.    '13年5月20日

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お尻隠して、頭隠さず

 園内巡視中、藪のなかに何やら気配を感じて立ち止まると… そこにいたのはタヌキ。  こちらを見ているようでもあり、あるいは 視線をはずしているようでもあり…。 戸惑いながらの数分間。 あまりにも動かないので、 ひょっとして病気あるいは傷でも負っているのかと心配になりながらも、無関心を装ってその場から離れてみました。 数十mほど距離をおいて振り返ると、こちらを気にしながら、体に異常は無いと思われる軽やかな足どりで去っていきました。 どうやら、彼(彼女?)は、【隠れたつもり】 だったようです。顔つきから推測して、おそらく若い個体と思われます。 そのためか、外敵に対する対処方法が甘いようです。(もちろん、当WEB管理人は敵ではありませんが)  種類の多いコウモリやネズミを除けば、日本の大型哺乳動物のほとんどの種が生息する園内ですが、姿を見るのは稀なこと。幸運な出会いでした。





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宿主交代

 アカマツの幹にできたコブ状のものを指ではじいたところ、なにやら黄色い粉が飛び散りました [写真矢印]。  これは【さび胞子】といい、【マツこぶ病】に罹患したアカマツからコナラ類の葉が開く今頃、散布されます。 なぜコナラの開葉にあわせるのかというと… さび胞子はアカマツからコナラ類の葉に移動して秋まで過ごします(これを宿主交代という)。やがて秋になるとマツに移り、環境が整えばあらたに‘マツこぶ病’を発症します。 この連環の輪がある限り、マツこぶ病は続きます。園内であれば、アカマツかコナラ(およびミズナラ)のどちらかが無くなれば、この病気は感染拡大しなくなります。 しかし、言うまでもなく 当園地においてそのような対策をとるはずはありません。一方、似た状況に【赤星病】があります。 ビャクシンナシの間で宿主交代する さび胞子を防ぐために、ナシ園の近くではビャクシンの植栽を禁じています。







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鉄塔に佇(たたず)む猛禽

 当園地隣接地に立つ高圧送電線鉄塔に、なにやら大型の鳥がいました。生憎にも双眼鏡を持っていなかったので、デジカメを取り出して、手持ち なおかつ (光学ズームではなく)デジタルズームという、 およそ 画質は期待できない状況で撮った写真を見てみると… 〔写真にマウス ・オン〕 そこに写っていたのはハヤブサ。これまで園内では、ノスリオオタカを 幾度となく見、たまに イヌワシ、クマタカの飛翔を確認していますが、ハヤブサを目撃したことはありませんでした。  以前、この近くでも確認されていたのですが、園内では初めてのこと。ひょっとして当園地で営巣?  いやいや、きっと近くを通りかかっただけなのでしょう。 ちなみに、当WEB管理人が住む松本市の繁華街(駅近く) においても、ハヤブサが観察できると過熱気味な話題になっています。 そんな 人々の喧騒を知るはずもなく、ハヤブサは悠然と飛翔しています。