観普賢菩薩行法経 (24)
世尊
「三宝さんぽう への帰依きえ を誓った衆生が 次に行うことは 自分の行いに関して六重じゅう の誓いを立てて
一切の衆生を救う 曠済こうさい の心をもって さらに 二重を加えて 計八重の誓いを立てるのです。
六重の誓いとは
不殺生ふせっしょう 不偸盗ふちゅうとう 盗むな 不邪淫ふじゃいん 淫らな愛欲行為はしない。
不妄語ふもうご 嘘はつくな。 不飲酒ふおんじゅ 酒は飲むな。 不悪口 人の誤ちや悪口は言わない。
このうち 1〜5が 「在家五戒」ざいけごかい の教えです。
この六重に
自分の誤ちを隠すようなことはしない。 他人の欠点を非難しない の 二重を加えたのが八重の誓いです。
この八重の誓いを立てた衆生は 静かな場所を選び 諸仏・諸菩薩・大乗の教えを供養して
次の菩薩の誓いの言葉を 念じると良いのです。
今私は 仏の智慧を成就したいと志しを立てました 願わくばこの志しが 1切の人々を救うのに役たちますように。
このように 諸仏・諸菩薩を礼し 一心に大乗の教えを念じて 三七日さんしちにち を行ずれば
出家・在家を問わず また 和上わじょう や阿闍梨あじゃり の指導者がいなくても また 告白文は書かずとも
大乗の教えの力と普賢菩薩の助力じょりき が その衆生に感応納受かんのうのうじゅ として及ぶので
その衆生は 戒かい 定じょう 慧え 解脱げだつ 解脱知見げだつちけん の 大きな力を成就できるのです。
衆生よ 忘れることなかれ。 諸仏や如来も 最初から仏であったのでは ありません。
すべて 大乗の教えによって 諸仏・如来になられたのです。
衆生よ 懺悔は 沙門しゃもん (僧侶) 刹利せつり 居士こじ など 各々の立場で もちろん違います。
☆ 刹利せつり とは ヒンズー社会の第二階級に属する クシャトリアのことで 統治者・王族・武士集団の人々。
☆ 居士こじ ここでは 優婆塞・優婆夷のこと。
私(世尊)は 最初にー無量義経ーを説き次に ー妙法蓮華華経ー を説いてきました。
そして 今 このー観普賢菩薩行法経ーを 説き終えようとしています。
この経を説き終えると 法華三部経の説法は すべて終了となるのです。
いよいよ 最後の最後に 普通一般人の懺悔について 説きましょう」。 (最終章)へ