.    '15年1月11日

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寒の内

 二十四節気の小寒も過ぎ、まもなく大寒(1月20日:期間としては1月20日〜2月3日)を迎えようとしています。 今、野生動物は限られたエサで食いつなぐ試練の時を過ごしています。小寒(1月6日)以降日ごとに寒さが増し、大寒や立春(2月4日)を過ぎても、まだまだ油断は禁物。 春分(3月21日)を迎えた頃、ようやく冬を生き延びたことになります。 去年は例年になく根雪となる時期が早かったために、エサ探しに苦労している野性動物も多いことでしょう。 写真のサル〔マウス・オン〕は、樹の上にいる仲間がおとした枝の冬芽を食べています。わずかな量であっても、雪に覆われた地上では貴重な食料です。 昨秋はコナラミズナラなどツキノワグマにとって冬越しの体をつくる主要な食料が不作でした。 今でもまだ、冬ごもりできずにいるのかもしれません。そんな野生動物に思いをはせるアニマル・トラッキングに乞うご期待。





      写真にマウス・オンして、ニホンザル


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倒木

 12月中旬に降った雪(⇒ こちら)の影響で、園路の一部を立入り規制しています。 倒木や落ちそうな太枝、あるいは今にも幹折れしそうな樹があるからです。そのほとんどは、アカマツ。 着雪しやすい樹木であるため、それでなくても冠雪害を受けやすいのですが、園内のアカマツの多くは高さの割りに太さがありません。 樹高を胸高直径で割った値を形状比といい、この値が大きくなるほど細長い樹となります。一般には、80を超えると折れやすいとされています。  また、(斜め上方向でなく)水平に伸びた枝の場合、長さを付け根の直径で割った値が 40を超えると、枝折れの危険が高いと考える必要があります。 なお、生きた枝の落ち方には【枝折れ(branch break)】と【枝抜け(branch come off)】があり、いずれもが枯れ枝とは違い、その危険を予見することは困難です。





      写真にマウス・オンして、被害状況写真


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展示品作成中

 この時期の作業のひとつに、展示品の作成があります。主にレクチャールームにおいて、来園者への自然解説や子どもたちの環境学習の資料として利用します。 写真は野鳥の羽の展示標本を作っているところ。毎年剥製づくりの師匠にお世話になって動物の剥製を充実させていますが、 その一方で、スタッフの手により、このような標本を増やしています。 ちなみに、写真に写っている鳥の羽は チョウゲンボウ、ヨタカ、キジバト、カワラヒワ、シジュウカラ、クロジなど。羽標本は 15種、剥製は 50種ほどそろいました。 いずれもが、園内や安曇野周辺で落命していたものです。死因のほとんどが、ガラスへの衝突や交通事故、あるいは猛禽類に襲われたもの。 それをスタッフが拾ったり、発見者から寄贈していただきました。 すべてが偶然見つかったもの。 その時の状況など、一羽一羽すべてに物語があり思い出があります。





      写真にマウス・オンして、他の標本