犬千本茸
ヤナギの根元にびっしりと生えたイヌセンボンタケ。名に冠した『千本』はどうやら誇大広告ではないようです。ところで、キノコ(菌類)には樹と共生する菌根菌と樹を腐らせる腐朽菌があり、イヌセンボンタケは腐朽菌です。
また、キノコは菌類にとって植物でいう‘花’に相当します。その花が咲いているということは この樹〔オノエヤナギ〕では菌糸の生育が進んでいる=腐朽が拡大しているということ。
近い将来、枯れるか、それとも枯れる前に倒れるか… そこで問題は いつ伐採するかということ。 安全を優先すれば、すぐにでも伐るべきでしょうが、さりとてキノコが生えている樹をすべて処分することは 当園地の主旨に反します。
あわせて、樹を前にすると 『お前に伐られるために、ここで数十年生きてきたのではない』との声が聞こえるようで、引導を渡す畏れがあるのでした。
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