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2004年5月30日

解禁から、まる三ヶ月経とうとしている。この間、別に釣りをしていないわけでは無かったが、自分を満足させる渓に巡り会えなかった。今年は新規開拓するぞと気負ってみたものの、現実にはそう甘いもんじゃない。3ヶ月も無駄骨を繰り返すとさすがに嫌になる。釣り意欲すら萎えてくる。

この日曜もどこへ行くか決めかねていた。行き先が決まらないのに早起きする必要もなく、起きたのは午前7時。目覚めると太陽がまぶしかった。みんな、釣りに行ってるだろうなぁ・・・新聞を読み、うだうだとしてる間に、時はどんどん過ぎていく。釣りに行きてぇなぁ。でもなぁ、もう、釣り人を追っかけたり、追われたりする釣りは嫌だし・・・誰もいない渓に行きてぇなぁ・・・。今日は新規開拓は止めだ!!

意を決して、車に乗り込んだのは10時近かった。それでも、オレにはあそこなら、誰も来ないという確信があった。あそことは、オレの唯一の秘密沢、沢の主が居るところだ。時期的にも、もう入渓できるはずだ。

昼間近、現地に着くとやはり、誰の車も無かった。山菜採りが歩くと思われる踏み分け道も、今年はまだ誰も歩いていないようだった。汗をかきながら、谷底へと向かう。

瀬音が近づいてくる。わくわくしながら、かけるように山を下る。久しぶりの秘密沢だ。水の色は濁っていたが水量は少な目だ。これなら大丈夫だろう。



やっぱりここは最高だ!雪渓を通り抜けてくる風が汗をかいた体に心地よい。思わず顔がゆるむ。時計を見ると、もう12時をとっくに回っている。今日は挨拶がてら、二股まで行ったら帰ることにして、のんびり釣り上がるか。

ゆっくりと残雪と新緑のハーモニーを楽しみながら、歩いていく。今まで気が付かなかったが、いつも釣り始める場所よりも手前に魚が見える事に驚く。早速、竿を出してみる。ミミズとブドウ虫を用意してたが、喰いが悪い。今日は汗ばむくらい、暖かいし、ピーカンの真昼だからな。大淵にくると、大小のイワナがたむろしている。早速、狙うが、餌に興味を示すものの、目の前ですっと身を翻してしまう。うじゃうじゃいるのに、ブドウ虫に食い付いてきたのは6寸ほどの岩魚が一匹だけだった。



スレてるのか?イヤ、最近オレ以外に入ってる奴はいなさそうだし・・・
ウデが悪いのか?いや、ここではウデは関係ないだろう。

そういえば、ずいぶんと虫が飛んでるな。そうか、虫を狙ってるのか?毛針がいいのか?しかし、あいつら、深いところにいるなぁ・・・。違うよな・・・ということは?!

オレはさっそく、浅瀬を足でかき回してみた。意外にも大ぶりの川虫を何匹か採ることができた。これで、喰わなきゃ、イワナたちは、腹一杯で食い気が無いんだろ。しかしな、これで釣れなきゃ、やっぱりウデが悪いって思われるよなぁ。

川虫に変えて、ようやく7寸が釣れた。試しにもう一度ブドウ虫を流してみる。無視される。確かに川虫の方が食いはいいようだ。こういう源流部でも、日によってアタリ餌の違いってあるんだなぁ。しかし、どうも納得できない。もっと釣れてもいいはずだ。食い気が薄いとはいえ、淵の底にいる岩魚たちは明らかに捕食態勢にある様に見えるのだ。

そうだ、アレを試してみるか・・・アノ技はまだ未完成だが、かなりの手応えは掴んでいる。ふっふっふ・・・オレはこの3ヶ月間、だてに「ボ」を繰り返していたわけじゃない。アレを会得するために、「ボ」で笑われるのを覚悟で秘密の修行してたんだからな。

先ほどと同じポイントにアノ技で川虫を流してみる。なんと一発で8寸が釣れたではないか!やっぱりコノ技は使えるぜ!!源流のイワナ釣りってのは、単純なものだと思ってたが、なんの、なんの奥が深いぜ!!



川虫とアノ技を使いはじめてから、さっきまでの不漁がウソのように、がんがん釣れる。9寸が2つ上がったところで、もう満足。もうこんだけ遊べば十分だ。それに、ついにアノ技もほぼ身に付いたようだし。ふっふっふ・・・



帰りは、もちろん足取りが軽い。足取りが軽いわりには、コケたり、痙攣を起こしたり、増水した滝壺で溺れかけたりしてましたが(自爆) それでも今年初めてのウルイを採ったり、さらにはあこがれのシラネアオイを発見したりと、短時間で濃密なエクスタシーを感じた一日となった。

やっぱり、ここは最高だ!今年こそ、沢の主を捜すぞ!今年はいける!!
沢の主よ、待ってろ!アノ技を身につけたオレから逃れることはできない!!
今年はノーウェイトスーパーナチュラルドリフト釣法で勝負だ!!(核爆)

(完)