.    '14年12月23日

   .

雪に弱いのは?

 時ならぬ雪が樹をおおいました。 着雪の重さに耐えかねて、根がえりして倒れたり、幹が折れたり、枝が落ちたりしましたが、その多くはアカマツでした。 次に被害の多かったのは、ヤマハンノキヤナギ。 一方、ヒノキサワラなどには被害はなく、 むしろ クリスマスツリーを思わせる優美な姿となりました。 この違いはどこからくるのでしょう?… 針葉樹は緯度の高いところが繁栄場所です。そこは太陽が横からあたる地域であり多くの場合は多雪地です。そのため、横から陽を受けやすい樹形となり、 かつ着雪が少ない(積雪により枝が垂れ下がる)枝張りになったようです。 対する広葉樹は緯度の低い場所(=太陽が上から照らす)に向いた‘開いた樹形’のため、もし落葉していなければ甚大な雪害を受けることでしょう。 アカマツは針葉樹でありながら、樹形は広葉樹に近いため、葉への着雪が被害を与えたようです。





 カラマツ      アカマツ        サワラ


   .

幻の動物

 からすの学校 ・第71回は、ニホンカモシカ学習会。 かつてカモシカは【幻の動物】とされていました。 そのことから、今でも国の特別天然記念物に指定されています。そんなカモシカですが、一時『奥山の木を伐り過ぎたので、里山に下りて人工林被害をもたらしている』との風評がありました。 それが真実であるか否か、講師をはじめとする研究者たちのおこなったフィールド調査の結果、誤りであったことが判明しました。 個体数が少ないだけでなく、特別天然記念物であることから容易に捕獲することができず、研究は困難であったとのこと。 個体調査といいながら、出会えずに空振りに終わる日が多かった一方、そこに行けば同じ個体を観察できることから、テリトリー(雌雄で広さやエリア重複が異なる)を実証できたことなど、 自ら野山に分け入り体感されたお話だけに、説得力と感動をおぼえた参加者が多かったことでしょう。





  カモシカの過去の話題は ⇒ こちら と こちら


   .

ここにいる動物

 一方こちらは (幻ではなく)園内に棲む動物の息吹きを感じていただきたいと企画したアニマル・トラッキング。 積雪期に恒例となった好評イベントです。 ところで… 冬季になると『アニマル・トラッキング』と銘打った催しがあちらこちらで開催されます。しかし、時にありがちなのは‘アニマル・トラッキング’と称しながらも‘動物の足跡同定’に終始するもの。 『この足跡はXXです』で終わってしまうことも少なくありません。 本来、アニマル・トラッキングとは‘動物を追跡する’ことです。 足跡を追うことにより、残された痕跡を見い出して、動物の息吹きを感じ、その生態に思いをはせることです。  ところで、【アニマル・トラッキング】と【アニマル・トラック】は、その言葉に大きな違いがあります。  ‘トラック’とは‘一連に続いた足跡’のことであり、‘トラッキング’とは‘追跡’を意味します。 (なお、足跡そのものは‘フットプリント’と称します)





        スノーシュー体験も兼ねます