、とーこが堅かったわけがようやくわかったよ」
「?」
「一途だったんだねぇ〜」
あたしはプラスプーンを口に入れたまま、固まってしまった。
パリパリと側面のコーンをかじっていた真由利はそのまま続ける。
「10年?それ以上?ず〜っと同じ人好きだったんだ?ねえ、それってさ、どんな感じ?私、そんな長い間同じ人好きでいたことないから、わかんないのよね?」
「どんな感じって・・・」
「すっごくカッコイイとか?だってさ、とーこ、入学からずっと告白されても全然見向きもしなかったじゃん?それにさ、先輩とずっとイイ感じだったデショ?私、てっきり留学内定した時点で、二人は付き合いだしたと思ってたのに。テニス部の女子とかすっごい悔しがってたもん。」
「うっ・・・」
司さん。
――あたしが直人と想いを通わせ合った後も、変わらず優しくしてくれる人。
傍にいると甘えてしまうから、司さんの想いに応えられなかったあたしは、傍に居る資格なんてないのだから、そう思うのに『塔子ちゃんが嫌っていないのなら、今まで通り"先輩と後輩"でいようよ』と、微笑まれて。
嫌いなわけない。
嫌えるわけない。
一番苦しかった時、ひとりで立ち上がれなかった時に、傍にいて手を貸してくれた人。
そして、躊躇するあたしの背中をそっと押してくれた人。
苦しくなるくらい、大切だと思える人をどうやったら嫌いになれるのか、そんな方法があるのなら聞いてみたいと思うのに。
『僕はずっと自分の気持ちに嘘を吐いてきたから、素直になれた今を大事にしたいんだ。その為には、塔子ちゃんの笑顔が必要みたいなんだよね?こんな言い方ズルイなぁとは思うんだけど・・・・。
だから、塔子ちゃんが嫌じゃなければ、リハビリに付き合って欲しい。先輩と後輩としてでいいから。』
だからこそ、離れた方がいいと思うのに。
それでも、司さんがまた心から誰かを好きになれるなら、彼の心の中にある悲しみをすべて消してくれる人に出会うなら、彼があたしにそうしてくれたようにしたいとも思う。
偽善だとわかっているけれど。
直人に向かう想いとはまた別の感情。
有菜や関君に寄せる想いに似ているのかもしれない。
「司さ・・・先輩にとって、あたしは妹みたいな感じだと思うよ?」
そう、きっと、お兄ちゃんが居たらこんな感じなんだろうと思う。
「そうかなぁ〜?兄貴いる私からしたら、あんな王子オーラ出てる人が傍にいたら、ときめいちゃって仕方ないって感じだけどぉ。ま、比べる対象がうちの兄貴じゃ坂本先輩に申し訳ないけどさー。」
真由利は小さくなったコーンを口の中に放り込んだ。
指先をぺろりと甞めて、うーんと考え込んでいる。
「幼馴染みって、微妙だよね?お互い昔も知ってて・・・過去とか知ってるってヤダなあ。誰を好きだったとか?それに、別れちゃってもお隣さんだったりしてさ・・・あ、イヤ、とーこたちがそうなるってことじゃなくて」
慌てて両手を交差させる真由利に、あたしは微笑む。
真由利が何を言いたいのかわかるから。
「うん、そうだね。・・・そうなの。なんでも知ってて・・・知らなくてもいいことってあるし。あんまり近くにいすぎたから・・・どうしたらいいのかわかんないのかもしれない・・・」
もう、想いが通じたというのに、あたしは苦しくて仕方ない。
あとからあとから想いが溢れて、あたしという容器がいっぱいになってしまっても、それは止まることを知らない。
あたしから溢れ出してしまった想いが、あたしを封じる足枷になってる。
好きすぎて、どうしていいかわからなくなる。
「・・・友達でもなく、恋人でもない。そんな曖昧で特別な"幼馴染み"ポジションにいた後遺症、じゃない?」
真由利の言葉に、あたしは息を止めた。
"幼馴染み"
一番近くて、一番遠い。
それは両刃の剣のような繋がり。
近づきたくても、それ以上傍には行けなくて。
離れたくても、誰より近い。
見えない何かで繋がっているかのように、引きあい、反発しあう。
直人という星の重力に、影響されて束縛されて。
「でもさ、ええと、直人君?だっけ?彼、ちゃんと好きだって言ってくれたんでしょ?とーこも好きだって伝えたんでしょ?
だったら、不安になることないじゃない?二人で新しい関係築いていけるじゃない?・・・・・・・・って、オトコ居ない私が言っても説得力無いなー」
「こんな臆病だったのかな。あたしって・・・」
「それは・・・仕方ないんじゃない?とーこの友達のこと好きだったのも・・・知ってんだし・・・」
・・・・直人があたしを好きだと言ってくれた、その言葉に偽りはないとわかっているのに、なんでこんなに不安になるのだろう?
有菜が直人に触れた瞬間に、あたしの中でわき上がった感情や痛み。
触れてほしくない、と。
思ってしまった・・・。
こんなものをずっと抱えていかなくちゃいけないのだろうか?
「あたし、嫌なオンナだなー・・・小さいなーって・・・」
罪悪感と裏腹な気持ち。
そんなものが潜んでいたこと、あたしは今まで気付かなかったの?
目を逸らしていたことが、突きつけられたみたいだった。
こんなあたしを知ったら、直人は嫌いになるかもしれない。
それとも、以前のように、なんでも話して、ぶつかって。
それができたなら、こんな苦しさは消えてなくなるのだろうか?
拘っているわけじゃないのに。
疑ってるわけでもないのに。
自分でもどうしていいかわからなくて、苦しい。
誰か教えて?
好きで好きで仕方ないのに、怖くなるのはなんで?
大事にされればされるほど。
人の気持ちなんて、簡単に変わってしまう・・・
あたしのこと、好きじゃなくなくなる日が、くるかもしれない。
そんな馬鹿げた想いが、あたしの砕けたココロのどこかで、ずっと痛み続ける。
"好き"の後には、何があるんだろう。
お互いに"好き"になったなら、それはもう"さよなら"へ向かっていくだけじゃないの?
「あのね、考え過ぎちゃ駄目だよ。だって、何があっても誰が現れても、ずっと好きだったんでしょ?好きなんでしょ?それが答えだと思うから。とーこの気持ちの。」
真由利の言葉に、あたしは顔をあげて「そうだね」と笑った。
「それで?真由利、1組の渡君に告白する決心はついたの?」
「ぎゃー!なんで急に私に振るの〜!!」
真っ赤になって立ち上がった真由利に「あたしがイギリス行く前に行動するって言ってたでしょ!」と、あたしも立ち上がった。
ずっと座ったままでいたら、動けなくなる。
だからあたしは、歩きだした。
「考え過ぎちゃダメなんでしょ?」
「人のセリフとんないで〜!」
「ふふふ」
幼馴染みポジションの、後遺症。
真由利の言葉が頭の中で反芻されていた。
「あー!!どうしてそういう酷いこというの!?」
「何が!?とーこの方がずっと酷いじゃんか!」
「どこが!?目の前で苦しんでる人がいたら、助けてあげたいって思うでしょ!?」
「それでも、その為に自分が苦しんでたら意味ないだろ!」
「たくさんの人が犠牲になるんだったらもっと悲惨だよ!」
「自分が一番、そして余裕があったら助ける。基本だろ」
「そうだけど、でも」
言葉に詰まって、思わず視線を逸らして直人の手もとを見つめた。
そして小さな声で「直人冷たい」と呟くと、直人の指がぴくりと反応する。
「・・・なんか言った?」
「言ってません」
「言ったよな?何?俺がなんだって?」
「言ってません。"冷たい"なんて言ってませんよーだ!」
「だよなぁ?言わないよな?とーこの方が冷たいもんな?」
「はあ?あたしのどこが冷たいの!?」
思わず目の前の机を両手で叩く。
「なんだよ!?」
直人も同じようにして、あたしたちは睨み合った。
「・・・・・・・・・どーでもいいんだけど、掃除おまえらでしろよ?」
不満そうな声にハッとして、直人から視線をその隣に移した。
近くにあったポテトチップスの袋をひっくり返してしまったらしい。
無残に散らかったポテトチップスを前に、めちゃくちゃ怒った顔のシンちゃんが居た。
シンちゃんはコントローラーを直人に向って放り投げて「やってられっか!」と立ち上がってソファーに寝転んだ。
その隣でソファーの肘掛けに半身を捩って突っ伏しているたっくんは、どう見ても笑ってる。
背中が規則正しく揺れて、息を殺してるのがわかる。
「自分らでやれよ!人真ん中にして夫婦喧嘩してんじゃねー!」
「そん・・・!夫婦って・・・!」
「っ・・・!だ、誰が誰と夫婦だよ!」
「おめえらだよ!あーむかつく!!」
シンちゃんがあたしたちを交互に指さして怒鳴る。
あたしは真っ赤になって立ち上がった。
「こんな冷たい人やだっ!」
「相手、とーこだけど!?」
言い返したあたしの向かいで、直人が吐き捨てるように「ありえない」と呟いた。
だからあたしは、ぐっと唇を噛みしめた。
ありえない
――そんなのわかってるよっ!
馬鹿みたいに涙が溢れて来て、あたしは「フンっだ!」と勢いよく直人に背を向けた。
その先に、直人のお母さんが優しく微笑んでいた。
まるで慰めてくれるみたいに。
瞳の端で耐えていた涙がぽろりと落ちて、あたしは慌てて目元を袖で拭った。
こんなんで泣いてたら・・・あたし・・・ダメ過ぎだ。
夏に川で大泣きしてから、それでなくても心配かけてんのに。
「あのなぁ、"こっから先の進め方がわかんない"って俺呼んだんだろ?選択になるたび、イチイチ耳元で騒がれたんじゃやってらんねえよ!」
ちらりと視線をTV画面に戻す。
映し出される画像の上。
"どちらにしますか?"の文字のすぐ下で矢印が点滅してる。
「たかがゲームで、なんでおまえたちはそんな盛り上がれんだよ!勝手にしてろよ、俺だって忙しんだぜ!?」
シンちゃんの言うことはもっともだ。
そう、たかがゲームなのに。
なんでこんな傷つけられた気分になってるの?
こんなのいつものことなのにさ。
・・・でも、シンちゃん何に忙しんだろ?
ミニバスの練習、もう大会終わったからないのに?
うーーーん、6年生は卒業間近だから、その練習とかなんかあるのかもしれない。
あたしがそんな風に考えていると、直人がぽつりと呟いた。
「・・・シンちゃんだって、この間、『ディアナが死んじゃった!』って喚いてたくせに・・・」
直人の言葉にシンちゃんは「うるせえ!!」と起き上がって、クッションを掴んで直人に向かって思いきり投げた。
「げっ」と一言呻いた直人はしゃがみ込み、クッションはTV画面にボスンと音を立ててぶつかると、呆気なく落下した。
「何すんだよ!」
「てめぇーーーー!それは言わないって約束だろっ!!」
「まあ確かにシン泣いてたよな・・・・あの時の顔ったらさ、ぷぷ・・・・くく・・・・あはははは!」
隣で身を捩っていたたっくんが、隠すのはやめたとばかりに向き直って、お腹を抱えて大笑いしてる。
たっくんは一度笑い出すとしばらく止まらなくなる。
シンちゃんが真っ赤な顔してたっくんを見下ろして「おまえはっ!笑い過ぎなんだよ!!!」と持っていたクッションでたっくんの頭を押さえつけた。
「やめろって・・・!シン、お前、ぐえっ、だって、お前『セーブしてなかったのに、俺の大事なディアナがぁ!』って、メソメソして、あははははははっ!!」
たっくんは笑うのを止められなくて、シンちゃんの腕を掴んで払いながら、笑い過ぎてお腹が痛いと訴えた。
直人はコントローラーを握って「ったく、シンちゃんみたいなゲーマーに言われたくないよ・・・」と零す。
あたしは散らかしてしまったポテトを片付けようと、台布巾をとりにキッチンに向かった。
内心、ほっとしてた。
なんとなく気持ちが凹んでいたから、話題が移ったことに小さく息を吐いた。
シンちゃん、ごめんね?と、心の中で謝った。
「っはーっ、イテテ、笑い過ぎた〜!」
「くそっ、お前ら、あとで覚えておけよ・・・・!」
「忘れた、シンちゃんのことなんて、もう忘れた」
「なおとぉおおお!?」
「にしてもさ、お前ら、なんでそんな意見割れるのに、別々でしないわけ?一緒にしようとするから毎回喧嘩するんだろ?」
肩で息をしながら、たっくんが言った。
あたしは台布巾を握りしめたまま立ち止まり、直人はTV画面を見つめたまま一瞬固まって・・・それから驚いたような顔でたっくんを見た。
「ホントだよ、毎回懲りもせずシュミレーションゲームとかRPGとか、あーしろこーしろって、お互い反対の意見言うくせに。」
シンちゃんが疲れきった顔で再びたっくんの隣に座った。
「・・・・・・そりゃ、そう、だけど・・・・・・だって・・・・・・・」
「二人でやるほうが面白いからに決まってんだろ。」
あたしが言葉に詰まっていると、直人は再び背を向けて、なんでもないことだというように・・・それが当たり前だとでもいうように答えた。
ピッと、TVから音がして、今まで小さくなっていたBGMが少しだけボリュームを上げて画面が動きだした。
思わず目を見開いて、直人の背中を見つめてしまった。
そして、胸の中にじわりと暖かなものが広がっていった。
「・・・・あれ、それって・・・・」
「ん?ああ、とりあえず、今困ってる人を助けたいんだろ?」
画面上では、主人公のセリフとして「どうしたのですか?お困りですか?」というテロップが現れていた。
あたしが選んで欲しかったルートだ・・・・。
「でも、そしたら・・・自分も傷つくし・・・もしかしたら隣の町の人が犠牲になるかもしれないんでしょ?」
直人はちらりとあたしを見て「他のルートもあるかもしれないだろ」と怒ったような口調で言った。
「助けたいんだろ?ほっとけないんだろ?・・・・ゲーマーのシンちゃんがなんかいい知恵授けてくれるって!」
「うわーっ、なんかむかつく言い方だな、おい!!!」
シンちゃんはそう言いながらも直人の隣に移動して、持ってきた攻略本をめくりだした。
そんな二人を見ているあたしから台布巾を取り上げて、たっくんがにやりと笑った。
「俺は、ひとりで好きなように進めるのが楽しいけどな〜?そんな遠慮しなくていいし。変なの。喧嘩ばっかしてる癖して。」
「遠慮なんて・・・・なんでも言い合えるんだから、いいんだよ!」
「さっきまで喧嘩してたくせに」
「だからやってらんねえーんだって!」
呆れたように笑うシンちゃんとたっくん。
二人だってあたしにとっては大事な幼馴染だったけれど。
「しょうがないだろ。とーこ初めてのことになると、途端に憶病になるんだから。このゲームだって、システムわかなんいってもってきたんだからさ。」
たかがゲームで!と大笑いした二人に、直人はその後ムスっとしたままだっけれど。
あたしはそんな直人の隣にちょこんと座って、やたら嬉しくなってニヤニヤしてた。
言わなくてもわかってくれる、安心感。
あたしの意地っぱりでお節介なとこも、直人はみんな知っていたから。
なんでも言いあえて、そして分け合って。
ずっとこうしていくんだって。
こうしていけるのは、直人だからって・・・。
心地よい場所だった。
誰より近くて、安心できる場所。
「・・・・」
ふっと耳に響いた電車のブレーキ音。
電車に揺られながら、あたしは懐かしい夢を見ていたらしい。
電車の窓の向こうは見慣れた風景。
寂れた駅舎、古ぼけた看板・・・・。
「降りなきゃ・・・!」
慌てて電車の扉へ向かう。
飛び降りた先、改札の向こう側。
薄暗い駅舎のベンチに座る人影。
あたしを見つけて、その人影が動く。
「おかえり。とーこ」
「直人?」
立ち尽くしてしまったあたしの前で、直人はゆっくりと近づいて来て困ったように笑った。
一度壊れたものは、全く同じには戻せない。
あの頃にはもう戻れない。
あたしの中に生まれた感情も、もう隠せない。
・・・違う。
戻らなくていいんだ。
隠さなくていいの。
だって、あたしたちは・・・・。
2008,11,16up