1年以上も長期入院していると、いろんな入院患者さんと知り合いになったり、仲良くなったりするのですが、そのなかで印象に残っている人の話をします。といっても今回の話は患者さんではなく、その人の家族の方なんですけど・・・。 90歳位のお年寄りが同じ部屋に入院してきました。昼間はその方の子供にあたる人たちが交代で看護にやってくるのですが、その中で一人わざと時間をずらして他の人が来ない時間に来る人がいました。朝は7時前にやってくると、お父さんの前に立ち、まずお祈りを始めました。「お父さん、お父さんは今サタンと闘っているのです。サタンに勝たなければならないのです。イエス様にお祈りしましょう。主よ!お父様をお救い下さい。云々」同室の私たちは、「おいおい朝っぱらから何やってんだよぉ!」って感じ。しばらくお祈りはつづきましたが、やっと終わり私もほっとしたとたん こんどは賛美歌を歌い始めたのです。「♪ら〜〜ららら〜〜ららら〜〜」私たちは頭にくるやら、あきれるやらでしたが、10日間くらいがまんしていました。そのうちにその患者さんは部屋が変わり出ていきました。しばらくして風の噂で聞いたところによると、その患者さんは老衰でお亡くなりになったそうです。やはりサタンには勝てなかったのかなぁ。ご冥福をお祈り申し上げます。 |