.    '14年7月30日

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髪・紙・噛み 切り虫

 からすの学校 ・第69回は、カミキリムシ観察会。  草木の枝や葉を棒でたたいて、落ちてきた昆虫を逆さにした‘こうもり傘’で受けるという方法 (これをビーティング法という)で、カミキリムシ各種(ニセビロウドカミキリ、ヨツスジハナカミキリ、ハンノキカミキリ、ゴマダラカミキリ、 ホソツツリンゴカミキリ、フタスジカミキリ)をはじめとして 30種あまりの昆虫を観察できました。 ところで、今回の大収穫のひとつがオオキンカメムシを見つけたこと。 長野県内ではめったに見られない珍種であり、 参加者はいうまでもなく、講師でさえも実物を見るのは初めてという希少種です。本来の生息域は関東以西の照葉樹林(ツバキ、マテバシイ、タブノキなど)であるため、長野県で見かけないのは当然と言えます。 観察会においては、知っているようで知らない事象を再認識することの大切さがある一方で、未見の生きものに出会える悦びもあります。





      マウス・オンでオオキンカメムシ表示


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信州 山の日

 国民の祝日である『山の日』は平成28年に施行されますが、それに先立ち、長野県では【信州 山の日】が制定され、今年から施行になりました。 それを記念するイベントが県内のあちらこちらで開催されました。所管の長野県林務部が一元的に発信しているイベント案内によると、この日(7月27日)だけで40件ほどの催しがあったようです。 その多くが登山やトレッキングなど体力充足型イベントであるのに対して、当緑地が開催した知識欲充足型イベントは『ウォルター・ウェストンの常念登山日記の原文を解読する』  講師が読み解いた日記内容によると、巷間伝わっている登山ルートでは眺望の記述などで不可解な部分があるとのこと。 そこで、ルート記述の一箇所の単語(名詞)をこれまでとは違う解釈をすることでつじつまが合う… 講義を聴きながら感じたのは、あたかも推理小説を読み進むかのような高揚感でした。





     隠されたルートを知ることになった講座


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森林エリア 臨時閉園

 7月17日から森林エリアを臨時閉園させていただいています。ツキノワグマの目撃が続いたための当面の処置です。  安曇野山麓はクマの生息地であり、当園地の周辺においても毎年目撃されています。 たとえ目撃されない年であっても、食痕(採食した痕跡)や糞、クマ棚などによって生息は確認されています。 しかし、今回特に閉園処置としたのはこれまでにない状況があったからです。 人が10数mまで接近してはじめて気づく事が連続しました。 それが性格的なものなのか (言うまでもなく、野生動物もヒトやペットと同様に個性(=個体差)があります)、あるいは、ひょっとして彼(彼女?)は耳や鼻に問題があるのかもしれません。 ツキノワグマは視覚が劣る一方、聴覚や嗅覚が発達しています。 多くの場合、遭遇してもヒトより先にクマが気づいて逃げるのですが… 出会いがしらの事故回避のため、閉園とします。





     過去のツキノワグマの話題は ⇒ こちら
   .   なお、臨時閉園により‘人気(ひとけ)’が無くなり、クマの生息環境が拡大することを防ぐために、
 管理人による巡視の徹底(← ヒトの気配を絶やさない)、あるいは、ササ刈りにより見通しを改善
 するなどを実施しています。 いましばらく、彼(彼女)の動向を見守りたいと考えます。