.    '12年6月22日

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飲酒熊

 これはツキノワグマが飲んだ発泡酒の空き缶…? 開けられた穴は歯ではなく爪によるもののようです。(ヒトにより)プルトップの口が開いていたので、どうやら、クマが飲酒したということではないようです。 単に空き缶をもてあそんだのでしょうか? それにしても、もし中身が残っていて、クマがそれを飲んで 『ウエッ なんだこのマズイのは』 と懲りてくれたら不幸中の幸いですが、 『オッ コレいけるね!』 などと味をしめれば、ヒトにとってもクマにとっても困ったことになります。
 当園地では機会あるごとに、来園者の方々に野生動物への餌付けの危険性をうったえていますが、時に餌付けと意識せずにゴミを捨てる方もおられます。 餌を与えるつもりはなくても、知らないうちに餌付けしてしまうことになります。 その結果、人との軋轢を生み、最終的にはその動物を『有害獣対策』の大義名分のもとに、捕殺せざるをえなくなります。





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虎の威を借る虫

 一見、スズメバチ、それも単眼の周囲の色の具合からオオスズメバチと勘違いしそうなこの虫はナシアシブトハバチ。 コンボウハバチ科のこの昆虫は、蜂のように刺すことはありません。 多くの生物に恐れられるスズメバチに擬態することで、外敵の目を欺いているとのこと。  しかし、虎の威を借る虫の性(さが)なのか、どうやら俊敏さには欠けるようです。 その証拠に、この個体は当園地スタッフが、素手で捕まえたもの。(橋の欄干にとまっているのを、なんと、手づかみで) 化けの皮(?)が剥がれれば、反撃の手段はなく、あえなく囚われの身となりました。
 それ自身は無害でありながら、有害なもの ・危険なものに似せる擬態を『べーツ型擬態』といいます。 例えば、園内ではアゲハモドキが観察できます。 一方、危険なもの同士似せるのは『ミュラー型擬態』といい、スズメバチやアシナガバチがその代表例です。





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この場を借りて…

 烏川渓谷緑地市民会議 主催による、シダ観察会を開催いたしました。 講師として、シダ研究の第一人者:長野県環境保全研究所の大塚孝一氏をお招きしての内容濃い学習会となりました。
 個人的に満足した一方で、今までの管理事務所の発信情報に冷や汗ものの誤りがあることを知りました。 これまで ミヤマメシダ とお伝えしていたものが、実は キヨタキシダ であることが判りました。 過去、この間違いを数百人の方にお伝えしたと思われます。ひょっとすると、その方々が他の方に間違った名前をお知らせしたのかもしれず、それを聞いた人々が、さらにまた別の方々に…。  管理事務所の発信した情報が、ねずみ算的に増える間違いの発端になったのかもしれません。 あらためて、このような施設にいる者としての在りようを自戒するとともに、 この場をお借りして、訂正の上 お詫び申し上げる次第です。 





       雨の中 肩寄せあって シダを観る