.    '07年6月16日

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からすの学校(6月9日開催)

 からすの学校 ・第18回は、「葉でわかる樹木」観察会。 『葉でわかる樹木』(信濃毎日新聞)の著者である 馬場多久男氏 を講師に招いて、理論と実践の両面から、みっちりと学びました。
 午前中はスライドを見ながらの座学。より効率的に検索する方法(=著者の苦労の成果)を知ることができました。そして、午後は実践! 午前の会場と隣接した当園地に向けて 『いざ 出発っ!』…が、園地までの数百mの間の街路樹で、話題沸騰。
あちこちで足止めをくい、ようやく園地にたどり着いたと思いきや… 雨足が強くなり、急遽予定変更。  スタッフが採集したものを、室内で同定することに。
…で、いつもながらのことですが、皆さんすっかりはま ってしまい、終了時刻を過ぎても多くの方が図鑑と首っ引き。 しばらくの延長の後、やむなく 「タイムオーバー」 を宣言させていただきました。





   これまでの からすの学校 の様子は→ こちら


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落とし文(おとしぶみ)

 写真はウスアカオトシブミ(かな?)。 オトシブミやチョッキリの仲間は種類が多く、あわせて90種あまりが確認されているとのこと。 それにしても、「おとしぶみ」「ちょっきり」とは、命名者の気品とユーモアを感じさせるネーミングです。  ちなみに、「落とし文」とは、昔(いにしえ)、手渡すことがはばかられる 恋文や政治批判をしたためた手紙を、拾われることを前提にそれとなく落としておいたもの
 昆虫のオトシブミのつくる落とし文は、幼虫が成虫になるまでの揺籃(ようらん=ゆりかご)です。 このなかに産みつけられた卵は、外敵に見つかることもなく 食料には恵まれ(食べ物でできている棲家!)、さぞかし快適な住まいなのでしょう。 一方 チョッキリのなかには揺籃をつくらないものもいて、森林エリアでよく見かけるハイイロチョッキリは、コナラやミズナラのドングリに産卵して、その小枝を切り落とします。




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巣立ち

 写真はコサメビタキの巣。
すでにヒナは巣立ち、いまは蛻の殻(もぬけのから)です。  残念ながら、巣立ちの瞬間には立ち会えませんでした。 しかし、しばらくはこの周辺にいて、旅立ちの準備をしていることでしょう。 やがて、夏が終わるころ、心身ともに成長した彼らは、親兄弟 と別れて、たった一羽で北アルプスを越え、 日本海 ・東シナ海を渡ります。 番(つがい)または単独で生活することが多く、渡りのときも群れることが稀なコサメビタキの(あえて擬人化した言いまわしをするならば)孤高な生き様です。
 特異な巣もさることながら、見た目の愛らしさでバードウォッチャーの人気者。 しかし、想像を絶する時間と空間を生きている彼らを見ると、「愛らしさ」 と 「ひ弱さ」は同義語でないことを知らされます。
巣づくりから巣立ち前日までのようすは ⇒ こちら