観音経の要点 「観世音真言」
「衆生たちよ、釈迦牟尼仏の説く真理の教えを学び、自分(観世音菩薩)を手本にして、
心無罣 しんむけいげ の境地を目標に、共に仏道の修行に励みましょう」。
無尽意菩薩 むじんにぼさつ は、衆生を代表して世尊に質問する役目で 観音経に登場する。
仏告無尽意 ぶつごうむじんに とは 「ここの経文」
世尊は、すべての菩薩・神・天人・阿羅漢・弟子・衆生の代表として 無尽意菩薩の名を呼んだ。
夜叉/羅刹鬼 やしゃ らせつき は 毘沙門天 びしゃもんてん の弟子で、北方を守護している。
彼らは、以前は悪行の数々を行っていたが、世尊の説法を聞き改心し仏法に帰依した。
観世音菩薩は遊行している 経文にあるー云何遊此娑婆世界 うんがゆうししゃばせかい ー
仏法の守護天 東ー帝釈天。 西ー水天。 南ー魔天。 北ー多聞天。 「天上界」:「素行不良な帝釈天」
東南ー火天。 東北ー大自在天。 西南ー羅刹天。 西北ー風天。 上ー梵天。 下ー地天。 日天。 月天。
念彼観音力 衆生が、観音の力を念ずること。
「観世音菩薩を念ずる」とは、衆生が、観世音菩薩を憧れ・強く心に思い浮かべること。
憶念するとは、常に心中深く 南無観世音菩薩 なむかんぜおんぼさつ と念じること。
仏の代理人 観世音菩薩は
苦悩する衆生を、それぞれの状況に合った良い方法で救いへ導く。 「如来の使者/明王」
なぜ観世音という名前なのか 「ここの経文」
無尽意菩薩は
世尊は答える ー衆生がさまざまな苦悩で苦しんでいるとき、観世音菩薩の名を唱えたならば、
この菩薩は、その声を聞き苦悩から解脱させてくれる故に、観世音という名で呼ばれるーと。
観は 観察の観でものごとを見分けること。 世音は 世の人々の救いを求める切実な声の意味。
観世音は三十三身を現じる 「ここの経文」
観世音菩薩は、梵王や、帝釈天・童男・童女・天竜、人非人などの姿で出現して衆生を救う。
宝珠瓔珞を二分した理由
観世音菩薩は 無尽意菩薩が差し出した
自分は受け取らないで、釈迦如来と多宝如来とに「宝珠瓔珞を二分」したのはなぜか?
その理由:
自分が観音妙智力を会得出来たのは、真理を教えてくれた釈迦如来しゃかにょらい と、
真理である「多宝如来」たほうにょらい のおかげなので、自分は宝珠瓔珞を受け取る立場ではないという意味。
そのことを、聴聞していた菩薩・大衆に、明らかにして示したのです。
観世音の大清浄願
無尽意菩薩が世尊に、観世音はどんな因縁によって、名づけられたのですか?と聞きました。
意味:
無数の仏に仕えた観世音は ーあらゆる苦境にある人々をその場に応じた方法で救いたいーという誓いである
人間が非常に長い年月を経ても、考え及ばない海のごとく深い大清浄願
観世音の沢山の神通力のすべては
ーこんな神通力をもって衆生を救いたいー という観世音菩薩の大清浄願から始まっています。
大清浄願を立てた観世音は、仏の教えに従い長い間修行した結果、大威神力を得たのです。
観世音菩薩の神通力 神通力とは、人智・人力など及ばぬ摩訶不思議な力。
六神通力 1 神足通じんそくつう 自由自在に飛べる。 2 天眼通てんげんつう 肉眼で見えないものを見通す。
3 天耳通てんじつう 人間に聞こえない声・音を聞く。 4 他人通たにんつう 他人の心を知る。
5 宿命通しゅくめいつう 過去世を知る。 6 漏尽通ろじんつう 煩悩を断つ。
観世音菩薩の心の眼 経文で世尊は、観世音菩薩の心の眼を讃えています。
真観 しんかん とは 真実を見極める眼。 清浄観 しょうじょうかん とは 迷いの無い清らかな眼。
広大智慧観 こうだいちえかん とは 広く一切のものを救う大きな智慧の眼。
悲観 ひかん とは、衆生を 苦・悩みから救わねばならぬと思って見る眼。
慈観 じかん とは、慈悲の心で見る眼。
悲體戒雷震 ひたいかいらいしん 悲体の戒雷震のごとくという意味。
観世音菩薩の雷がうち震うごとき大きい力の「戒」の本質は、衆生の苦しみを必ず救うという大悲の心。
妙音観世音 みょうおんかんぜおん 真理の言葉をもつ・妙なる声の観世音。
梵音海潮音 ぼんのんかいちょうおん 清浄な声と心の教えは、海の潮騒の音の如く心の奥底に響く。
勝彼世間音 しょうひせけんおん 苦悩の世間に鳴り響き、迷い・苦しみを征服するすぐれた声。