.    '15年7月5日

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上には上が…

 写真はオニノヤガラとそれにからみつくヤマガシュウ。 そして、きっとこのオニノヤガラの根にはナラタケの根状菌糸束(こんじょうきんしそく:菌糸が束状になり、まるで木の根のように見える)がからんでいるはずです。 ナラタケは林業上とても恐れられている菌類(キノコ)です。多くの菌類は他の植物と共生したり、あるいは枯れた植物を栄養源とする平和主義者ですが、なかには生きた樹を栄養源とし、それを枯らしてしまうものもあり、そのひとつがナラタケです。 向かうところ敵なしのナラタケが、『ご馳走。いただきます!』とオニノヤガラの根に侵入すると、『待ってました』とばかりに、オニノヤガラはナラタケ菌を消化吸収してしまいます。 そんな‘つわもの’のオニノヤガラにからみついて足場にしているヤマガシュウも大したものです。 そのヤマガシュウの葉をエサとするのは園内で見かけることの多いルリタテハ(蝶)の幼虫。 …上には上がいます。





  オニノヤガラにあるはずのない葉…? 新種発見!


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案の定

 一昨年・昨年同様、今年も大発生が喧伝されたマイマイガ。 しかし、思いのほか見かけることが少ないようです。どうやら、当WEB管理者が一年前に予見したことが当たったようです。 昆虫疫病菌のエントモファーガ・マイマイガ、あるいは、ウィルスのバキュロウィルスなどにより収束傾向にあるようです。このことで、目先の出来事に慌てる愚かさを改めて思い知りました。 『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』  『やってみなければ判らない』愚者なのか、『過去に教えを請う』賢者なのか… おそらく 10年後には(今回のことは忘れて)『異常事態発生!』とばかりに、大慌てで駆除対策をすることでしょう。人類の歴史はわずかなもの、それに比べればはるか悠久の時のなかで自然は‘うまくやっている’ようです。 ちなみに、昨年すっかり葉を食害され丸坊主になった樹を多く見ていますが、枯れたものはありませんでした。





    今年はまだ見てないので、去年の写真


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森太郎 と鬼ブナ (旬情報 番外編)

 長野県と新潟県の県境にある鍋倉山。そこは見渡す限りのブナの純林です。 多くのブナのなかで、ひときわ巨木の 2本には、森太郎(左)・鬼ぶな(右)の名があります。 毎年同じ時期に、それらの樹勢診断をするようになってから今年で 11年目。今回は、中部森林管理局の ‘森林ふれあい推進イベント’として、森林管理署との共催で実施されました。
 本来であれば 3本のブナを診続けるつもりでした。もう 1本は、5年前に枯れた森姫です。 ヒトの行為によって樹を弱らせたり枯らしたりすることが多々あります。 不適地への植栽、間違った植え方、生理を無視した剪定などです。 幸い街路樹や庭木と違い、自然の中においては、それらはありません。 しかし、ヒトが根元に立入り‘踏み固め(踏圧)’することで根の発育不全を招くことがあります。それを回避するために、この 2本は立入り規制しています。





     根系調査のために立入った際に撮影