.    '14年1月12日

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【鳥の話題 その1】 長旅の果てに…

 当WEB管理者が運転する車に衝突して落命してしまったカシラダカです。冬鳥として、はるか北の国から 海を渡り山を越え、ようやくたどり着いた安曇野。 「やれやれ、ようやく長旅を終えた。ここで 春まで過ごそう」 としていたであろう矢先のことです。なんとも、気の毒なことをしてしまいました。  おのれの戒めのために、剥製にしてレクチャールームに置き、いつまでも忘れないようにしようと決意。 そこで早速、剥製づくりの師匠にお願いしたところ、二つ返事で引き受けていただけました。  ここ数年間、毎年多くの剥製を無償でつくっていただいているご厚意に、またもや甘えることにいたしました。  なお、野鳥の殺傷は道義的にゆるされない行為であるとともに【鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律】(← 鳥獣保護法)に抵触します。 剥製にするために意図的に捕ることは言うまでもなく、飼うために捕獲することも違法です。





 こんな小さな体で海の向こうの国から来たのに… 合掌


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【鳥の話題 その2】 繁忙期

 凍てつく園内。その寒々しい景色の中を、カワガラスは忙しそうに飛び回っています。 ミソサザイとともに川沿いで年中出会える野鳥です。水中に潜る(その際、水中めがねを着けるかのように‘瞬幕’で眼を守る)とか 川底を歩く といった、他の陸生野鳥には無い行動をします。 多くの野鳥の繁殖期が春以降なのは、子育てをエサが豊富な時期に合わせているからです。 このカワガラスが、他の鳥とちょっと事情が違うのは、エサとするのがカゲロウ・カワゲラ・トビケラ などの幼虫であること。 そのため、それらが羽化する前に子育てする必要があります。 写真の個体も、おそらく巣作りの繁忙期を迎えているのでしょう。  ところで、去年の子育て中、ヒナが川に流された瞬間を来園者が目撃して大騒ぎになりました。 雪解けの増水のため絶望的と思われたのですが、その後 巣に戻っているのを確認し、安堵したものです。
             〔過去の話題は ⇒ こちら〕





           真冬に始まる繁殖期


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こぶ病

 写真はコナラ (どんぐりの樹)。 落葉期になると異様な‘こぶ’が目立つため、時々お尋ねがあります。 『こぶ病』という病気であり、周辺にはコナラが多く自生しているため、当初は感染を心配しました。 しかし、10年近く観察していますが、この樹以外では発病していません。 どうやら、感染力は弱いようです。 じつは、この病気については明確な病原が判っていません。細菌(シュードモナス属か?)との説もありますが異論もあるようです。 また、当園地近くの樹齢数百年のケヤキには、直径 1mを越す巨大なこぶがついています。こちらも原因には諸説あります。 ちなみに、こぶ病は様々な樹で発病しますが、原因はそれぞれ違います。 フジやサクラでは細菌が、アカマツでは菌類(担子菌)が病原になります。  それらに起因して 植物ホルモン生成に異常をきたし、局所的に肥大成長して‘こぶ’になるといわれています。





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