.    '12年2月18日

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お宝

 新たなお宝が増えました。 剥製職人さんの手により見事な剥製に生まれ変わったのは…ミソサザイ、オオルリ、ベニマシコ、ルリビタキ(♂、♀) などなど。 小学校の環境学習や定期開催イベント時の解説あるいは来園された方のご質問にお答えするためにレクチャー ・ルームには多くの剥製があります。剥製作りは、来年度の開催イベントの企画立案とともに来園者の少ないこの時期ならではの‘仕込み作業’です。 この他に今シーズンは【当園地紹介のDVD】作製をしています。時に、冬期シーズンの入園者の少なさを指摘されることもあります。しかし、この時期こそ、先住者である動物の世界であり、植物が荒らされる事なく眠り、かつ成長を開始する時期です。 1年のうちの数ヶ月は、当園地を将来に残すための体力回復期間。しばらくは、そっとそのままにしておくことが後世の人への贈り物になるのかもしれません。







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野生傷病鳥獣の一時的保護〔続編 その10〕

 一方、こちらは【生身(なまみ)】のムササビ。保護してから、半年が過ぎました。 顔つきも体つきも、すっかり成獣らしくなってきました。 写真は、栗を両手で器用に持ち、盛んに食べているところです。器用とは言いながら、お食事マナーとしては褒められるものではありません。口で皮を剥いては、それを撒き散らすため、周りは栗の破片だらけになります。 野生でもこうなのでしょうか? 一般的に、食物連鎖の下位に位置する動物、あるいは待ち伏せて狩りをする動物は、おのれの存在を隠そうとするはず。 ムササビも本来であれば、その存在を天敵に気づかれないようにするのではないかと考えられます。だとするならば、無防備に育った彼女の行く末が ちょいと案じられるのでした。 この心配が杞憂に終わればよいのですが。
野生に戻れるよう、不特定多数のヒトに接すること を避け公開しておりません。ご理解くださいますよう。





  飛翔の様子は↑写真クリック〔←YouTubeにリンク〕


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雪中自然観察 (旬情報 番外編)

 当WEB管理者が講師を務めるNHK文化センター講座での雪中自然観察のひとこま。大町市・中山高原で散策&自然観察を楽しみました。 じつはこの場所、昨年の春から秋は大賑わいでした。 NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』のロケ地となったからです。 5月、残雪の北アルプスを背景にして一面の菜の花が、9月には見渡す限りのソバの花が咲きます。 テレビを見た多くの視聴者が、夢見るような光景を求めて押し寄せたそうです。 しかし、その喧騒も この時期には夢の後。終日、我々のほかに人影を見ることはありませんでした。 その貸切のフィールドをスノーシューで歩き回り、 アニマル・トラッキングと樹木の冬芽観察で冬の一日を過ごしました。踏み跡の無い雪原、目線の高さには北アルプス後立山連峰蓮華岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳の峰々が、流れる雲や霧の合い間に見え隠れしていたのでした。