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「野球は遊びだ」
私の考えは全てここから始まります。私たち還暦野球は勿論、プロ野球も同じだと考えています。広範囲に言えばあらゆるエンターテインメントは誰が勿体をつけようが、屁理屈を言おうが「それでも遊びだ」ということです。プロ野球選手は仕事だと仰る方もいるかも知れませんが、彼らは遊びのプロだと思っています。
だからやる人も見る人も楽しいこと、楽しむことが第一条件です。
先の春の高校野球の監督の勝利談話「○○君はいい仕事をしてくれた」と言っていました。私にはとても耳障りでした。プロの選手も「いい仕事ができた」とよく言ってます。確かに職業なのだから「いい仕事」には違いないでしょうが、何ともイヤな表現だと私は思います。少年たちに夢を与えるのが仕事、と言っている人たちなのだから「我ながら最高のプレーだった」となぜ言わないのでしょうか。「仕事」という言葉はエンターテインメントでは「裏側の言葉」であってほしいと思います。 |
しかし「楽しい」も「楽しむ」も価値観は一人ずつ違います。一生懸命、ひたすらに真面目に取り組むのが楽しいと考える人もあれば、プロか高校野球をやるわけじゃないんだからヘラヘラやったって良いんじゃないの、と言う人もいます。笛や太鼓で大声を出して応援するのが楽しい人もあれば、じっくり静かに見るのが楽しい人もいます。このような両極端に位置するような“遊び方”は決して融合するとは思いませんませんが、少なくとも草野球のレベルでは、調和させることは可能です。そしてそれはチーム個々の個性として、とても大切と思うのです。
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さて「楽しみ方は人それぞれ違う」のであれば、当然、チーム作りの上でもリーダーが代わるごとにチームカラーも変わります。という事はリーダーの個性がそのままチームカラーになると言うことです。
勝利優先と健康優先では全くチーム作りの基盤の考え方も練習方法も試合に対する作戦さえも、全く違うはずです。
ですから、まずチームカラーを最初に明確に決めることが重要です。20人のプレーヤーが集まれば必ず20通りのチームカラーが生まれます。それらをまとめ、最大公約数を反映させ、そこからチーム作りをスタートすべきです。(将来は変更しても良いから)
あるいは強烈なリーダーの下に、リーダーの意図したチーム作りという方法もありますが、普通の草野球レベルではどこかで必ず不協和音が生じます。 |
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「こうあるべき」という意見はありません。
先に述べたように還暦野球と言えども、チームカラーは多種多様です。全国大会制覇を目標としたチームもあれば、勝ち負けにそれほどこだわらないチームもあります。それはそれで結構なことと思います。
還暦野球に限らず、何より大切なのは、どんな相手チームであれ、それなりに真剣にプレーすることが最低限のマナーだと知ることから始まります。緊張感の無いプレーをするのは相手に対して失礼というものです。負けていてもベンチ内で大きな笑い声がある、というのは相手チームに失礼です。バッターボックスでニヤニヤするのも失礼です。相手に対する敬意というとオーバーですが、やはり遊びの中にも緊張とマナーは必要ということです。
特に還暦野球には、それが求められています。クリーンヒットを打った相手選手には塁上で「ナイスバッティング!」と一言、声を掛ける。ファインプレーには「ナイスプレー!」。下手な選手をバカにしない(「この選手は安全パイよ」なんて声が時々聞こえますが感心しません)。
「還暦野球は品格を持って云々」と今年の標語のような言葉がありました。品格とはそういうものだと思うのです。
品格、品性は別に野球に限ったことじゃあありませんが。 |
(4)還暦野球はプロ野球じゃない、高校野球でもない、還暦野球だ。 |
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このタイトル、どう思いますか。同感ですか?その通り、当たり前と思いますか?
同感される方のほうが遥かに多いと思います。当たり前じゃん、と言われそうです。
でも、じゃあ実際にアナタのチームではどうですか?指導方法や作戦、サインプレーなど、実はプロの真似をしたり、参考にしていませんか?と聞くと「ウン、しているよ」となります。
指導する人たち、ベンチの選手たちは「ここはアウトコースの低めで勝負」「もっとボールを引き付けて打て」「オイ、バットが下から出ているぞ」「ボール球を振るな、打つな」「ボールを正面で取れ、両手で取れ」「もっとボールを見て」……。まあ数え上げたらキリがないほど、プロのテレビ解説者か高校野球の監督と同じような言葉を、試合毎に同僚に言っていませんか?また複雑なブロックサインなど使っていませんか?
それでもアナタは、還暦野球はプロ野球じゃないと思っている、と思っていますか? |
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(5)還暦野球は60才からのスポーツだという当たり前のこと…。 |
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還暦野球の最大の特徴は、塁間が短いことです。なぜでしょう。それは選手のプレーが全体的に遅くて短いからです。
遅いというのは「ボールを取って投げるプレー」、「走る」、「球速」、「スウィングスピード」です。短いというのは「打球の飛距離」、「遠投の距離」です。
それだけ若い頃と違って体力がなくなっているのですから、一回り小さなグラウンドでも楽しめるわけですね。
それにプラス、個人差もかなり大きくなります。打力、遠投力、敏捷性などの差が極めて大きいのも還暦野球の特徴です。
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(6)還暦野球は60才からのスポーツだ、パート2。 |
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さて還暦ともなると、若い連中との違いはそれだけではありません。基礎体力が若い頃とは違います。(違うから前項のようなことになるのですが)
動体視力が落ちています。
瞬発力が衰えています。
根気もなくなります。
(あまり悲観しないで下さいね、ごく普通の現象なんですから)
足腰が弱くなります。
体力の個人差が、大きくなっています。
色々上げると、還暦野球が悲しそうに聞こえるので、この辺でやめますが、要するに「若者の野球とは異質なのだ」ということです。
野球の基本から考え直すべきだと、実はワタシ、提案したいのです。
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(7)還暦野球には、それなりのセオリーがあっていい。 |
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私、学生野球をやっている頃、サード、ショートを守っていました。サードの場合は塁の後ろ3mくらい、ショートの時は塁間ラインの後ろ5mくらいが定位置でした。
草野球を始めた頃も同じような守備位置でした。
それから5年くらい過ぎた時(30才頃)、サードの守備位置をベースの前1mに変えました。それ以来ずっとそうしています。
なぜそうしたか、そのほうが軟式の打球処理が簡単だと発見したからです。
強肩だからベースの後方で守っていても良いと思うでしょうが、実は軟式野球の三塁はベースの前で構えたほうが良いのです。それは新発見でもありました。(但し、軟式野球のトップレベルの話ではありません。でも市や区の一部リーグまでなら充分それで対応できます)
このように、守備位置一つでもプロや学生野球とは違います。そして実は、様々な「違い」が、この例のようにあるのです。
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練習や試合の前にトスバッティングをしている風景をよく見ます。
軟球を一生懸命、投手に打ち返しています。ワタシも硬式をやっている時にはイヤになるほどやらされました。
20代の頃に軟式野球の監督をやっても、この基本練習を選手に課しました。でも今、無駄な練習をしていたな、と思っています。却ってバッティングをおかしくしてしまうんじゃないかと、今は思います。だってあんなに弾むゴムのボールをワンバウンドさせて投手に打ち返すなんて、それなりの技術が必要です。そしてその技術はトスだけの技術であり、バッティングにプラスになるとは、今は到底思えないのです。軟式野球はハーフバッティングからスタート。それで充分です。
同じくティーバッティングという練習もありますが、果たして効果はあるのやら。ワタシは無駄な練習と思います。但し、打撃フォームを基本から覚えるにはティーバッティングは効果はあります。実はティーバッティングは、技術が高度な選手のほうが効果があるのです。還暦野球レベルでは初心者の打撃ホーム作り以外には際立った効果がないと私は思っています。 |
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硬球はグローブに吸い付いてくるから片手で取っても落球する確率は低い。しかし軟球はよく弾むから両手で取らないとエラーする。そう教わってきました。その通りです。それより少し前は、プロでも外野手はフライを両手で捕っていました。今は皆、高校野球でさえも片手捕りですが。
さて軟球は確かに弾みますが、そんなに両手で捕らなくちゃいけないのでしょうか。ワタシは違うと思います。両手で捕るだけの充分な余裕があればいいのですが、両手で捕ることにこだわりすぎると、それは両手捕りの弊害になってあらわれます。
両手を握って、体の周りを一周させてください。せいぜい体の周り50センチが範囲です。じゃあ片手を体一周させてください。おそらく両手一周の倍くらいの範囲を回るはずです。そしてそれ以上に片手捕りのプラス作用があります。それは目には見えない精神的な作用です。と言うとオーバーですが、両手で捕ることにこだわると、体に緊張をもたらすのです。片手でボールを捕る時には、この緊張(硬くなる)は少ないのです。ですから、全身の緊張が和らぎ、動きがスムーズになり、守備範囲も広くなります。このプラス作用は実際のプレーの中では見えません。逆に片手捕りでエラーした時のショックだけが大きくクローズアップされて「それ見たことか、片手で捕ろうとするからだ」となりますが、実は見えない中に好プレーが生まれているのです。
「見えない好プレー」の例としては少しピントはずれですが、一つ二つ挙げておきましょう。
ある一塁手。もう70歳を過ぎています。野球経験はあまりありません。彼は内野手からの送球を全て両手で捕ろうとしていました。確実に捕球するためには両手でしっかり捕れと教わっていました。しかし現実の試合では両手で捕っているのに3回に1回は落球してしまいます。その度に「しっかり捕ってよ」と内野から苦情が出ます。そこで私は言いました。「両手捕りにこだわらず、全部片手で捕ってみたらいい。練習のキャッチボールも片手で捕るようにしてみたらいい」と言いました。それから数ヶ月、実に余裕を持って内野手の送球を捕れるようになりました。見た目から全然違うのです。身のこなしに硬さがなくなりました。今では落球は殆どなくまりました。
外野守備。皆さん、見ていると本当に動きませんね。4番バッターでも8番バッターでも同じ位置で守っている人がなんと多いことか。打順、体格、スイングの癖、スイングのスピード、打者は一人一人、技術もパワーも違います。
8番バッターが打席に入りました。体格は小柄、かなりの年配、スイングも遅い、でも当てるのは巧そう。それでも動かない外野手は定位置にいます。レフト前に小飛球が飛んだ。レフトは前進、前進また前進。頭から突っ込んで捕球した。チョーファインプレー!やんやの喝采を浴びてベンチに戻りました。
さて守備の上手な選手の場合。まずバッターを見て最初から3メートルほど前に出て守ります。さあ小飛球が飛んできた。2歩ほどユックリ前進して簡単に捕球。捕って当たり前のように見えるので誰も褒めてくれませんでした。
こういうことなのです。見えない好プレー。実は先ほどのチョーファインプレーの外野手は「下手」なのです。
「見えない好プレー」を見つけて評価する。それこそ野球(スポーツ)の面白さと思いませんか? |
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「体の正面で打球を処理せよ」は基本のキです。シングルキャッチをしたり、体の横で捕ると、すぐにコーチに叱られます。でも待ってください。還暦野球にもそれは当てはまるのでしょうか?
ワタシは体の正面に来た打球と、余裕を持って正面に回りこめる打球なら、なるべく正面で捕るべきとは思いますが、そんなに強く意識するほどの基本ではないと思っています。なぜなら、体を打球の正面に回り込ませるのに必要な運動は「軽快なフットワーク」があればこそ、ですから。でも還暦野球では軽快なフットワークを使える選手はごく一部です。ワタシが見た多数の還暦の選手で、まだまだ素晴らしいフットワークを持った選手は1、2人しか見ていません。
ならばどうする?そうです。まず片手捕りの練習、そして逆シングルの練習、これこそ還暦野球の基本的技術と思います。それでエラーしたら確かに軽率プレーには見えます。でも実は、それ以前に「守備範囲が広くなり」、「エラーが減っている」という目に見えない結果が出ていることに気づくべきです。
以前、大リーグに行った松井遊撃手(西武)のエピソードを何かで見たか聞いたかしました。「還暦野球はプロ野球とは違う」と書いた私が言うと矛盾しているように思うでしょうが、ちょっと聞いてください。メジャーに行った彼がショートの守備練習をしている時に最初に言われた(教わった)のは、三遊間のゴロを回り込んで捕るのではなく、逆シングルで捕らないといけないということでした。ニッポンの名遊撃手が最初に教えられたんですよ。私は大リーグの真似をしてプレーしろと言っているのではありません。回り込んで正面で捕るという遠回りなプレーじゃなく、もっと合理的で楽な逆シングルのほうがいいんじゃない?とこれは還暦でも同じですよと言いたいんです。
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キャッチボールは実はとても大切な練習です。ただ漫然と捕って投げていては練習になりません。すぐに効果が出るわけではありませんが、何のためにキャッチボールをするのかを考えましょう。
ボールをキャッチして、投げる、それが守備の基本プレーです。それ以外のプレーはないとも言えます。
ボールはいつも捕りやすいところに来ません。また、いつも相手が捕りやすいところに投げるのも難しいものです。それを反復練習して、どんなボールでも対応し、いい球を投げるためにキャッチボールをするのです。当たり前のことをワタシは言っていますが、実はその「当たり前」を実行してキャッチボールをしている人が少ないのです。
まず「正確に狙ったところに投げる」練習です。ボールは相手の胸のあたりを狙って投げます。グローブを持っている肩の上あたりを狙って投げましょう。相手が一番捕り易いのがその位置です。これはプロの真似をして下さい。キャッチャーからピッチャーへの返球を見てください。必ず、グローブを持っているほうの肩あたりに返球しているはずです。それがピッチャーに対するキャッチャーのいたわり、気遣いでもあります。実際、キャッチャーの返球を受ける投手の身になると、足元や頭の上に来るボールを捕るのは、本当にいやなものなんですよ。
ボールはは正面で捕球するようにして下さい。球が逸れたら足(フットワーク)を使い、正面で取りましょう。次に取ってからすぐ利き手でボールを正確に握りましょう。これがとても大切なことです。取った後、ノンビリとグローブに収めていてはいけません。これだけで「捕球して、すぐにボールを正しく掴み、送球しようとする」までの練習ができています。
次にはテーマを決めて投球、捕球します。
投球は「捕ってすぐ投げる」、「捕って小さなフォームで投げる」、「捕って横手から投げる」、「ノーステップで投げる」などいくつも組み合わせがあります。全て相手の胸を狙って投げます。このような投げ方はポジションごとに違うので、自分でテーマを見つけましょう。
捕球も正面で取るほかに、逆シングルで取って、すぐに利き手で握る、というように課題を作って練習します。それらの積み重ねが、試合に生きてくるのです。漫然とやっていても練習にはなりません。単なる準備体操と同じ意味しかありません。
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捕球の仕方。範囲が広すぎて全ては書けません。ここではキャッチャーフライについてだけ書きましょう。
キャッチャーやピッチャーの上に上がったフライと、外野に飛んだフライは回転の強さが全く違います。このことを頭に入れていない選手が意外に多いようです。
フライはボールの下をバットが通過するからフライになります。急角度で真上に上がったボールほど、回転力は強くなります。グローブやミットに収めても飛び出そうとする力が強く働きます。だから何も考えずに差し出したミットからボールは飛び出してしまうのです。ではどうしたら良いか。基本は両手でしっかり取ることです。素手のほうでミットに入ったボールを上から押さえつけるのが基本です。でも実は片手でも簡単に捕れるのです。飛び出しそうになるボールの勢いさえ殺せたら良いのです。それには回転しているボールの性質を考えてください。(まるで小学生に教えているような気がするほど、簡単な理屈です)
質問:キャッチャー付近に落ちたフライは、落ちた後、弾んで、どの方向に行きますか?
答え:簡単です。バックネット方向にバウンドしていく。
という事は、ミットを落ちてくるボールに対して直角に向けて取るのではなく、ボールが逃げていく方向を妨げるような角度を持たせて取れば、事足りるということです。文章で書くと難しそうですが、実際に見本を見せたら5秒で理解できる簡単なことです。これだけでエラーは半減します。
野球は考えてやれば簡単に処理できることが多いので、面白いですよ。守備が巧い選手ほど、実は一球一球考えて対応しているのです。
逆に言えば「何故そうするのか」と考えないと進歩は望めないということです。
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外野からバックホーム!ノーバウンドでキャッチャーミットにストライク!なんてことができたら良いのでしょうが、できるわけがありません。必ず、外野手〜内野手(投手)〜ホームという連携プレーが必要になります。
還暦野球でカットプレーができるチームは、おそらくそうないでしょう。なぜでしょうか?不必要とは思えません。ここにも還暦野球の特徴を把握していないと、無理や無駄が生じてしまうことがあります。Bに書きましたが、大きな個人差が一つ一つのプレー(能力)に影響があるからです。この場合は「肩」です。
例えば「左中間ヒット」⇒「レフトが取ってショートに返球」⇒「ショートがバックホーム」。文章にすると実にスムーズなプレーですが、現実は違います。
「レフトが取った、中継のショートに“矢のような”返球」⇒「ショートからホームへ“やまなりの送球”でツーバウンドして届いた」
ランナーは悠々ホームイン。(レフトからダイレクトでバックホームしたほうが全然良かった)
というようなケースが往々にして見られます。要するに肩の強い人、弱い人の差がとても大きいのが還暦野球の特徴なのです。このようなカットプレーは、高校野球やプロ野球の連係プレーを真似てもダメなんです。内野のカットマンは一人か二人、肩の強い選手がいればいい、その選手が中継してバックホーム、それが最良の戦法です。そしてカットプレーに参加しない内野手は、走者の触塁確認をします。(かなり多いんですよ、ベースを踏まない走者が)
下図はカットプレーの一例です。走者2塁でバッターがセンター前ヒット。センターが取って、カットに入った三塁手(●)に返球、そしてバックホーム。あるいは一塁手(●)でも同じです。要は強肩の選手にカットは任せたほうが良い、若者の真似をしたセオリーではダメ(な場合が多い)ということです。
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そして大切なことは、他の選手たちがカバーをいかに巧くするか、ということです。もしも一塁手がカットプレーでショート付近の位置まで来たら、一塁はがら空きです。当然、二塁手がカバーですね。ショートは二塁をカバー、サードは三塁をカバーということになります。
何度も書きますが、普通の野球と還暦野球は違うのです。ですから各チーム独自の戦法があっても良いのです。
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先日、同僚とルールについて討論しました。ルールは「絶対」か「否」か。
以前、高校野球で大誤審がありました。ワンバウンドでスタンドに入った打球を、ホームランと判定してしまったのです。判定した審判以外、敵も味方も観衆も全てがワンバウンドを目撃していました。しかし審判への抗議はありませんでした。翌日の敵チームの監督は「審判の判定は絶対だから、ワンバウンドと分かっていたが抗議はしなかった」と言っていました。「ルールは絶対」なのでしょうか?
もしもこのような誤審が2度続いたら、果たして黙っているでしょうか。おそらくこの監督は2度目でも抗議しないでしょうね。それが正しいことなのでしょうか?
私の意見は「抗議すべし」でした。同僚は「判定は絶対的なものだから抗議してはいけない。試合が終わったあとに連盟か何かに抗議する」でした。でもよく考えて見ると「ワンバウンドでスタンド入りした打球はホームランではない」というルールに審判は抵触しているとも思います。
アウト・セーフやストライク・ボール、ベース上でのタッチプレーなど、微妙な判断では、誤審もやむを得ないと思います。このような瞬時の判断では判定ミスは起こり得ますから、その判定に一々抗議していたらゲームは進行しないから「抗議はしていけない」のだと思います。
どちらが正しいのか、私には分かりません。納得できる答えはありそうもないですが、皆さんはどうお考えですか?
明らかに誤審だった場合、抗議してもいいのではないですか?審判の権威は、審判の技術力に裏打ちされていないといけないわけです。未熟な判定しかできない審判なのだから、そんな審判には絶対性はない、と私は思うのです。または、とても上手な審判でも人間なんだから間違いは起こる。だから抗議しても良い、ともいえるのではないでしょうか。
ルール論とは外れますが、このような高校野球監督は「野球も教育の一環」という大義さえも無視していると思います。間違いは堂々と正す、泣き寝入りはいけないという極めて大切な人間としてのルールさえ無視しているようにも思いました。
このルールという厄介なモノ。この取扱いは本当に神経を使います。野球ルールを知らなきゃ野球はできない。でもあんまりルールルールと、言っていると面倒くさくなってしまうし…。 |
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