.    '13年3月26日

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危険枝除去

 園路上にある危険枝の除去をおこないました。 作業者は、特殊伐採で知られた精鋭たち。重機やはしごなどは使わず、ロープでだけで樹上に上る特伐チームの方々です。 樹の下枝が枯れるのは生理的なこと。陽があたらなくなれば、その枝の収支バランスがくずれて、樹はその枝の根元に壁(保護帯)をつくります。 その結果、水の通導が無くなり、細胞が死に、枝が枯れます。つまり、枝は『枯れてしまう』のではなく『樹が枝を枯らす』わけです。 枯枝や危険枝はある程度予見できるため、園路や休憩施設への落下を未然に防ぐために、随時枝打ちや枝下ろしをおこなっています。 しかしながら、生枝の折れや枝抜けは予見が困難であることは否定できません。
 一歩 野山の中に立ち入れば、自然が相手です。野生動物を見習って、相応の緊張感と注意力をもって行動する必要があるのではないでしょうか。





   樹高30m超の樹に、投げ上げたロープで上る


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冬の樹木観察会

 冬の樹木観察会を開催しました。 『この時期、花も葉も無い地味な樹木を観て、なにが楽しいの?』と思われますか? … 楽しいのです! そう思う方も少なからずおられるらしく、満員御礼の観察会となりました。 まずは室内で冬の樹木観察の仕方や樹木からのメッセージの受け取り方の講義をおこない、後半はフィールドに出て冬芽と葉痕の観察をおこないました。 ヒツジやサルの顔に見えるオニグルミの葉痕といった入門コースからはじまり、ヤシャブシケヤマハンノキといったルーペを 使ってはじめて判る、いわばアドバンスコースまでの観察会。  ごく普通に生えている珍しくもない樹でも、ルーペを使って冬芽や葉痕を観ると、それまでとは違う存在になることがあります。 日ごろ見慣れた樹であればあるほど、そのギャップが大きく意外性があります。なお、冬芽はほぼ年中見られますが、葉痕は芽吹き前の今の時期だけのものです。





       『あらぁ〜 人の顔に見えるぅ!』


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オオルリ観察会

 次回のからすの学校は、オオルリ観察会。 毎年恒例の人気イベントです。 安曇野の厳しい冬も過ぎ去り、今年もまた、あの‘幸せの青い鳥’に出逢う季節になりました。 ところで、写真は一昨年のオオルリ観察会の直前に、事故に遭って事務所に持ち込まれた個体。 どうやら片翼の骨が折れている様子だったので回復は無理かなと考えていた数週間後、スタッフの介抱の甲斐なく落命しました。 この年のオオルリ観察会は例年になく不作(?)でした。いつもの年なら、1本の樹に3,4羽のオスがとまり美声を響かせる場面が何回となく見られるのですが、この年は2日間で姿を確認できたのは1羽だけでした。  だからといって、その年にオオルリが特別少なかったわけではありません。 オスが集団で渡ってきた直後の、縄張りができる前を狙って観察会の日程を設定するために、わずか数日の違いで目論見がはずれることがあります。





 海や山を越えて、長旅が終わった直後に傷ついて…