Q1. 個人民事再生手続きをすると所有している財産は処分しなければなりませんか?
A1.
個人民事再生手続きの場合には、所有している財産を処分(売却、保険の解約など)する必要はありません。 ただし、所有財産の総額が高額であれば、手続き終了後の返済額に影響があります。(最低弁済額)
また、所有権留保付き自動車ローンなど、担保付きの財産の場合は、原則引き上げや競売の対象となります。
Q2. 個人民事再生手続きにより何か生活に影響が出ますか?
A2. 個人民事再生手続きを含む債務整理をすると、JICCなどの信用情報機関に、手続き終了から5年程度は債務整理をしたことが記載されますので、
記載されている間は、新たな借り入れは難しくなります。
また、国が発行する官報という公告に記載されます。(一般の方が目にすることはまずありません)
個人民事再生手続きの影響は上記のようなものに限られます。戸籍や住民票に記載されることもありませんのでご安心下さい。
Q3.
個人民事再生手続きをしても減額されない債務はありますか?
A3. 例外的に下記のような債務は個人民事再生手続きをしても減額されません。
租税等の債権 (所得税、住民税、固定資産税、自動車税、国民健康保険料、介護保険料、年金などがこれにあたります。) 養育費、婚姻から発生する費用の分担義務 罰金等の請求権
上記のほかにもいくつかありますが、これらは個人民事再生手続きをしても支払い金額は減額されません。
Q4. 個人民事再生手続きが裁判所に認可されなかったらどうなりますか?
A4. 自己破産手続きが可能であれば、自己破産手続きへ移行することになるでしょう。
Q5. 個人民事再生手続きをすることにより家族に影響はありますか?
A5. 保証人になっていたり、財産を債務の担保として提供していたりしなければ、影響はありません。
同居しているかどうかを問わず、個人民事再生手続きをすることによる家族・親族に対する影響はありません。 ただ、家族・親族が債権者である場合は、その債権も減額してもらえるように裁判所へ報告する必要があります。
Q6. 家族に内緒で個人民事再生手続きをすることはできますか?
A6. 同居して生計を一緒にしている方がいる場合は、その方の収入証明書などが必要になりますので、その場合は内緒にすることはできません。
むしろ、ご家族の方には正直に打ち明けて、精神的に支えてもらう等協力を得られるようにしておいた方がよいと思います。
Q7. 会社に内緒で個人民事再生手続きをすることができますか?
A7. 会社から借金をしていなければ、知られる可能性は低いですが、退職金の見込み額を証明する書類が必要となりますので、
その書類を会社から取得する際にその理由として、個人民事再生手続きをすることを会社に打ち明ける必要がでてくる場合もあります。
Q8. ローンを支払い中の自動車や、担保付の財産はどうなりますか?
A8. 自動車ローンの支払い中は、車検証に記載されている所有者がローン会社となっている場合(所有権留保)は、基本的に引きあげられてしまいます。
また、担保がついている財産についても同様に、引きあげや競売等処分がされることとなるでしょう。
Q9. 保証人がいた場合に保証人への影響はありますか?
A9. お金を借りた方が支払えなくなった場合は、その保証人になっている方はその人の代わりに支払う必要があります。
ですので保証人へ請求が行くこととなり、通常は一括で支払うよう求められます。 分割での支払いが認められるかどうかは、債権者との交渉しだいです。
保証人が支払うことができない場合は保証人についても、債務整理の手続きをする必要がでてきます。
Q10. 一部の債権者を除いて個人民事再生手続きをすることは出来ますか?
A10. 個人民事再生手続きは、すべての債権者を対象にしなければなりません。
意図的に一部の債権者を除外して虚偽の書類を裁判所に提出すると、不認可となるおそれがあります。
Q11. 一部の債権者だけに返済したいのですが、なにか問題がありますか?
A11. 個人民事再生の手続き上、債権者は平等に対応しなければなりません。
一部の債権者だけに返済をすることは許されず、もし返済してしまった場合は、最低弁済額に影響が生じたり、不認可となったりするおそれがあります。
Q12. ギャンブルや浪費が借入理由の場合には、個人民事再生手続きは認められませんか?
A12. 自己破産手続きとは違い、原則として借入の原因に問題があることで認められないということはありません。
Q13. その他、個人民事再生手続きの際に気をつけることはありますか?
A13.
銀行など預金口座がある債権者に対し借金がある場合は、その銀行などに対し、 個人民事再生手続きを受任した専門家が受任通知を送付すると、その預金口座は凍結されるおそれがあります。
その預金口座を給料の振込先や携帯料金等自動引き落としにより支払っている場合は、あらかじめ振込先や支払方法を変更しておく必要があります。
Q14. 手続き終了後、減額後の借金が返済できなくなった場合はどうなりますか?
A14. 債権者の申し立てにより、再生計画の取り消しがなされる場合があります。取り消された場合は、申し立て前(減額される前)
の状態に戻ってしまいます。 一定の条件を満たし、裁判所に認めてもらえれば、返済期間を延長してもらったり、残額を免責してもらうことも場合によっては可能です。
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