抵抗器

 

抵抗器の写真

 

 

一番上が「炭素皮膜抵抗器」、その下が「金属皮膜抵抗器」、左から順に「半固定抵抗器(金属皮膜)」「半固定抵抗器(炭素皮膜)」「集合抵抗」「可変抵抗器」です。

 

 


抵抗器の役目

 

文字どおり、「電気的な抵抗を起こす」働きがあります。つまり、電気を通りにくくするのです。せっかくの電気の流れ(電流)をどうして流れにくくする必要があるのでしょう?もし、抵抗器がなかったら電流は決壊したダムのように好きなだけ流れてしまいます。これじゃ大洪水ですね!そんな事にならない様に電気の量を調節する水門のようなものが抵抗器な訳です。分かりやすい例としては、ステレオやテレビのボリュームです。これも抵抗器。写真の右下の様な可変抵抗器が音量を調節します。(最近はリモコンが多いですけど原理は同じ!)


抵抗器の種類

 

回路の電気を通りにくくするにも用途に合わせた抵抗器を使わなければなりません。これは、回路図には書かれていない事が多く初心者が製作する上で悩んでしまう所だと思います。そこで少々おおざっぱですが、用途に合わせて分類してみました。

種類

働き、用途

炭素皮膜抵抗器

通称、P型抵抗と呼ばれています。非常にポピュラーで安価。特に指定がない限りこれで十分です。但し、ワット数に気付けましょう。1/8〜1/2Wクラスのものが一般的ですが、電流が少々多い場合は1〜2W程度の物を使います。

金属皮膜抵抗器

通称、キンピと呼ばれています。P型抵抗の抵抗値の誤差が2〜10%なのに対して、キンピは1%の精度を持っています。そのため、「精密抵抗」などと呼ばれることもあります。又、温度特性にも優れていて計測器、センサー回路等には無くてはならない抵抗器です。又、オーディオ等の場合に有利な点はノイズが少ない点でしょう。特に1MΩを超える場合はキンピを推奨します。

チップ抵抗器

最近の電子機器はほとんどこのタイプになってしまいました。とにかく小型なのが特徴でしょう。厚膜又は薄膜技術を使って製造されています。電気特性として高周波特性に優れています。上記のP型やキンピはスパイラルカットという手法で抵抗値を設定しますが、これは寄生容量を生むため高周波特性が悪くなってしまいます。

集合抵抗器

主にデジタル回路に使われます。同じ抵抗値の抵抗がいくつか並列に並んでいると思ってください。また、特徴として集合抵抗内の各々の抵抗値は非常にばらつきが少なくそのような必要性がある時にも使う事があります。

セメント抵抗器

主に、大電流が流れる所に使われます。スイッチング電源やパワーアンプの出力段、バッテリーの充電器等です。抵抗値は0.01Ωくらいからあります。

可変抵抗器

文字通り、抵抗値を任意に変化させられる抵抗器です。音量調節等に使用する回転タイプ、グラフィックイコライザ等に使用するスライドタイプが一般的です。又、回転タイプには、1つの軸に数個並列に回転するステレオ用もあります。回転角と抵抗値の関係はA,B,C,D,Eの5つのカーブがありますが、Bは回転角に比例、Aは音量調節用の2種類が一般的です。

半固定抵抗器

これは、考え方は可変抵抗器と全く一緒です。しかし半固定抵抗器は基板に取り付け調整時に使用し、調整後はいじらない様にします。


練習問題

 

    抵抗器の簡単な練習問題を作って試ました。 実際に体験してみて下さい。

    問題1は分割回路と呼ばれる回路の基本です。2つの抵抗器で電池で電圧から任意の電圧を 得る回路です。
    電池を12V、R1を10kΩとした時,電圧計を7.2Vにしたいです。R2はいくらにすれば良いでしょう?
    下のボックスに思った値を入れ「答え」ボタンを押してください。

 

電池の電圧は
R1の抵抗値はkΩ
R2の抵抗値はkΩ
電圧計の電圧はVです

問題2は問題1の応用編です。
電池を12V、R1、R2に10kΩとした時,電圧計を3Vにしたいです。R3はいくらにすれば良いでしょう?
下のボックスに思った値を入れ「答え」ボタンを押してください。

電池の電圧は
R1の抵抗値はkΩ
R2の抵抗値はkΩ
R3の抵抗値はkΩ
電圧計の電圧はVです


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