.    '11年10月29日

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野生傷病鳥獣の一時的保護 〔続編 その5〕

 保護中のムササビです。拾われて当園地に来てから 80日あまりが過ぎました。なにやら、顔つきや体つきが(野生の)ムササビらしくなってきました。 そんな彼女、最近はスタッフが木箱を利用して作った‘巣’が大のお気に入りのようです。 エサを食べるとき以外の多くの時間をこの中で過ごし、時々このように顔を出します。 生後 3ヶ月ならば、本来このような生活をしているはず。 どうやら、野生に戻れる可能性は高いようです。 しばらく前から、離乳食のクリを両手で器用に持って食べています。  ただし、ちょいと甘やかし過ぎたのか、皮を剥いてあげないと食が進まないようです。 しかし、自然界でも親がそうするのかも知れず、一概に過保護とも言い切れません。  生まれて初めてヒトの子となったムササビ と、生まれて初めてムササビの親となったヒトとの、珍生活は続きます。





    マイホームを守るかのような行動が見られる


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間道を歩く

 からすの学校 ・第46回は、間道を歩く。 3年越しの計画がやっと実現できました。 当初の予定は '08年 5月 24日でしたが、雨天のため同月 31日に順延。 しかし、またもや天候に恵まれず、再び延ばして 6月 3日にしたのですが… なんと、落石により林道が閉鎖になりました。 そして捲土重来、今年の春に計画したのですが… 今度は台風による降雨のためやむなく中止! からすの学校始まって以来の珍事となりました。  裏話をすれば、このイベントの準備は からすの学校企画としては、最も準備時間と労力を要しました。 今は廃道となった道を踏査し、道跡を探し出し、笹を刈って道筋をつくりました。 『本当にこの道で合っているのだろうか?』と不安になりかけたころ、馬頭観音や「南無大悲観世音」の石碑を見つけ出して感激したのも今は懐かしい思い出です。 5度目の正直で実現した古人の疑似体験でした。







    道々の途中にある石像や石碑に古を偲ぶ


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紅葉観察会

 烏川渓谷緑地市民会議 と当事務所主催による『樹木の紅葉観察会』を開催しました。 上記『間道を歩く』 と同様、満員御礼の参加をいただきました。
 時期的に少し遅かったこともありますが、それ以前に今年の紅葉はいまひとつ。 当WEB管理人としては「パッとしないイベントになるかな?」 との不安を抱いたのですが、それは杞憂でした。話題豊富な講師により、寂しい紅葉とは裏腹に、色とりどりの錦秋のような講座となりました。  ところで、この頃、窓口に多い質問は『なぜ赤くならなかったの?』というもの。 それには、こうお答しています⇒『じつは、紅葉する仕組みや過程は判っていても、なぜエネルギーを使ってまで赤くするのかは判っていない。  樹は無意味なことはしないので、きっとなにか訳があるはず。こんな年もありますよ』… なんとも、身も蓋も無い答えに困惑顔の皆様でした。 〔紅葉のメカニズムは→ こちら





 園内には、日本に自生するカエデ属の8割余りがある