悪石島はトカラ列島中央部に位置し,島の東ノンゼ岬に分布する安山岩類上に2重の外輪山と中央火口丘(御岳ドーム)よりなる複式火山の島であり,これらは両輝石安山岩からなる。島の北側オオムネに分布するオオムネ火山岩はガラス質の角閃石デイサイトであり,また,上村北東付近には新しい軽石流堆積物が見られ,これも角閃石デイサイト質である。これらの活動は完新世であろう。なお,現在活発な火山活動は見られないものの,幾つかの噴気や温泉がある。
悪石島南海上より全景
悪石島御岳頂上北側のオッポンタオ爆裂火口
秘湯時代のユドマイ(湯泊)温泉
ユドマイの噴気孔(測定時78度)
島北端のハヨームネ,後ろの台地はオオムネ(大峰)台
御岳(ミタケ)頂上より,ハヨームネを望む
南側遠望。小宝島,宝島,そして中央遠くには
2つの峰を持つ横当島が見えます
学童疎開船対馬丸の慰霊碑
対馬丸は1944年8月22日米海軍潜水艦ボーフィン号の魚雷を受け沈没し,1,661人のうち1,484人の人が亡くなりました。沈没地点はその後の調査で,悪石島の北西沖約10km(北緯29度31.93分,東経129度32.90分,水深約870m)とのことです。
港からユドマイ方向を望む
変質した岩石の分布するユドマイ爆裂火口
御岳頂上より,やすら浜港を望む
1978年撮影
トクノヲ崎に見られる溶岩,火砕岩の累重(中岳安山岩類)
ちなみに,この崖の高さは約120m
悪石島はここ⇒