.    '14年4月5日

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冬を越して

 この姿(成虫のまま)で冬を越したエルタテハ
春の日差しに誘われて、園内を飛び回っています。それにしても、厳しく長い冬を、どこでどのように過ごしていたのでしょう?  タテハチョウの仲間の多くは、翅の縁がギザギザなうえに裏側は表と違い黒ずんだ汚れ模様のため、一見すると傷んでいるかに見えます。 それは、翅を閉じて枯れ葉に似せることで捕食者である野鳥の目をあざむく作戦のようです。 写真個体の翅の縁も切れ切れに見えますが、実際は綺麗な翅のままです。 とはいえ、やはり冬を越したものの多くが、まさに‘尾羽打ち枯らした’ボロボロの姿になっています。 蝶は、卵→幼虫→蛹→成虫と変態しますが、種によって決まった段階(形態)で越冬します。 それぞれにメリットがあるのでしょうが、成虫での冬越しをもっとも厳しいと考えるのは、信州で冬を過ごす我が身ならではの思い込みでしょうか。





     翅を閉じれば、まるで虫食いの落ち葉 


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残雪

 森林エリア ・みはらしの森から望む常念岳。 北アルプス(飛騨山脈)に連なる常念山脈の主峰です。 4月に入り園内の残雪もわずかになってきました。 2月に降った 2回の大雪は、ここ安曇野だけでなく全国的に影響を与えたようです。一方で、山の雪はそれほどでもなかったようで、写真の常念岳やこの左に連なる蝶ヶ岳は、山肌の様子から例年通りあるいはむしろ少なかったのではと思えます。 それにしても、今回の雪で多くの野生動物が死んだとのこと。県内各地でカモシカ、ニホンジカの死骸が見つかっています。 死因は、まれに雪崩にまき込まれたり滑落による事故死があるにしても、ほとんどが餓死。大型獣は発見される確率が高いと考えれば、小型の動物はどれほど死んだのでしょう。 哺乳動物に限らず野鳥のエサ探しも大変だったはず。 限られたエサ場に来ていた野鳥は、その後無事に生き延びたでしょうか?





         渓谷に早春の風が吹く


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早春の花

 園内に春の訪れを実感させるダンコウバイ。 金平糖のような花が咲くと、あわただしくも楽しみ多い季節の到来です。ところで、金平糖ってご存知です?  その昔、ポルトガルから伝えられた‘南蛮菓子’です。コンペイトウの語源はポルトガル語のconfeito(コンフェイト)。 ‘糖’ではなく ‘to’だったとは…! いまや懐かしのお菓子と思いきや、非常食としての『金平糖入りカンパン』の需要が多いとのことです。  ところで、当園地で真っ先に咲く樹の花はマンサクですが、自生する本数はごくわずかです。しかし、たまたま管理事務所の目の前に生えているため、毎年の春告げ花になっています。そのマンサクはすでに散ってしまい、 今咲いているのは、このダンコウバイとツノハシバミ。 場所によってはアブラチャンが咲き始め、フサザクラのつぼみが開きかけています。 この先 5月下旬のカラマツまで、園内の花は目白押しです。





       写真にマウス・オンで 『confeito』?