.    '15年6月26日

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地味な植物 しかし…

 シダの研究者をお招きして【シダ類勉強会】をおこないました。園路沿いの観察しやすい場所だけでも30種以上あり、すでに一部の名札を付け終えました。  一見すると似たもの同士ですが、よぉ〜く観ると、それぞれに見分けポイントがあります。さらには、シダ植物の場合、手で触れてみることも大切です。触感の違いで同定できる種もいくつかあります。
 シダに興味のある方、今がチャンスです! 名札を見ながら、その違いを観察してみてください。 観られるのは… イヌガンソク、イヌワラビ、ヤマイヌワラビ、ヘビノネゴザ、サトメシダ、クサソテツ、ホソバシケシダ、 オクヤマワラビ、ハクモウイノデ、シシガシラ、オシダ、ナンゴクナライシダ、シノブカグマ、ジュウモンジシダ、ツヤナシイノデ、ミヤマベニシダ、 マンネンスギ、ヒカゲノカズラ、ミヤマワラビ、ニッコウシダ、メニッコウシダ、ハリガネワラビ、ヒメシダ、ゼンマイ、ヤマドリゼンマイ etc.





          


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地味な昆虫 しかし…

 アカソの葉の上を歩き回るセアカツノカメムシ。  園内では 2000種余の昆虫が確認されていますが、そのうちカメムシの仲間は 50種ほど棲息しています。 〔ちなみに過去のイベントにおいて、長野県内では珍しいオオキンカメムシを観察できました〕
 ‘屁こき虫’という不名誉な俗称や、吸汁性害虫(植物の茎や枝葉、果実などの液を吸収する)であることから、いまひとつ評価が芳しくない昆虫です。 しかし、よくよく観るとそれぞれに存在感があります。例えば、このセアカツノカメムシ同様、背中にハート模様のあるのはエサキモンキツノカメムシ。 まるでステルス機のような形をしたジュウジナガカメムシ。緑色の光沢が映えるツノアオカメムシアカスジキンカメムシ。  『なんだカメムシかぁ』と十把ひとからげにせず、それぞれを別の昆虫としてとらえると、新たな興味がわいてくるとともに、知ることの喜びを実感できます。





 


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哀しみ

 オオルリのメス。どうやら、管理事務所のガラス窓への激突死(バード・ストライク)のようです。 なにやら口にしっかりと咥えています。 おそらく、営巣中の突然の事故だったのでしょう。 午後一に、この亡き骸を見つけたことで、朝からの疑問が解けました。 求愛時期を終えたこの頃、めったに聞くことがなくなったオオルリのオスの囀(さえず)りが、この日は朝から聞こえていました。 あちらこちら移動はしても、それほど遠くには行かないで囀ることに『珍しいこともあるな でも、久しぶりに聞くことができてうれしいなぁ』 ぐらいの思いでいました。 しかし、それはヒトを喜ばせるための楽しい歌ではなく、連れ合いを探す必死の叫び声だったようです。   結局、この日は一日中鳴き続けていました…。  おそらく、子育ての真っ最中だったであろう 2羽。果たしてこの後、残されたオスは一羽でその大役を成し遂げることができるのでしょうか。