.    '13年4月16日

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走野老

 写真はハシリドコロの芽吹き。 早春の一時期だけ地上に姿を現して、開花から結実、さらには光合成による養分蓄積をおこない、 1,2ヶ月で地上部がなくなり、休眠してしまいます。  その様子から‘春の儚(はかな)きもの=スプリング・エフェメラル’と呼ばれます。 ところで、このごろ咲き始めたキクザキイチゲカタクリもスプリング・エフェメラルなのですが、それらと比べて、なぜかハシリドコロには『儚さ』を感じません。 儚いと呼ぶには地上部(葉や花)が立派すぎるのと、有毒植物であることが理由なのでしょうか。 このハシリドコロに近縁で、オオハシリドコロの和名をもつのがベラドンナ。〔名前は、ベラ(美しい)+ドンナ(貴婦人)の意〕 両者ともアルカロイド含有植物であり、食べれば副交感神経を麻痺させ重篤となるだけに要注意です。 その一方で、薬品(生薬)として市販薬の原料にもなっており、まさに「毒と薬は表裏一体」です。





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さて?

 なんとも不思議な影を落としている樹。 さてさて、どんなアクロバティックな体形(樹形)をしているのでしょう?  その正体は→(写真にマウス ・オン)  とりたててビックリするような姿はしていませんでした。絶妙な角度で当たった太陽光により、三次元から二次元へ変化した結果でした。 ところで、この樹は マルバアオダモ。 園内では 5月下旬に、うっとりとする花を咲かせるモクセイ科トネリコ属の樹です。 当園地には、桜並木ならぬ マルバアオダモの並木道があります。そのため、まるで桜のお花見の気分で、マルバアオダモのお花見ができます。 もちろん、お花見目的に植栽したのではなく、渓流や園路沿いに自生しているものです。 開園以来、着実に個体数が増えているのは、果実にへら状の翼があり、それを使って風で飛ばされたり、川の流れで数を増やしているからなのでしょう。 もうしばらくすると、その花に出会えます。





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木乃伊蛙

 ミイラガエルです。 といっても、カエルの種名ではなく、木乃伊(ミイラ)化したアズマヒキガエル(別名 ガマガエル)です。  これは、一年ほど前に、当園地の良き理解者であり、これまでにも様々なお宝を頂戴している方からいただき、それ以来冷蔵庫に保存していたものです。 いただいた時には、すでにミイラ化していました。それから 1年間、冷蔵庫で乾燥保存していたため、完全にミイラとなったものです。 腐敗が進行する前に乾燥させればミイラができる とはいえ、内臓をそのままにしてカエルをミイラ化させるのは思う以上に至難の業といえます。  そんな『奇跡のミイラガエル』を前にして、管理事務所のスタッフは大盛り上がりしたのでした。(理解者は少ないだろうなぁ〜) ところで、園内に多いカエルはヤマアカガエル。 毎年 2月には、雪がまだ残り 薄氷の張っているビオトープに産卵して、再び冬眠します。いずれそのミイラも…





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