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「山のローカルバス」  (P)

 今回ウッタラカンドの各地をまわるのに、バスを使った。深い山のなかをいくのに鉄道があるわけはなく、タクシーを雇う以外は、地元の人々が利用するローカルバスに乗ることになる。
 ローカルバスといえども、ガンゴトリからリシケシまで12時間もかけて走るバスもある。山の中の道を行くので、たとえ距離が短くても、とてつもなく時間がかかってしまう。

1・・・
  入り口すぐが車掌の席ときまっていて、あとは自由に座る。座席にはなぜかカバーがかけてある。そのカバーがよく見ると、汚れで黒くなっている。
 たとえば、ガンゴトリからウッタルカーシまで約100キロ(約6時間)のバス代は42ルピー(約126円)。これは車掌が集めに来る。このときは、席は空いているのになぜかバスの上の荷台に乗っていた外国人がいた。車掌のお兄さんは、バスが走っているにもかかわらず、窓から出てバスの上によじ登り、お金を取りに行っていた。
 私も酔ったが、バスにはめったに乗らない人も多いと思われ、バスに酔ったインド人女性も何人か見た。私は日本式にビニール袋を口に当てていたが、彼女たちは体を半分窓の外に出して、豪快に吐くのにはまいった。

2・・・
 故障せずに目的地まで行ってくれればいいが、そうもいかないことが多い。そうしたときは、車掌と運転手が修理をすることになる。客のほうは慣れたもので、その間外に出てのんびり待つことになる。
 修理の用具一式がバスに積まれていて、パンクをしたときも、エンジントラブルになったときも、どうにか直して目的地まで動かしてしまう。
 バス停というものがあるのかないのか、手をあげて合図をすればどこでも停まって、乗り降りさせてくれる。そのためか、やたらに停まってなかなかバスが進まず、時間がかかってしまう。

3・・・
 また、人の持ち込む荷物の多さにも驚いてしまった。バスの上にかなり荷物が載せられるのだが、自転車と荷物を積み上げ、目的地でそれを降ろし、自転車に荷物を乗せて運んでいく人や、ヤギを乗せる人などさまざまである。車内には、インド式の旅行用マットレス(かなりかさばる)やバケツなどさまざまな荷物が持ち込まれ、はてはサルを連れた人も乗り込んでくる。 ローカルバスでの旅は、ウッタラカンドの山や谷の大きさを実感することができて楽しかったが、揺れや混雑に耐え、長時間乗り続けるのは大変だった。(P)

<『バーラト通信第5号』 1995.10.5/禁無断転載>

 

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