第20章 天孫降臨 開始
天照大御神の孫まご として高天の原に誕生したばかりの
天孫ー天津日高日子番能邇邇芸の命 あまつひたかひこほのににぎのみこと ーの出立に当たり
高天の原の神々は寿詞 よごと を奏上 そうじょう し 荘厳な格式高い祝いの儀式をとり行った。
終了後 天孫は「お衾 おふすま」(ふとん)に たいせつに包まれて、お付きの五つの伴の緒を従えて、
その名に相応ふさわ しく ニギニギしく 神々こうごう しく 地上に おり降っていきました。
お衾 おふすま の正式名は 真床追衾 まどこおうふすま 。 寿詞 よごと は 祝い事に述べる朝廷言葉。
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☆ 平成天皇・即位式
1990年/11/12 第125代・今上天皇 きんじょうてんのう として 明仁 あきひと 天皇が即位された儀式では
時の内閣総理大臣・海部俊樹かいふとしき が 寿詞よごと を奏上し万歳三唱を行った。
☆一切・非公開の大嘗祭 だいじょうさい 「新嘗祭」 にいなめさい
天照大御神を始祖とする・天皇家の最大の秘儀で 天皇即位のあとに行われる儀式です。
実は、即位式を終えた天皇は、まだ、100%の天皇でなありません。
大嘗祭 だいじょうさい の儀式を無事終えて はじめて 100%の天皇になるらしいのです。
「天皇の魂が天照大御神の御魂と一体になる儀式」つまり 天皇が現人神あらひとがみ に成る儀式。
これが大嘗祭だいじょうさい なのです。
実際には、昭和天皇まで、天皇は現人神あらひとがみ であると 世の大衆は思っていました。
大嘗祭の前日には、鎮魂祭 ちんこんさい という重要な儀式が とり行なわれます。
鎮魂祭には 「ミタマフリ」・「ミタマシズメ」の 二通りがあります。
「ミタマフリ」とは 御霊みたま の活性化で 「ミタマシズメ」とは、御霊みたま の鎮静化を目的とします。
大嘗祭の前日の鎮魂祭は 新天皇の御霊の活性化が目的なので ミタマフリの儀式です。
そして、この時に 新天皇は九柱の神々を祀ります。
九柱の神々とは
高御産日神・神産日神・玉積産日神・生産日神・足産日神・大宮売神・御食津神・事代主神・大直毘神の
九柱の神々ですが どういうわけか 天照大御神の名前が、ありません。
なぜなのでしょう? なにか理由が、あるのでしょうか? ‥‥‥‥ ボサツマン わかりません
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天孫降臨の話に戻します
生まれたばかりの邇邇芸の命は お衾 おふすま (ふとん)に包まれて 降臨なさいました。
天の忍日の命 あめのおしひのみこと 天津久米の命 あまつくめのみこと が先導役を務めております。
一行が天の八衢やちまた にさしかかると ひとりの国津神が 一団の前に立ちはだかるように待っていた。
「古事記」の記載では
「日子番能邇邇芸の命 天降りまさむとする時に天の八衢にて上は高天原を照らし下は葦原中国を照らす猿田彦の神の神あり」
ー上は高天原を照らし・下は葦原中国を照らす猿田彦の神 さるたひこのかみ ーが出現されたと記されている。
ん!上は高天原を照らし下は葦原中国を照らす……なんか前にも見た記憶が……
上(天)を照らし・下の国を照らす神といえば そうです 「天照大御神」のことです。
天照大御神の諡号は 『天照国照彦天火明櫛甕玉饒速日命』 あまてるくにてるひこ あめのほあかり くしみかたまにぎはやひのみこと
天照大御神の分身の神・猿田彦神が 孫の道案内をしたと解釈できます。
神は 多次元同時存在なのだから、いつでも、どこでも、多次元のどこにでも 同時に出現出来るのです。
猿田彦の神の風貌は 赤ら顔で大きな鼻をもち いわば天狗のようなので、
邇邇芸の命 ににぎのみこと の一団は 天孫降臨を阻止する敵が出現か?…と思いました。
その時 高天の原で 孫の行く手を見ていた天照大御神は お付きの天の宇受売うづめ に
「我が御子の行く手を 遮るのは 誰なのか? 聞いてまいれ」と 指令を出した。
「天の宇受売の命」あめのうづめのみこと は 天照大御神の天の石戸隠れのとき 妖艶な舞を踊った神です。
宇受売の命は 猿田彦の神をキリリと睨にら み 毅然きぜん とした態度で言いました。
「この無礼者めが 天つ神の御子が降臨なさる時に邪魔立てするとは お前は何者じゃ?」
猿田彦の神は
「私は 猿田彦と申す国つ神です。私は天つ御子の味方でございます。御子の道案内として お迎えに参りました」。
良かった!味方でした 猿田彦の神は 道案内をする為に 待っていたのでした。
これ以来 猿田彦の神は 神輿行列の先頭を 必ず歩くことになりました。
★ お神輿行列に出会ったら 見てください 猿田彦の神が必ず 先頭を歩いています ★
猿田彦の神の先導によって 邇邇芸の命の一団は 無事に 地上に着くことができました。
筑紫(九州) 日向の国 高千穂の峰 久士布留岳 くじふるたけ に降臨いたしました。
邇邇芸の命は
「ここは韓国 からくに と向かい合い 笠沙 かさ の岬を まっすぐに通って来て
朝日が だだちに射す国であり そして 夕日の照る たいそう良い国である」と たいそうお喜びになり
底そこ つ石根いわね に 太い宮柱みやばしら を高天の原に届くまで高く立てて 鎮座なさいました。
これより 天照大御神の血筋(魂)は 地上の国で 生きつづいていくのです。 第21章へ 邇々芸の命・結婚