ダイオード

 

ダイオードの写真

 

下の写真の左からゲルマニュームダイオード、スイッチングダイオード、ツェナーダイオード、整流用ダイオード、ショットキバリアダイオード、ダイオードブリッジ、発光ダイオードです。

 

 


ダイオードの役目

 

ダイオードの基本的な役目は、「電気の一方通行」です。上図のダイオードの記号を見てください。矢印に似てませんか?そして矢印の先に線が横にありますね!図の上の端子をA(アノード)、下の端子をK(カソード)と呼びますが電気アノードからカソード方向にしか流れません。逆に、カソードからアノードへは電気は流れません。これがダイオードの基本的な働きです。この働きは交流を直流に変換する回路に応用されます。

もう一つ重要な性質に順方向降下電圧(VFといいます)があります。これは順方向、すなわちアノードからカソードに電気が流れるときに下がってしまう電圧の事です。一般的なシリコンダイオードは0.6〜0.7V程度降下します。この働きは電圧を一定にしたい場合等に応用されます。


ダイオードの種類

 

用途によって様々な種類があります。代表的なものを挙げて説明します。

種類

働き、用途

スイッチングダイオード

小信号用のダイオードで最も多く使われます。形状も小型でガラス封じになっています。VFは0.6〜0.7Vほどで、最大電流は100〜500mA程度が一般的です。また、値段も安価です。

ゲルマニュームダイオード

AMラジオの検波回路(高周波信号から音声信号を取り出す)などに良く使われます。最近はあまり入手できなくなってきました。特徴としてVFが0.1〜0.3V程度などで電圧降下が気になる場合に使用する事があります。最大電流は数mAです。

ツェナーダイオード

これはちょっと風変わりなダイオードです。記号の図の真ん中の記号ですが、横の棒がちょっと曲がってますね!これはツェナーダイオードの静特性(電圧−電流特性)を表しています。
順方向は普通のダイオードと変わり無いのですが、条件により逆方向にも電流が流れます。ツェナー降伏、なだれ降伏と呼ばれる現象で逆方向に電圧を掛け徐々に上げていくと突然電流が流れ出す電圧があります。これをツェナー電圧といいます。
用途は、一定の電圧を保ちたい場合に使われます。電源回路がいい例です。

整流用ダイオード

大電流用のダイオードです。1A〜20A程度が一般的です。VFがは0.6〜1Vくらいです。一般的な用途、電源回路の整流に用いられます。 

ショットキバリアダイオード

一般のダイオードはPN接合ですか、ショットキバリアダイオードは片方が金属で出来ています。これをショットキ結合と言います。VFは0.2〜0.4Vと普通のダイオードの半分くらいです。写真のは大電流用ですが小信号用のものもあります。用途によって使い分けられます。 

発光ダイオード

おなじみのLEDです。表示用、リモコンの赤外線などに使われます。VFは約2V程度でLEDの色によって異なります。3〜10mAの電流を流します。 

フォトダイオード

これは光に感知するダイオードです。ちょうどLEDの逆の働きをします。光があたると電流が流れます。

可変容量ダイオード

通称、バリキヤップと呼ばれています。このダイオードの主な目的は、コンデンサとして使用します。ダイオードは構造的にP型半導体とN型半導体の接面に空乏層と呼ばれる絶縁層が出来ます。よってコンデンサの様な構造と言えます。これは、ダイオードにかかる電圧によって空乏層の厚みが変化します。つまりコンデンサ容量が変化する訳です。
主な用地はVCO(電圧制御発振器)などに使われます。高周波回路には欠かせない部品です。 

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