走野老
写真はハシリドコロの芽吹き。 早春の一時期だけ地上に姿を現して、開花から結実、さらには光合成による養分蓄積をおこない、
1,2ヶ月で地上部がなくなり、休眠してしまいます。
その様子から‘春の儚(はかな)きもの=スプリング・エフェメラル’と呼ばれます。
ところで、このごろ咲き始めたキクザキイチゲやカタクリもスプリング・エフェメラルなのですが、それらと比べて、なぜかハシリドコロには『儚さ』を感じません。
儚いと呼ぶには地上部(葉や花)が立派すぎるのと、有毒植物であることが理由なのでしょうか。
このハシリドコロに近縁で、オオハシリドコロの和名をもつのがベラドンナ。〔名前は、ベラ(美しい)+ドンナ(貴婦人)の意〕
両者ともアルカロイド含有植物であり、食べれば副交感神経を麻痺させ重篤となるだけに要注意です。 その一方で、薬品(生薬)として市販薬の原料にもなっており、まさに「毒と薬は表裏一体」です。
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