.    '05年4月18日

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ようやく、春

 日陰の雪もすっかり消えて、当園地にもようやく春到来。 とは言え、園内から見える蝶ケ岳には、その名前の由来となった【蝶】の雪形は、まだ現れていません。 安曇野から見えるアルプスの雪形のなかではもっとも遅いもののひとつ。昨年は6月に入ってからも望めました(こちら)。 … が、 じつは、 隠れたチョウがもう一頭(匹)いて、それはすでに姿を現しているのです。 山岳写真家であり、ナチュラリストの田淵行男 著『山の紋章 雪形』によると、ピーク付近にできる【黒い蝶】がそれ。 黒いアゲハチョウを思わせるその姿はいまが見ごろです。 お奨めのビューポイントは2
ヶ所。 ひとつは、水辺エリアの吊り橋。 もうひとつは森林エリア(今期開園)の みはらしの森です。





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開花情報

 毎年早い時期に咲き出す場所で、今年もカタクリがまっ盛り。 キクザキイチゲとともに、あわただしいひとときの始まりです。 樹木の葉が開き、木漏れ陽となる前に 受粉と結実を終え、地上部はすっかり消失します。スプリング・エフェメラル〔春の儚(はかな)きもの〕と呼ばれるのは、そんな理由から。
 間もなく、このカタクリの花を目当てにヒメギフチョウが訪れることでしょう。  いま花が咲いているものは … 樹木では、フサザクラ・アブラチャン・ダンコウバイ・マンサク・ニワトコ・キブシ・ツノハシバミ・オノエヤナギ・ネコヤナギ・ヤマハンノキ・タニガワハンノキetc。
野草では、ザゼンソウ・カタクリ・キクザキイチゲ・コチャルメルソウ・ショウジョウバカマ・ワサビ・ヒメカンスゲetc
(追記)ヒメギフチョウの本シーズン初確認は4月19
     日でした。





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お帰りなさぁ〜い |⌒O⌒|/

 帰ってきましたっ! オオルリがっ! 
はるかかなた東南アジアから、日本海を渡り、アルプスの山々を越えて…よくぞ、ここまで来てくれました。
当園地では、すっかり常連さん。 バードウォッチャーのアイドルです。〔以前の営巣のようすは、こちら
 本年度の初確認は4月16日。 例年と同じ頃の出会いです。 これから初秋まで、そのたぐいまれな美貌と美声で多くの来園者を虜にすることでしょう。
 時は春、一年中 園内にいるミソサザイも、盛んに囀(さえず)るようになりました。 小さなからだに似合わない 声量ある複雑なフレーズの鳴声が、渓谷に響き渡っています。 同じく留鳥のカワガラスが 「ギェッ ギェッ」 と鳴きながら、烏川に沿って水面(みなも)をかすめるように、行きつ戻りつしています。



        (写真は一昨年のもの)