.    '13年11月6日

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飛騨への道

 からすの学校 ・第61回は、間道を歩く。 以前好評を博した講座ですが、今回はそれをブラッシュアップした内容で開催しました。  まずは、集合場所から紅葉を愛でながら‘馬頭観音’へ。 午後にたどり着いた‘南無大悲観世音’の石碑とともに、この道が まさに飛騨に通ずる古道であった証となるものです。 写真の馬頭観音は当緑地の近く(車で10分ほど)にあります。ここを到着地とした飛騨からの旅人は、里にたどり着き さぞやほっとしたことでしょう。 一方で、ここを山越えの出発地とする旅人は、これから先の苦難を思い、気を引き締めたことでしょう。  この先 その旅人は、目の前にある大滝山を越え、徳澤から上高地に入り、焼岳の麓を通り、飛騨に向かいます。講師資料には『昔飛騨の 2人の幼い姉妹が、別れた父を慕い飛騨古道を通り、この近くで力尽きた』との胸しめつけられる一文がありました。





      マウス・オンで馬頭観音(4体)を明示


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晩秋

 園内の紅葉シーズンも終わりかけ。すでに多くの樹が落葉の時期をむかえています。 今年の紅葉は赤がいまひとつでした。 いつもなら朱に染まるハウチワカエデ、コハウチワカエデ、コミネカエデ、オオモミジ、ツタウルシは赤くならないまま落葉が進んでいます。 例外的にオオヤマザクラが深紅に染まっている程度です。一方、黄葉は、アブラチャン、ダンコウバイ、クロモジ、イタヤカエデ、ヒトツバカエデ、ウリハダカエデ、ウリカエデ、カラマツがいつもどおり見事な色になっています。 また、淡緑色のアオハダや透明感あるレモンイエローのコシアブラ あるいは ミズナラ、コナラ、カマツカ の褐葉は、紅葉や黄葉にくらべて派手さがないため見落とされがちですが、よくよく見ると、落ち着いた色合いや模様が描かれており、一見の価値があります。
           〔紅葉のメカニズムは→こちら







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名木探訪 (旬情報 番外編)

 写真は松本市特別天然記念物の内田のケヤキ(← 市天指定名称)。 樹齢 800年と推定されている、ケヤキとしては松本平随一の樹です。  このたび、当WEB管理者が代表を務める 『樹木医ネットワーク・松本』が開催した名木探訪で訪ねた際の一場面です。 この樹は、今年の春に樹勢回復のための土壌改良やブレーシング(ワイヤーを使い太枝を補強する)を実施したものです。土壌改良は少なからぬ根を切断するため、それに起因して樹が弱ることがあります。当該樹も春先の開葉が遅れたため、一時は心配したのですが、 どうやら現時点で新たな根の生育もあり、とりあえずは順調に推移しています。  伝えられている樹齢であれば、芽生えたのは鎌倉時代です。以来、室町、戦国、安土桃山、江戸、明治、大正、昭和、平成と生き続けている生命体に、畏怖の念を抱かれた参加者も多くおられました。





      建物(祝殿)は、国指定重要文化財