.    '15年7月18日

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相手を知る

 次回のからすの学校ツキノワグマ学習会。 県が制定した『信州 山の日』イベントの一環として開催いたします。 長野県は一部地域を除いて、ほぼ全域がツキノワグマの生息地です。当緑地のある安曇野市もその例外ではありません。  蜂(主にオオスズメバチ、キイロスズメバチ、アシナガバチ)による刺傷で毎年数十名の死亡事故が発生しています。 それに比べてツキノワグマによる事故(特に死亡者)はめったにありません。 しかし、ひとたび目撃情報があると、瞬く間にマスコミを賑わせ、その結果、多くの人々にとって恐怖の存在となります。  たしかに、驚異的な足の力や鋭い爪や牙(犬歯)はあなどれません。しかし、過剰な恐怖心は本質を見誤らせます。 今回の講座では… 現状はどうなっているのか、どんな生理生態を有する動物なのか、事故の回避方法は、等々を研究者からご教示していただきます。





     ツキノワグマの過去の話題は⇒こちら


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分身

 左写真は 2本のヤマナラシ。両者は 5mほど離れています。オレンジ色矢印の幼樹は、黒色矢印の子ども…ではなく、実は同一個体です。 横に広がった根の途中に芽が出て、新たな幹を立ち上げます。それが、根萌芽(‘ねほうが’あるいは‘こんぼうが’)。つまり、子孫ではなく自分自身の分身です 〔右写真〕。  半径 8mほどの範囲内には、そのような分身が 20本以上生えています。  この樹を意識したのは、今から 10年ほど前。 芽生えて間もないその樹は、誤って踏みつけてしまいそうな小さな存在でした。 それが今や、樹高 10mほどになりました。成長が早い樹種とはいえ、わずかな間に立派に育ったものです。…と、感心してばかりでもいられません。 時が経過すれば、やがてこの一角はすべてがクローンのヤマナラシ林になることでしょう。  園内には同じような繁殖形態をもつドロノキの大群落もあります。





          旺盛な繁殖力に脱帽


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梅雨明け?

 台風11号が去った日。 空はまだどんよりとしており、いかにも梅雨空です。しかし、週間天気予報ではしばらくの間、雨予報がありません。 ひょっとすると、台風とともに梅雨が過ぎ去ったのかもしれません。 梅雨が終われば夏の到来。信州クールシェアスポットになっている当緑地ですので、 暑さを逃れてご来園される方も多くなることでしょう。 そこでお知らせです ⇒ これまで同様、水遊びは楽しんでいただけますが、今年度から園内での火気使用が禁止になりました。そのため、バーベキューはできなくなりました。 なお、お弁当など火気を使わない食事はご自由にお楽しみください。ただし、バーベキュー禁止になった理由のひとつに‘残飯による野生動物の餌付け問題’があります。 何気なく残した食べ物、それがごくわずかでも、動物が食べれば餌付けしたことになります。くれぐれも、共存の道を断つことのないように。





        いかにも梅雨空なのだが…
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追記) 気象庁は19日午前、 『関東甲信が梅雨明けしたとみられる』 と発表しました。