.    '07年8月29日

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オオムラサキの産卵(8月20日)

 「あの大きな蝶はなぁに?」と来園者の指差す彼方を見ると、そこには一頭のオオムラサキが、エノキの周りをせわしなく飛翔していました。 産卵場所を探しているに違いありません。 「見ていてください。 きっと卵を産みますよ」 と言うまもなく、枯れ枝にとまり、お尻を動かしはじめました。 産卵の始まりです。
 枝にぶら下がり(左写真)、産んでは少しずつ移動して、結局30個あまりの卵を産み付けました(右写真)。 それにしても、なぜこんな枯れ枝を選んだのでしょう。 風折れの危険や、エサとなる葉までの距離 の長さが心配になります。 ひょっとすると、他の蝶との無益な争いを避けているのだろうか?…などと素人考えでいたところ、詳しい方から「産卵位置決定の主要因は 『空間』であろう」とお聞きしました。 葉の無い飛び出した枯れ枝を選んだ理由は、その図体の大きさにあったのでした。
 〔一週間後の8月27日、ここまで育った⇒こちら〕。 



オオムラサキ〔幼虫〕のエサ(食樹)は、エノキ と エゾエノキ。
この付近では一本しかないエノキを、どうして知ったのだろう?


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視察

 富山県南栃市の造園業組合の皆さんが研修視察の一環として来園されました。 造園のプロの目には、当園地の整備はどのように映ったことでしょう。
 園内は、極力 自然そのままの姿を保つべく 維持 ・管理をしています。 園路への倒伏や落枝など危険が予見できるものを除き、整枝(整姿) ・剪定はおこなっていません。 かりに 著しく自然樹形を乱す対処が必要な場合、その多くは伐採しています。 公園樹や街路樹にありがちな【異形の樹木】 を造 り出さないための苦渋の選択です。
 この日 皆さんは、当園地のほかに、近くにある[大庄屋 山口家]をご覧になったとのこと。 古の先人が創り出し、丹精こめて現在に引き継がれている日本庭園の美しさ。一方で、当園内に自生する樹木は その進化の過程で創り出された巧まざる自然美。  似て非なる、それぞれの 美を堪能されたことでしょう。





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樹齢35年

 森林エリア・ヒノキ林。林齢(植林してからの年数)が判る森林簿等の書類が見つからず、「百聞は一見にしかず」と、市民会議の賛同を得て伐ってみました。 さすがに、年輪を調べるためだけに成長の良い樹を伐るに忍びず、一昨年枯れた樹を伐倒してみたところ…。 胸高直径13cm余の樹でありながら樹齢は35年。その成長の遅さに愕然としました。
 もっとも、最近まで 間伐や枝打ちなどの手入れがなされた様子がなく、なるべくしてなった結果 と言えるのかもしれません。 加えて、この林分には【ヒノキと っくり病】が発生しています。 原因は詳らかになってはいませんが、ヒノキの生育には不適地であることが一因との説があります【⇒こちら】。   ちなみに、この近くのヒノキでは、こんな例もあります。【⇒こちら
 なお現在、成長や植生の経年変化を調べるために、エリアの一画を放置保存しています。