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操体法

代表的操法(膝浦の調整)操体法とは仙台の医師、故橋本敬三先生が考案された手技療法で、その歴史は半世紀以上にも及びます。操体法に付いては多くの先生方から専門書が出版されていますので、ここでは操体法がなぜ効果が高いのかを簡単にご説明させて頂きます。

操体法の基本は痛みの出ない方向、または心地良い方向に身体を動かす事で、痛みを取るのが特徴です。これは殆んどの痛みの原因である関節機能異常(ズレ)、或いは筋肉の異常緊張(硬結、筋縮)などは、関節がズレる方向、または筋肉がより緊張する方向では、警戒信号として痛みが出てそれ以上のズレ、又は緊張を作らない仕組みになっています。逆に関節のズレ、または筋肉の異常緊張が正常に戻る方向では、一部の状態を除き痛みもなく動きも大きくなります。

操体法ではこの原理を利用して身体を動かす為、基本的には常に痛みの出ない方向、または心地良い方向に身体を動かす事により、関節のズレ及び筋肉の異常緊張を正常化する事で、手技を受ける方々に負担なく高い効果が期待出来ます。これは操体法の原型である正体術を除き、他の民間療法(整体やカイロなど)にはない操体法独自のものです。

勿論すべての方々に奏効があるわけではありませんが、人によりその場で痛みが取れる方、薄皮を剥がすように痛みが改善される方など様々ですが、操体法の原理はほとんどの痛みやシビレなどの症状に対応できます。

操体法は単純かつ安全でしかも症状によっては即効性があります。単純な故に広がりがあり臨床を通じて新しい発見も生まれてきます。
操体法は痛みなどの症状を解消するに止まらず、その基本的理念は人間本来の生き方を示すものであり、橋本先生の「からだの設計にミスはない」の言葉が、その理念の中心を成すものです。操体法では人間が健康に生活できる条件として次にあげる四つの柱を提唱しています。

1.呼吸
2.飲食
3.身体運動
4.精神活動

この四つの柱はそれぞれ独自の法則が働き、その総和として人間の健康があります。またこの四つの柱は相関相補性の関係にあり、しかも連動しております。その全ての基礎になるのが精神活動です。この内の何れかが乱れても私達の体はバランスを崩し、様々な症状を現して来ますが、操体法ではこの四つの柱を理解し調和させる事が最終的な目的です。
ここでは一般的に理解されている、操体法としての運動器系(筋骨格系)に付いて簡単にご説明したと思います。


1.異常感覚(痛み・痺れなどの一般的な症状)
肩こりや腰痛、膝の痛みなど私達が日常的に経験する症状全般は、生活習慣を通じて起こる体の警戒信号です。
仕事柄、同じ姿勢をとり続けたり、繰り返し同じ動きを続けていると、まず始めに筋肉の疲労と姿勢を保つ為に、関係筋肉に継続的な緊張が起こります。この時、私達の体はコリとして始めの警戒信号を送ります。この時点では筋肉の問題だけですので、体操やストレッチなどでも対応できますが、日常的にこの様な状態を続けて行きますと、筋肉に疲労がたまり関節を支持する力が弱まり、ある特定の条件(上体の回旋動作など)が加わる事で支持側の関節(主に骨盤の仙腸関節)にズレが起こります。
この状態になりますと、自力では一度ズレた関節が元に戻ることはなく、関係筋肉の異常緊張が起こり軟部組織に於いて、血管の収縮が誘発され虚血状態(酸素欠乏状態)となり、持続的な痛みやコリを感じる様になってきます。更に症状が進みますと、痛みから痺れに移行しさらに筋力低下へと進んで行きます。これは一般的な異常感覚の流れですが、この他にも転倒やスポーツなどで、関節の許容範囲を超える外力などを受けた時など、同じく関節のズレ並びに筋肉の異常緊張が起こります。
この様に殆どの異常感覚(痛み・痺れ・コリなど)は私達の日常生活に中に原因がありますが、その他にも食事(栄養)の問題、これは私達の筋肉の質と量に直接的に関係して来ますし、また見落とされがちですが、私達の精神状態は直接的に自律神経に影響しますので、心の乱れがまた異常感覚へとつながります。


2.異常感覚と姿勢
異常感覚は痛みや痺れなどの不快な症状を起こす他に、二次的に私達の姿勢とも関係しています。
一般的に多くの方が経験している腰痛を例にとりますと、急性の場合、痛みから逃れる姿勢を自然にとります。いわゆる逃避性の側湾です。これは体の自然な反応で、操体法の原理にも当てはまります。私達は意識するしないに関わらず、自ら自分の姿勢を作っています。これは急性期に限ったことではなく、一箇所の痛みは相関相補性の原理に従い次第に広がり、全体のバランスを崩して行きます。
余談になりますが、昔から性格的に物事を斜に見るような人の事をへそ曲がりといいますが、実際すべてに当てはまる訳では有りませんが、性格的に曲がった方はその姿勢もそれなりに曲がっています。


3.姿勢と内部環境
操体法は、運動器系と内部環境に付いても相関する一つの流れとして捉えています。つまり、姿勢の乱れ(歪体)が内臓諸器官に連動していると言うのです。これはどう言う事かと言いますと、私達が何らかの原因で身体のバランスを崩したとします。
この状態は先ほどもご説明した通り、肩こりや腰痛などの異常感覚として私達が感じている状態です。この状態で済んでいれば大きな問題にはなりませんが、正しい矯正を受けない限り一度歪体になった体は自力では元に戻りません。
異常感覚の次に来るのが機能異常です。この状態は身体運動的には動きの制限として、たとえば肩こりなどが進めば頭の回旋運動や前後屈が制限されて来ますし、内部環境的には内臓の働きの低下として現れます。疲れやすい、または良く眠れない、食欲がない、等の自覚症状も出てきます。この状態では健康診断などでは異常が見つかることは稀で、多少数値が変化している程度ですが、更にこの状態が長期続きますと、明らかな数値の異常として現れてきます。そしてその状態が改善されないままになった時、内蔵の器質破壊つまり病の発症という事になります。
ここで整理しますと、生体→歪体→異常感覚→機能異常→器質破壊と言うことに成ります。

では歪体を生体に戻した時にはどう言う変化が起こるかと言いますと、先ずはじめに感覚の正常化が起こります。
痛みやコリなどが軽くなる、或いは体全体が楽になります。次に機能の正常化が起こります。体全体の動きがスムーズになると共に、内蔵の働きも高まり本来の機能を取り戻して行きます。そして最終的に器質的疾患の悪化の停止から回復へと進んで行きます。
勿論、全てがこの通りになる訳ではありませんし、病の原因が運動器系の歪みだけでは有りませんが、一つの可能性として、病と運動器系との関係が今後明らかになれば、操体法の考えが広く認められるものと思います。


4.逆モーション療法(操体法)
操体法の特徴は診断と矯正が同時に行え、かつ外力によらず本人の動きを誘導、抵抗することで異常感覚を処理すると言うものです。先ほども書きましたが、異常感覚の原因である関節のズレ、及び筋肉の異常緊張は必ず一定の矯正方向に従います。これは運動分析をすればその方向角度が明瞭に現れてきますし、本人の感覚(快方向)も一部の状態を除きほぼ一致します。当然の事ですが関節にズレが認められる時、そのズレが悪化する方向へは痛みもあり運動が制限されていますが、その逆方向、つまり関節が元に戻る方向角度には一般的に痛みも無く、動きも大きくなります。これは筋肉の異常緊張に付いてもまた同様です。

操体法ではこの原理に基づき矯正の方向角度を選択する為、効果的な施術を行うことが出来ます。また矯正方向に対する動きに抵抗する事により、自力では動かない関節の遊びの部分が整復される為、痛みなどの異常感覚が消失します。
関節のズレを整復するには、他動的な外力(カイロプラクティック/整体など)によるものか、随意運動に対して、抵抗運動を加えるかの2種類しかありません。操体法では後者の抵抗運動を用いることで、受ける方々の負担を無くし、快感覚のうちに矯正が行われます。また抵抗運動の特徴として、一箇所の関節に止まらず、全体の動きを誘導する事により相関連動的に力が広がり、足指の操法により頚部の痛みが消失すると言うようなことが起こります。



院長のシムラです 5.操体法の可能性
操体法は単に体の痛みなどの異常感覚を処理する手技に止まらず、その可能性は健康管理、及び健康増進に貢献するものです。先にあげた操体法の四つの柱の法則を理解し、また実践する事により人間本来の姿としての健康が実現します。四つの柱はそれぞれの法則をもち、呼吸ひとつ取っても様々な専門書があふれています。呼吸と同じく飲食、精神活動の分野においてもまた同様です。操体法ではそれぞれを分かりやすく整理し、やる気になれば誰でも出来るよう簡単にまとめ、予防医学としても十分対応できる可能性があります。
また身体運動的にも、脳血管障害の後遺症などで片麻痺の方や寝たきりの方、或いは運動能力向上を目的とした筋骨格系の調整などは操体法を取り入れる事で高い効果が期待できます。



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