.    '14年10月17日

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今が旬

 フユノハナワラビ。 冬枯れの景色の中、青々した姿を見つけると 「寒いのに、がんばってるなぁ」と思わせるシダ植物です。これによく似たオオハナワラビ、アカハナワラビ、エゾフユノハナワラビなどが県内で自生しています。 植物の多くは、春から初夏が成長のピークになります。光合成による養分生産に適した太陽光と温度が得られるからです。 逆に言うならば、その期間以外、落葉樹は葉を落とし、多くの草本類は地上部を枯らして、活動を低下させています。  しかし、フユノハナワラビは、これからがまさに‘かきいれ時’であり‘繁殖期’です。 一見、花のように見えるのは【胞子葉】〔左写真〕、そこに付いている果実のような粒々は【胞子嚢】〔右写真〕。  秋から冬にかけて、胞子嚢が裂け、胞子が飛散することにより繁殖します。園内のとある場所では、まもなく多くの個体が繁殖時期を迎えようとしています。 







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安曇野環境フェア

 安曇野環境フェア2014が開催され、当緑地もブース出展いたしました。 今回の企画展は、『安曇野にすむ生きものを知ろう!』。 最近刊行された「安曇野市版レッドデータブック2014」を受けてのものです。 そこで、当緑地・環境管理事務所からは、そのレッドデータブックに記載のある 【イヌワシ、ヤマネ の剥製と カワネズミ の写真】を展示いたしました。 イヌワシとヤマネは安曇野市内で死んでいたのを当緑地において剥製にしたもの、カワネズミは園内の川で泳いでいたところを来園者が撮影したものです。特にイヌワシには関心を寄せる方が多く 『こんな鳥が安曇野にいるんだぁ!』との声が多く聞かれました。 このほか、烏川渓谷緑地市民会議・植物班によるカタクリの調査結果を展示しました。これは、 近々開催される長野県環境保全研究所主催の 環境保全に取り組む市民大集合においても出展されます。





       イヌワシについては ⇒ こちら


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ブナ林紅葉 (旬情報 番外編)

 写真は飯山【鍋倉(なべくら)高原】。当WEB管理者が講師を務める講座で訪れた際の眺めです。 鍋倉山には【森太郎】をはじめとした巨木ブナが数多く生えています。長野県と新潟県の県境となっているこの関田山脈には、両県を結ぶ峠道がいくつかあり、いずれもがブナの見所となっています。 ここはそのひとつの『牧峠』に広がるブナ林です。 牧峠は長野県から日本海を望める数少ない場所であり、また上記で話題にした イヌワシの観察地としてバードウォッチャーには知られた場所です。 この日も様々な県ナンバーの車が停まり、 カメラやフィールドスコープ が所狭しと並んでいました。 ところで、ここ関田山脈では、数年前より夏から秋にかけて多くのブナの葉がウエツキブナハムシの食害で茶色に変色します。 ただし、心配はご無用。近年あるマイマイガの大発生と同様、これで樹が枯れることはまずありません。