草稿の制作

 草稿の制作は全体のバランスを見ながら草稿を作成します、ポイントになにを置くかなどクライアントと打ち合わせをし最終的な仕上がりを創造しながら木炭で下絵を描きます、次に木炭の構図を鉛筆で写し細部を修正して画紙に鉄筆などで書き写します。

草稿

色の作成

 色は寝装図案の場合12色から15色作成します、ポスターカラーや顔料、ルナカラー、胡粉などを使います、ニカワと水を混ぜてパットナイフで練ります、色練りには自分の思った色を自由に作るのには3年ぐらいの経験が必要です。紙は堅めのマーメイドや画紙、ミューズコットンなど用途に合わせて選びます、表面に凹凸があると絞りの味がよくでます。

色練り

地塗りと防染

 地塗りをする前に白く残しておく場所に色がしみこまないようにラバテックスなどで防染しておきます、地塗りは全体が均等に濡れるように大きい刷毛を使います、柄によっては暈しや雪の吹雪のような風景なども表現します。

地塗り

背景処理

 柄に変化や重みをつけるために地塗りの上に型小紋や金採で割り付けや小柄の花文様を着けておきます。

小紋型

色塗り

 色塗の基本は同色系統でまとめることです、あらかじめ暖色系か寒色系の柄かきめておきます、ポイントには反対色を全体の一割ほど使うとポイントがひきたちます、また柄の背後に黒や紺などの利き色を配置しても上の文様が浮かび上がります。

色付け

仕上げ

 仕上げとは目立つ文様は押さえて目立たない文様や境界がぼけた文様はひきたたすように金や白線などで形を整えることです、柔らかい線や強弱のついた線などで柄に勢いをつけます、写生などで花や文様を描くデッサンの力量をつけておきましょう。

仕上げ

図案の歴史-江戸時代
 

染織図案の意匠で1687年に宮崎友禅斎の考案した意匠が友禅模様と呼んでもてはやされた、貞亨5年刊の
「友禅ひいながた」元禄5年刊「余情ひいながた」など絵画に工芸性を導入し名声を博した。この時代幻の辻ケ花染や慶長文様、桃山文様、江戸小袖などが考案され友禅染めのもっとも繁栄した時代です。


歴史江戸

図案の歴史-明治、大正時代
 
明治以降の化学染料の豊富な色が取り入れられ染色の工程も分業化された、デザインも下絵師と図案家、手書き友禅型染め友禅に
分かれ、問屋や商人の主導で製品が作られるようになる。大正ロマンなどの独創的な作品が商品を左右するものとして中心になっていきました。

歴史大正
図案の歴史-昭和時代
 
昭和時代になり商品として売れるデザインと作家がその個性を生かし独創を主として作る「作品」が創作されました、作家たちは展覧会に
出品して新たな情報をつかむのに役立ちデザインも情報化時代になりプリントや絵画、工芸、金彩、など友禅図柄として使用されるようになりました。染料や染織技術の発達により複雑で繊細なデザインも加工できるようになり染織作家たちも個性が発揮できるようになりました。

歴史昭和
図案の歴史-平成時代
 
室町時代から桃山時代に流行した絵模様に「辻ヶ花染」という染色技法があります。締め絞りや摺箔、刺繍、色さしなどの手の込んだ作品です、江戸時代に姿を消し現代によみがえってきました。伝統の絞り技術と現代のデザインが融合した芸術品です、コンピューターやインクジェットプリントの発達で繊細で独創的な作品が作られます、手のぬくもりのある一品も希少価値があります。



歴史平成

 

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図案の描き方