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きまぐれ日記
■2002年 12月■
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2002年12月1日 日曜日
いよいよ師走です。
今日は日曜日なので暇でした。頻繁に病棟の廊下を松葉杖で歩いて自主トレまがいをしたりしてましたが、さすがに時間を持て余してしまいました。売店に行き、暇つぶしのためにクロスワードパズルの本を買って来てそれを解いてました。本当はロジックというお絵かきパズルの本が欲しかったのですが、この売店には売っていなかったのでしょうがないですな。クロスワードもはまると結構面白いんですけどね。
体温は今日も36台をキープ。ただ股関節付近の痛みはなかなか治まらず痛み止めの飲み薬を継続しています。


2002年12月2日 月曜日
今日は朝一番で血液検査のための採血。午前中はレントゲン撮影を行った。夕方、先生方が病室に来て結果を教えてもらいました。血液検査は先週よりもかなり良くなっていたので少しホッとした。以前風邪をひいたときに行った血液検査と同じ位の値まで下がってきました。許容範囲内にはまだまだ届きませんが、術後2週間目にしてはまずまずの値とのこと。レントゲン撮影の結果も異常なし。今日は少し良く眠れそうです。はは。
それから今日は予定どおり抜糸もしました。入浴は明日傷の具合を見てからということになりましたが、まぁ一歩前進という感じで嬉しかったです。

リハビリでは松葉杖一本で階段の上り下りに挑戦。体重をかけたときの右足の足首や甲のあたりの激痛は相変わらず。でも歩けるようになるための痛みだと思ってがまん、がまん。それから床に寝たり、床から立ち上がったりする練習を少しだけ行いました。普通の人からみると、こんななんでもないような動作がとても大変なのです。変なふうにひねったり、力がかかったりすると人工股関節が脱臼する恐れもあるからです。でもこれができないと床に敷いた布団に寝ることができません。ということはベッドの無い温泉旅館には泊まれないってことです。これはがんばらなければいけませんな。(笑)

午後は来客が二人。一人は先週までお世話になっていた看護学生のWさん。病棟に用事があったのでついでに寄ってくださったのです。お気遣いどうもね。もう一人はSさん。Sさんはお見舞いになんと「日本酒」と「つまみ」を持ってきてくれた。(爆笑) いくらとくちゃんがお酒大好き人間でも、まさか病室で一杯やるわけにはいきません。Sさんのお陰で今日から地獄の日々が始まりそうです。というのは、酒が無いのなら飲みたいとは全然思いませんが、ロッカーに置いてあるとなるとどうしても飲みたくなってしまうからです。あはは。でもSさん本当にありがとうね。自宅に帰れたらじっくり味わいたいと思います。多分泣くほどおいしいお酒になることでしょう。


2002年12月3日 火曜日
今日も体温は平熱。調子は悪くない。
火曜日は他の日と比べると大変忙しい。朝食後、「教授回診」というのがある。教授と担当の先生方がいっしょに病室をまわるのです。それから一週間に一度のシーツ交換。枕カバー、布団カバー、シーツを取り替えてもらいます。病衣(入院患者が着る甚平みたいなもの。)も2セット渡されます。糊の効いたシーツはやっぱり気持ちがいいです。

今日のリハビリでは最後に杖を使っての歩行に挑戦しました。感想はねぇ・・・、「こりゃまだ無理だわ」です。松葉杖だと脇の下に挟んで力をかけるというか預けることができるので安定するのですが、杖は腕の力だけで支えなければならないので、慣れないせいもあるのだとは思いますが、バランスが保てずフラフラしてしまい、一人では心配で歩けません。リハビリの先生が後ろから軽く支えてくれたのでなんとかこなすことができましたが、ちょっと時間が必要な感じがしています。足首と甲の痛みはいっこうに治まる様子がない。大丈夫なんだろうかと少し心配になってきました。

午後には待望の入浴。といってもシャワーを使っただけなんですけどね。それでもサッパリ、スッキリ。2週間分の汚れを落として身も心も爽快になりました。

夕方、義父の具合があまり良くないと連絡が入る。とても心配だ。私がいてもどうなるものでもないのだが、早く地元の病院へ転院したい。


2002年12月4日 水曜日
昨夜主治医が来てくれた際に、地元の病院へなるべく早く転院したい旨を相談しました。結果は「いいですよ。」 本当なら後一週間位らしかったのですが、「お義父さんのことも心配でしょうからすぐ手配しますよ。」とおっしゃってくださった。ありがとうございます。
今朝、さっそく地元のM総合病院と連絡をとって手配をして下さいました。なんと明日転院です。ひゃ〜、嬉しいけど忙しいぞ。(笑) さっそく車の手配やらなんやらとあわただしく一日が過ぎてしまいました。
しばらく床屋さんへ行っていなかったので、病院内の床屋さんへ行って頭をスッキリとさせてきました。この病院には理容室と美容室とがそれぞれ毎日営業しているのです。設備と規模は街のそれと同じです。しっかりシャンプーもしてもらい気分爽快でした。

床屋さんを終わって病室に戻るとビックリする来客が。明日、転院する予定のM総合病院の看護婦さん2人がお見舞いにきて下さいました。「明日、そちらに行くんですよ。」「行き違いにならなくて良かったわ。」ということで大笑い。遠いところまた来て下さってありがとうございました。明日からお世話になりますが、お手柔らかにお願いしますね。(笑)


2002年12月5日 木曜日
いよいよ今日は地元のM総合病院へ転院する日です。嬉しくてという訳ではありませんが、昨夜は良く眠れませんでした。お陰で今朝目が覚めたのが7:00過ぎ。めずらしく朝寝坊してしまいました。朝食後身の回りの整理をして、今日までの医療費を清算し準備万端でお迎えを待ちました。
10:00過ぎに妻と義妹が病院に来てくれて、この病院ともおさらばです。皆さん大変お世話になりました。
移動はこれまで医大通院の際にお願いしていたタクシー会社に依頼、ドライバーも慣れているSさんだったのでとても快適でした。途中昼食をとるためレストランに寄って、高級?蕎麦定食を食べました。久しぶりのお蕎麦はとても美味しかった。満足、満足。
M総合病院へ入る前に義父の顔を見るため妻の実家へ寄りました。思っていたより状態は良かったのでホッとした。

病院へ到着し、受付をすると、各種検査を行いました。血液検査、尿検査、止血検査などです。これらを終了してやっと病棟へ。今回は3人部屋に入ることになりました。「新入りで〜す!よろしくお願いしま〜す!」というところです。
やっぱ慣れた病院はいいですな。(笑) 皆さん知っている人ばっかりなので助かります。久しぶりの再会にちょっとはしゃぎすぎてしまいました。そのせいなのか夕方の検温では37.6度まで体温が上昇。え〜〜!? うそ〜!! 少し心配になりましたが就寝前には36度台に戻ったのでめでたし、めでたし。医大病院からの大移動で疲れがでたというところかもしれません。

明日からリハビリがんばりまっす!!


2002年12月6日 金曜日
昨日の血液検査の結果が出た。月曜日(2日)よりもまた少し良くなっていた。正常値というか許容範囲内の数値まではまだ到達しないが、少しでも良くなっているのだから良しとしよう。体温も今日はずっと平熱。いい感じである。
「ホームホスピタル」(ってこんな言葉はないと思いますが・・・。)でのリハビリを今日から開始しました。久しぶりということでちょっと気合を入れすぎたかな。今、21:00ですが、膝も痛いし、右足首から下もズキズキ。松葉杖での歩行でも体重をかけると辛いです。やっぱり焦りは禁物ですな。でも焦っちゃうんだよねぇ。土日はリハビリがお休みなのでゆっくり休みたいと思います。

今日は金曜日なので入浴の日。以前は介助されての入浴でしたが、足を着けるようになったので今回から一人での入浴をさせていただくことになりました。この病棟には浴室が2つあるのです。介助付きで入る大きな部屋と、介助なしで入る小さな部屋です。というわけで今回初めて小さな部屋に入りました。小さなとはいっても家庭用のそれと比べるとずっと広いんですけどね。なんとか最後まで一人で入ることができたので、自宅に帰ってもなんとかなりそうな感じです。ただ浴室は滑り易いので十分注意が必要です。ツルッと滑ってバコッと関節が外れちゃったりしたらシャレになりませんもんね。

転院してきて良かったなぁと思うことの一つに食事があります。こちらの病院の食事は味がしっかり付いていて美味しい。他の病院の食事を食べてみてやっと解りました。ごはんもお米の種類が違うのだと思いますがやっぱりこちらの方が美味しいです。入院生活では食事タイムというのはある意味イベントですもんね。はは。

地元に帰ってきたということで、病室を訪れていただいたり、応援のメールやお手紙をいただいたりとホンと感謝感謝です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。<(_ _)> 正念場の2週間も過ぎました。主治医の説明によると、本当に安心できるのは半年間くらい過ぎてからだそうなんですけども、なんとかこのまま行けそうな気がちょっとだけしてきた今日この頃です。


2002年12月7日 土曜日
まいった。今日も膝と甲が痛いです。回診の際主治医に申告したら、月曜日にレントゲン撮影をすることになりました。長い間使っていなかったのである程度の痛みは覚悟はしていたつもりですが、いつまでもこのままだったらどうしようとか真剣に悩んでしまいます。マジで歩けんぞ!! はぁ〜、悩み多きとくちゃん。(笑)

土曜日なのでリハビリはお休み。時間がたっぷりあるので久しぶりに映画を観ました。「アポロ13」という作品。現在入院している病院の看護師さんからお借りしたのです。実際にあったアポロ13号の乗組員救出作戦を題材にしたもの。どっちかというとドキュメンタリーに近いような・・・。最近「アポロ計画の月面着陸は嘘だった。」みたいな噂が論議されていますが、この映画を観たらそんなことはもうどうでも良くなってしまいました。月面に行って帰ってくるより、事故と故障で操縦さえままらなくなった宇宙船を宇宙空間から地球に無事生還させる方がよっぽど凄いような気がする。(実際そうなんだろうけど。) 最後は無事帰還するんだよなぁ・・・と結果が解っていてもハラハラドキドキ。お借りするときに、「アルマゲドンやインデペンデンス・デイよりも感動するよ!」と言われたのですが、本当にそのとおり。「事実は小説よりも奇なり」(使い方間違ってるかな?) とにかく心に残る一本となりました。

今日7日は24節気でいうところの「大雪(タイセツ)」 雪が激しく降り始める頃だそうです。実際は午後からは雨模様でしたけどね。ところで松井秀喜はどこに移籍するんでしょうか? ヤンキース? レッドソックス? オリオールズ? ヤンキースでは背番号55をつけていたラミロ・メンドーサ投手がFAでヤンキースを離れるらしい。ということはヤンキースで背番号55も可能となるわけだ。まぁどこでもいいが早く決めて欲しい。そして一日も早く渡米し、環境に慣れ、練習に励み、ベストコンディションでシーズンを迎えて欲しいのです。先日の日米対抗野球のようなザマだけは勘弁してよね。なんたって君は日本の宝なんだから。(笑) あっそうそう、とくちゃんとしてはまだまだ「阪神タイガース」も有りだかんね!! あはは。


2002年12月8日 日曜日
寒ーい一日でした。病室の窓から見える山にもうっすらと雪が・・・。こんな休日はコタツで熱燗がいいですな。おつまみはそうだな、やっぱ「おでん」か「湯豆腐」あたりがいいか。あはは。もう少し我慢、我慢。
昨日書くのを忘れたのですが、体重測定がありました。結果は「ガビーン!!」 なんと怪我する前の体重にしっかり戻っているではありませんか。こりゃイカンぞ。股関節への負担をできるだけ少なくするには体重を減らすのが一番いいのですから。でも不思議だ。ここ一ヶ月は病院食しか食べていないのに。間食もしてないし、飲み物といえばミネラルウォータやウーロン茶ぐらい。この食生活でも痩せないというのはどういうことでしょう。やっぱ運動が足りないのかなぁ。はぁぁぁぁ〜、今日もまた悩み多きとくちゃん。(笑)

日曜日はヒマで困ります。何をやるにも今日は集中力が欠けてしまっていて、ダラダラと一日が過ぎてしまった。読書でもしようかとベッドに横になると眠くなってくるし。そういえば昨夜は久しぶりに夜更かしをして23:00頃まで起きていたから体の調子狂っちゃったのかも。(テレビでK―1ワールドGP2002決勝戦を見てました。いい試合ばっかりで大満足。興奮した。) 怪我する前は23:00なんていうとまだ宵の口だったのになぁ。長い病院生活ですっかり早寝早起きが身についてしまいました。

膝と甲の痛みは相変わらず。そういう訳で松葉杖一本での歩行練習もおっくうになってしまいます。でもさぼってばかりはいられない。陰ながら努力もしております。その一つが夜間のおしっこ。今回この病院に転院してくる以前は自宅療養期間も含めて、ずっとベッドサイトに尿器(しびん)を置いててもらい、寝ている間はそれに用を足していました。(危険なのでそうしていたんですけどね。)今は夜中におしっこがしたくなると、ベッドから降りてトイレに行っています。これもリハビリになっていると思います。
そのトイレで今朝大事件が発生!! 個室になっている車椅子用のトイレでパジャマとパンツを膝あたりまで下ろし、気持ちよく「シャー」っとやっていたら、突然トイレのドアがガラっと開いて女性の方が・・・。「キャー!!」だって。キャー!!は俺の方だぜ、ノックくらいしてよね!!。(笑) 原因は私が使用中にした札がドアを閉めたときの勢いで裏返っていたもよう。粗末な物を見せてしまって申し訳ありませんでした。<(_ _)>
明日は痛みが和らげばいいなぁ。


2002年12月9日 月曜日
「♪雪は降る〜〜右足は痛い〜。」 いやぁ降りましたね。とくちゃんの住んでいる地域では大雪といってもいいんじゃないでしょうか? 雪国の人に怒られそうですけど・・・。首都圏では通勤途中などに足を滑らせて転倒する人が相次いだそうです。東京都内ではこの影響で都内に配備されている全204台の救急車のうち、176台がフル出動する事態になり、119番通報も、普段の2倍以上になったとのこと。鉄道も大幅に乱れたみたいだし。たかが雪されど雪、なんともすごいね。

今日もはりきってリハビリをしましたが、右足の痛みはいっこうに治まる気配をみせません。っていうかひどくなってるような・・・。この痛みさえなければもう少しスムーズに杖を使っての歩行練習ができそうな気がするんですけどねぇ。激痛です。午後に右ひざと足の甲のレントゲン撮影をしましたが、果たしてその結果は? でも痛みはレントゲンには写らないですもんね。痛いのは自分だけにしか分からないというのは辛いもんですな。でも右足の動きは先週から比べると少しずつ良くなっています。ベッドに寝るときも両足の間にタオルを挟み、横向きの体制にもなれるようになった。これだけでもとても楽です。同じ病棟に半年ほど体重をかけることができなかったという人がいらっしゃったので話を聞いてみたら、やっぱり最初は足の甲が痛くて大変だったそうです。くじけず、あきらめず、気長にやるしかないっていうことですね。

今一番したいこと。それは温泉に入りた〜い!! この足も温泉に浸かればなんか良くなるような気がするんですよねぇ。下記の詩は大好きな長渕剛のビデオ「白の情景」という作品の中で「結晶」という歌があるのですが、そのイントロと間奏のときに朗読されているものです。朗読しているのは大滝秀治。これがまたいい味だしてんだよねぇ。たまたま今日が雪の日だったのでこの詩を思い出しました。この中に登場する温泉に是非とも行ってみたい。以前幾つかのキーワードから調べてみたのですが、もしかしたら宮城県柴田郡の「峩々温泉」かもしれない。もしそうだとすれば一泊二食で1万6千円〜とのこと。ははは、俺にはちょっと手がでないかな。いい温泉あったら紹介して下さい。お待ちしてま〜す。

      背筋がパンパンに張れあがったまま息苦しい朝を迎え、遮光カーテンを開けた。
雪だ。
窓の外で、子供たちが‘この特別な日’と思いっきり、たわむれている。
それは、子供の心が白いからだと、本に書いてあった。
目が痛い、ああ、目が痛い。
開けていられないほど、目が痛い。
俺は、子供たちに杓子定規な笑みをつくり手を振ると、すぐにカーテンを閉めた。
なぜかと言うと、今、俺は、雪の白さをうたがっているからだ。
ああ、こんなに雪が白いとは・・・・・・。

俺は東北新幹線に乗り、仙台駅に降りたところだ。
四輪駆動の車に乗り換え、かなた秘境へ向かう。
いくつかの街を過ぎると、キャベツ畑に降り積む雪が見えてくる。
さらに車は、前へ前へと進んでいく。
ガリガリ音をたてて進んでいく。
傾斜三十度の凍った道に、チェーンの音だけが、ガリガリ、ガリガリ突き刺さっていく。
やがて人影がなくなり、完全に街が消えた。
低く垂れこめる灰色の空からまるで天使のような「白」が降る。
俺の願いは、今、まさしくその「白」だ。
だから、降り積むこの雪の白さを確かめたいと、わざわざ、ここへやって来た。

深くて、でっかい山をいくつか越えたところに、木造モルタルの一軒長屋が、ポツンとある。
そこの庭先には、何回も何回もペンキを塗りたくったモスグリーンのボンネットバスが停まっている。
バスのタイヤには、錆びた太いチェーンが巻きつけられていて、昼夜問わず往復した雪降る車道には、
たくさんのゴムの長靴の跡が、ぎしっ、ぎしっ、と散乱している。
この一軒長屋は、何百年と続いた湯治場なのだ。
俺は、そこのおかみさんを少しだけ知っている。
先ほどの白い車道の足跡は、おかみさんが湯治客のために踏み散らかしたものだということも知っている。
俺は、玄関をガラッと開ける。
おかみさんは、去年とまったく同じように、そこに在た。

おかみさんの両頬はいつも赤く
皮膚はピーンと張り詰め笑うと少女のような顔になる。
「生きてましたか?」
おかみさんの口ぐせだ。
「いやぁ、死んでましたよ」
俺が言うと
ケタケタと笑いながら「ごゆっくり」と、おかみさんはのれんをくぐり、ふくよかな背中を見せた。
この女性が湯治場を守り続けている人間(ひと)だ。
雪は、さらに激しく降っている。
しんしんと、ではなくそれは容赦なく、名も知らぬ谷間を叩き続ける。
だけど、おかみさんは、この雪の「白さ」を決して語らない。
この峡谷もまた、
ずっしりと黙ったまま「生」を主張している。
そして、夜がきた。
今にも落ちてきそうな、でっかくとんがった岩肌の上から、重い月が俺をにらむ。
ここに来ると、もの言えなくなるのはなぜだろう?
それにしても、インスタントコーヒーがやけにうまい。

俺は、だんだん機嫌がよくなってきた。
だけど、無表情でいたいのだ。
なぜなら
この「白さ」を守り続けているおかみさんの心があまりにも、うれしいのと
人として生きる場所があるならば、雪降る秘境で生きたい、などと大それたことを
ほんの一瞬、この女性(ひと)の前で本気で考えた俺の無神経さが恥ずかしかったからだ。
俺は、ほてった素っ裸を雪の上に放り投げ、目をつぶった。
河川(かわ)がごうごうと怒ってる。
ここに来るまでは、雪は冷たいものだと思っていたが、それは俺の錯覚だった。
雪の「白」は、実に暖かかった。
(94年○月×日 宮城県の雪降る秘境にて  長渕 剛)       
     


2002年12月10日 火曜日
今日で人工股関節を入れる手術をしてからまる3週間目。体温は平熱。体重をかけたときの激痛以外は体調も良い。まずは安心といったところか。昨日撮影したレントゲンの結果は、長い間使っていなかった(体重をかけていなかった)ので、骨自体は弱くなっているらしい。レントゲンの写りもかなり薄いです。それ以外の異常はみられないとのこと。やっぱり時間をかけて慣らしていくしかないのかなぁ。
リハビリでは膝につける強力サポーターを借りて装着し歩行訓練をしてみました。こころなしか膝の痛みが少なくなったような気はしましたが・・・、う〜ん、あんまり変わらないかな。足の甲の痛み対策としては装具会社の方に右足の土踏まずを圧迫する部品(簡易インソールのようなもの)を作ってもらいました。これも・・・う〜ん、あんまり変わらないような。(笑) でも痛みをちょっとでも少なくするために、何でもいろいろ試してやっていこうと思っています。

火曜日なので入浴の日。やっぱり入浴は一番の楽しみでもあります。たくさんの患者さんが順番で入るので、のんびりという訳にはいきませんが、それでも汗と垢を落としてさっぱりすると気分は最高です。これで湯上りに冷えたビールなんぞがあればいうことなしなんだけどなぁ。

夕方に仕事でお世話になっていたSさんがお見舞いに来てくださった。出張でこちらに来ているとのこと。久しぶりに仕事関係の話をして大いに刺激を受けました。近い将来復帰して、果たして私はついていけるのだろうか? 少し先が見えてくると、今度はそういうことが心配になってきます。なんとかなるかな・・・。いや、なんとかするしかないんだけどね。はぁぁぁぁ〜、またまた今日も悩み多きとくちゃんでした。


2002年12月11日 水曜日
久しぶりの良い天気。すっかり雪も解けてしまいました。
今日は同部屋の一人が手術の日でした。全身麻酔は初めてということで、ベテラン?のとくちゃんはアドバイザーとして頑張りました。(笑) 辛さは十分解っているので、ひとごとには思えません。がんばってね。今晩一晩は大変でしょうが、明日はずっと楽になるでしょうから。

今日の一番の注目は「和歌山毒物カレー事件」の裁判でしょうか。先ほどニュース速報では林真須美被告に死刑判決が出たとのこと。被告が死刑になっても殺された人は帰ってこないが・・・。裁判といえば昨日の新潟少女監禁事件では1審の懲役14年は「法定刑を超える量刑を科しており違法」とされ、懲役11年に減刑された。これについては個人的に納得できない。私としては14年でも少ないと思っていたからだ。少女は9年2ヶ月も監禁されて自由を奪われていたんだぞ! 犯した罪で懲役11年なら、少女を監禁していた9年2ヶ月という時間をそれにプラスして合計20年位の懲役が妥当だと思うのだがその考えはおかしいでしょうか。

病棟の看護師さんからまたDVDをお借りしたので“こっそり”見てました。宮崎駿作品の「もののけ姫」です。以前ビデオで見たことはあったのですが、今日再度見てみてこの作品のすばらしさを再認識しました。まず音そして音楽の良さにびっくり。今私は3人部屋にいるので、他の人に迷惑がかからないように、パソコンにヘッドホンを接続して鑑賞したのですが、臨場感たっぷりでとても良かった。ただアニメとはいえ映画序盤にでてくる主人公のアシタカが、弓矢で人の両腕や頭を射落とすシーンはちょっとね。リアルすぎる。小さな子供には見てもらいたくないというか見せられない気持ちもするな。まぁ物語自体が大人向けという感じがしますけどね。この作品は海外でも上映され絶賛されましたが、何回見ても、次のシーンがどうなるか分かっていても感動できる宮崎作品はやっぱりさすがです。


2002年12月12日 木曜日
今日もお天気は晴れ。これはチャンス!!とばかりお洗濯に挑戦しました。コインランドリーで洗ってから屋上の物干し場へ。なんか主婦になった気分。松葉杖を使っての作業なので時間はかかってしまいましたが、やっぱり乾燥機を使うよりお日様で乾かした洗濯物はパリッとして気持ちがいいものです。久しぶりに外の空気を吸い体もスッキリでした。

お昼休みに、会社の同僚の方々がお見舞いに来てくださいました。お忙しいところ申し訳ありませんでした。とくちゃんが仕事に復帰の暁にはご指導よろしくお願いします。<(_ _)> や・さ・し・く・してね。(笑)

膝の痛みがなかなか良くならないので、今日もレントゲンを撮影しました。今回は右足の股関節から足先までを一度に全部撮影するというもの。レントゲン室に入り撮影ベッドではなく「床」に寝て撮影しました。通常のレントゲンフィルムを3枚つないで取るのです。さながらレントゲンのパノラマ写真といったところでしょうか。診断の結果、私の足はO脚ぎみなので体重がどうしても膝の内側にかかってしまうもよう。だからその部分が痛いんだな。明日、リハビリ用のシューズに特殊なソールを作ってもらうことになりました。痛みを少なくするためにはなんでもやってみるつもりです。このままじゃとても普通には歩けそうにないから。

木曜日なので「どっちの料理ショー」の日。本日の対決は「アツアツ大根トロけるおでん VS 超美味牛肉ジューッのすき焼き」 。これは「おでん」ですな。今回は負けてもいい。自分の好みは変えられない。(笑) だって日本酒に合うのはやっぱ「おでん」でしょう。すき焼きにはビールだと思うんですけどね。どんなおでんの種が出てくるのかが楽しみです。早く本物食いてぇ!!


2002年12月13日 金曜日
困った。書くことが何もない。
金曜日なので入浴の日。今日は一番風呂でした。介助者なしの入浴にもだんだん慣れてきた感じです。ズボンとパンツを脱いだり穿いたりするときは椅子に座って行います。脱ぐのは簡単なのですが、穿くときが大変。右足が曲がらないのでマジックハンドを使ってゆっくり穿きます。でも自分一人でできるというだけで「やっとここまできたな。」と感無量です。(笑)

午後から昨日のレントゲン結果を参考に、右足のスリッパに手作りソールを装着。「お!?」気のせいか痛みが少ないような・・・。いや気のせいではありませんでした。確かに痛みが少なくなりました。いい感じです。これで歩行練習にもはずみがつきそう。リハビリでは右膝の曲がりがいまいちである。無理に力をかけて曲げると腿がつっぱってその痛みもすごい。目標は大きく「正座」ができるようになることなのだが・・・、正直言って難しいかもしれません。なんとか「あぐら」の真似事くらいはできるようになりたい。それができれば自分で右足の爪を切ったり、靴下を穿いたりすることができるんじゃないかなと思うからです。今朝、妻が来てくれたときに足の爪を切ってもらいながらそんなことを考えていました。

リハビリ担当の先生からDVDをお借りした。「一週間レンタルで借りたんだけど期限が明日までなんだよね。自分は時間がなくて見れないので代わりに見てくれませんか。」とのこと。代わりにって・・・(笑)
タイトルは「ユージュアル・サスペクツ」というやつ。あっという間の2時間でした。この映画の予告編のキャッチコピーが「見破りますか?騙されますか?」というものなんですが、黒幕は誰だということで最後までハラハラさせられます。私は途中で予想しちゃいましたけどね。これ以上書くとネタバレになってしまうと思うのでやめときますけど。さすがアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞した作品だけあります。代わりに見させてもらってホンと良かったです。ははは。明日お返しするときには「スゲェおもしろかったよ〜ん。」と言って悔しがらせてやろうっと。(笑)


2002年12月14日 土曜日
週末だ。といっても今の私にはあんまり関係ないけど・・・。ちょっといじけた感じでスタートしてみました。(笑)
今日は土曜日恒例の体重測定がありました。なんと!!前回より約2kgも減っていた。すばらしい。地道な努力が実を結んだということでしょうか。標準体重までの道のりはまだまだ険しいですが、少しでも結果が出ると嬉しいもんですな。これがもし自宅での出来事であれば、嬉しさのあまりビールで乾杯し、すぐリバウンド・・・というところだが、幸いにもココは病院。この調子で今後もがんばるぞ!!

私のおしりには大きな傷があります。何度も手術をしているため、傷というよりはケロイド状のような感じ。昨夜そのおしりの傷が痒くなったので、手で触っていたらなんかチクチクする。「かさぶた」かなと思ってそのままにしておいたのですが、やっぱりちょっと気になったので、今日の回診の際に先生に診てもらいました。チクチクの原因はなんと「糸」だったのです。抜糸をしたときに残ってしまったと思うのですが、傷の中に2〜3cm位入っていて、数ミリほど露出していたという訳です。これまで10回も手術をしましたが始めてのことです。こんなこともあるのね・・・。二度目の抜糸をした気分になったとくちゃんでした。

リハビリは休みのため自主トレという訳ではないが、なるべく右足に体重をかけるようにして病院内を散歩しました。履物にソールを取り付けたお陰で、膝の痛みも随分良くなりました。私が居る5階病棟のテレビカードの自動販売機が故障していたので、7階の販売機まで出かけていったら、懐かしい方と会いました。ICU担当の看護師さんです。私が事故直後、ICUに入っていたときに大変お世話になった方でした。私が松葉杖で歩いているのを見て大変喜んで下さいました。ビックリしたのは私の名前を覚えていてくれたということです。長い入院中に何度か顔を会わせたことはあったのですが、う〜ん、それにしてもすごい記憶力!!

午後は一念発起して、この「とくちゃんねる」のトップページを模様替えしました。季節に合わせてクリスマスバージョンです。何だかんだで4時間以上費やしてしまいました。作業を終えてからふと思ったのですが、クリスマスバージョンということはあと10日位の寿命しかないということですよね・・・。すぐ新年バージョンか何かの作成をしなければならないような・・・。そう考えると失敗だったかもしれません。クリスマスが終わったらまた元の状態に戻そうっと。(笑) トップページの感想をお寄せいただければ嬉しいです。よろしくお願いします。


2002年12月15日 日曜日
日曜日。ヒマだ・・・。気分をすっきりさせようと洗髪をした。時間つぶしに洗濯もした。汚れ物があまりないので100円はもったいなかったかな。(笑) 
今日はどういうわけか股関節の違和感が強い。昨日少し動かしすぎたせいかもしれません。
それから困ったことに午後からネット接続が不安定になった。またエアーエッジの故障かも。今年の春に接続できなかったときと同じような状態です。まいったなぁもう。ネットワーク側の障害ならいいんだけど、もし端末側だとすれば・・・。はぁ〜どうしましょう。入院生活ではネット接続だけがとくちゃんの生きがいなのにぃ!!(笑)


2002年12月16日 月曜日
昨夜はとうとうネット接続ができなくなってしまった。どうしようかなと思っていたが、なんと今朝は回復していました。ホッ。プロバイダの障害情報を見てみたら、DDIポケットのAirH"センター設備障害だったらしい。深夜2時に復旧したそうです。なにはともあれ端末の故障じゃなくて良かった。年末になってエッジカードが壊れてしまったら修理もままならないはずだもんね。15日の午後1:20から16日の午前2:00まで12時間40分も使えなかったのだから基本料割引くらいは・・・・あるわけないよなぁ。(笑)
キャー!!ホッとしたのもつかの間。現在11:30分なのだが、また接続がダメになってしまいました。HP閲覧もメールもダメ。トホホ。今度は電話でDDIポケットに問い合わせをしてみたら、優しそうなお姉さんが出て、また障害が発生してしまったとのこと。復旧までの時間は分からないんだと。「なんだよ〜!!しっかりしろよDDIポケット!!

昨日のサッカー天皇杯3回戦、注目?のジュビロ磐田VS国見高校の試合はおもしろかったですねぇ。私はTVに釘付けで見てました。(この病院は医大病院と違ってBS放送も入るのが良い。) 結果は2−0でジュビロ勝利でしたが、高校生チームがJ1優勝チームに2点しか失点しなかったということがすばらしい。善戦といえるでしょう。ジュビロの選手はやりづらかったとは思いますけどね。勝って当たり前だし、気合を入れすぎても「高校生相手に・・・」と言われかねないし。でも国見高校のディフェンスとゴールキーパーは素人の私が見ていてもとても良かった。国見高校の総監督は試合前「失点が1ケタ台で終われば幸せだな。」と言っていたそうだが、予想が嬉しいほうに外れて良かったですね。試合後は戦い終えた生徒たちに、「磐田はJリーグで5―0の試合もする。2―0なら国見はJ1に入れるよ。」と冗談めかして話したそうです。ははは、冗談に聞こえないよぉ。試合終盤はジュビロサポーターがジュビロの選手にブーイングすごかったですもんね。高校生チームがこんなに活躍するなんて・・・、なんか今後のオリンピックやワールドカップがいっそう楽しみになってきました。
高校サッカーといえばもうひとつ気になる話題が。第81回全国高校サッカー選手権の岡山大会決勝で、誤審から対戦相手がVゴールを認められず、その後のPK戦で相手を破って優勝した水島工高のエースストライカー(3年)が、選手権に出場しないことにしたというもの。この選手はFWとして岡山大会に出場、先月10日の決勝で作陽高校と対戦した。1―1で迎えた延長前半、作陽高校のロングシュートが水島工高のゴールを割ったが、主審は得点を認めないまま試合を続行。水島工高がPK戦を5―3で制し選手権出場を決めた。作陽高校の異議申し立てで日本サッカー協会の審判委員会は試合ビデオを検証、「本来なら作陽のVゴール勝ち」と誤審を認めた。しかし、サッカーでは一度下った判定は覆らないため、試合結果は変わらなかったのである。審判は人がやるのだから誤審もありえるのは仕方の無いことだとは思うのだが、県大会の決勝戦でというのが辛いよね。後味が悪い。全国大会に出ることができなかった作陽高校もかわいそうだが、出場を辞退したいと言った選手もかわいそう。こういう場合、特例として両チーム全国大会出場なんていうようにはできなかったもんでしょうかねぇ・・・。

今朝行った血液検査の結果は・・・、前回(一週間前)から比べるとほんの少しだけ良くなっていた。悪くなっていなかったのだから喜ぶべきところなのだろうが、ハァ〜、そうもいかない。許容範囲内まではまだ届いていないからだ。手術して一ヶ月近くになるのに大丈夫なんだろうかと考えてしまう。主治医によれば、人工股関節という大きな金属製の異物が入っているのである程度時間がかかるのはしょうがない。CRP以外の白血球とかの値は正常なので多分大丈夫でしょうとのこと。そう言われてもねぇ・・・、その多分が心配でなかなか安心できません。体調は悪くないのだが、どうしてなんだろう。イカンイカン、また蚤の心臓がドキドキしてきたぞ。(笑)

リハビリは好調である。松葉杖一本での歩行もだんだんと慣れてきたような気がする。右足の甲と膝の痛みも以前から比べると少なくなってきている。いい感じだ。ただ調子に乗りすぎると予想外のことが起きるかもしれないので慎重かつ慎重に。慣れてきたころが一番危ないのだから。


2002年12月17日 火曜日
昨夜次男が病室に来た。約一ヶ月ぶりのご対面である。(笑) 父は無くても子は育つ・・・。首にシップをしていたのでどうしたのかと思ったら、学校の体育の授業で柔道をしているときに受身を失敗し、首を痛めたとのこと。おいおい大丈夫か? 話を聞いてみたら学校の先生が整形外科に連れて行ってくれたらしい。首の怪我は致命傷になりかねないので心配したが、本人はいたって元気そうなのでまず良かった。

火曜日なので入浴の日。身も心もすっきりした。洗濯物がたまったのでコインランドリーで洗濯。今日は良い天気だったのだが、あいにく風がとても強く物干し場には干せそうにない。しかたなく乾燥機を利用。300円もかかってしまいました。しかも乾燥後は静電気バチバチ状態。やっぱり太陽の力は偉大だな。

インターネットを利用して2点ほどお買い物をしました。
ひとつは「座椅子」。自宅に帰ったら是が非でもコタツに入りたいからです。本当はテーブル式の背の高いコタツを用意するのが一番良いのでしょうが、あれはコタツとは言えない!(笑) そこで、座面が少し高くなっている座椅子をということになった訳です。商品はよくTVショッピングなんかに出てくる「天然木肘掛付きお父さんの座椅子」というもの。座面が20cm位高くなっているのでなんとか使えそうです。360度回転に肘掛付き。立ったり座ったりが楽そうだったのでこれに決めました。使い心地については後日詳細レポートにてご報告いたします。
もうひとつは、「杖」です。現在松葉杖一本での歩行練習をしていますが、今後それに慣れてくれば杖を使っての歩行になります。また将来、自力で歩けるようになっても、自分を守る意味で杖は常に携帯していたほうが良いらしい。杖を使っていると周囲の人がそれを見て気をつけてくれるからだそうです。病院から専用のカタログをお借りして検討してはいたのですが、どうも気に入ったものがない。なんか地味すぎて・・・。どれもお年寄りが使う感じなんですよね。とくちゃんはまだまだ青年?ですからもっとカラフルで機能的なものをと思った訳です。そしたら偶然にも、妻が今朝買って来てくれた私の愛読誌「ビーパル」というアウトドアの雑誌に、トレッキング用の杖が各種載っていたのです。主治医やリハビリの先生にそれを見てもらい相談したら、OKがでたので早速ネットで検索して通販で購入手続きを取りました。LEKI(レキ)というブランドの杖です。外国のメーカーなんですけども登山やトレッキング用品では一流らしい。地面からの衝撃を吸収するショック機構が内蔵されているし、杖としての用途以外にカメラの一脚としても使えるように工夫されているとのこと。たかが杖といってもハイテクなんですねぇ。現物を手にするのが楽しみです。

昨夜はどういうわけか病室内がとても暖かく感じて寝苦しかった。正味5時間位しか睡眠時間がとれませんでした。今晩はどうかな。寝不足の影響でぐっすり眠れるといいんだが・・・・。


2002年12月18日 水曜日
今朝の目覚めは気分爽快。ただリハビリの影響かどうか分からないが、ときどき何もしていなくても股関節付近に痛みがでる。虫歯の痛みに似ているような「ズキーン」という痛み。体の中でボールがはじけるような感じ。体重をかけたときの右足の甲の痛みは少なくなってきたが、そのかわり今度は足首が・・・。「このまま何だかんだと、いろんな痛みと付き合って生きていかなければならないのかなぁ。」とちょっと心配になる。

DVDで映画をみた。「スターリングラード」というやつ。第二次世界大戦下のドイツ対ソ連の激戦地スターリングラードを舞台に実在したソ連の狙撃兵「ヴァシリ・ザイツェフ」の運命を描いた作品です。これでもかというくらいの狙撃シーン。息が詰まるほどの敵の狙撃兵との攻防。見ごたえ十分でした。映画だと解っていてもおもわず目をそむけたく場面がてんこもり。主人公ヴァシリ役のジュード・ロウも良かったけど、敵であるドイツ軍将校役のエド・ハリスの方も渋くてかっこよかった。ラストはある意味ハッピーエンドなんだけれども、実写版「ゴルゴ13(サーティーン)」とも思えるシーンやプライベート・ライアン並みの戦闘シーン満載に圧倒されてしまい、私的にはそれがかすんでしまったような・・・。それにしてもやっぱり戦争というのはおっかないですな。(しみじみ)

松井秀喜のメジャーリーグへの移籍はどうやらニューヨークヤンキースで決まるみたいですね。平均年俸600万ドル(約7億2000万円)から800万ドル(約9億7000万円)で3〜4年の契約を交わす見通しだそうです。ふぇ〜!すごい年俸じゃんとびっくりしたのですが、実はヤンキースの選手の平均年俸は約490万ドル(約5億8800万円)なんですって。そしてメジャーリーグの今季の平均年俸は7.3%増の約230万ドル(約2億7600万円)で、史上初めて全30球団で100万ドル(約1億2000万円)を超えたそうです。さすが本場は違う!? 松井く〜ん、4番は無理としても(失礼)3番か5番をまかされるように頑張ってね!!


2002年12月19日 木曜日
通院、入退院で医大病院へ通っているときにいつもお世話になっていたタクシーのドライバー、Sさんがお見舞いに来てくださいました。お忙しいのに気を使ってもらってすみませんでした。以前よりはずっと状態が良くなった私を見て、驚くと同時に大変喜んで下さった。「お正月に飲んでね。」とお酒までいただいてしまいました。ありがとうございます。しかし、どうして私の病室にはいつも日本酒が集まるんだろう?(笑) この場所では飲むことのできないお酒を眺めながら、「ゴクリ」と喉を鳴らしています。あ〜ん、残酷な仕打ちだよねぇ・・・。あはははは。

今日で人工股関節の手術から丁度一ヶ月経過した。痛みはあちこち出るものの、熱は平熱、快眠、快食、快便。今のところ順調と言えるでしょう。このまま何事も無く、杖でスムーズに歩けるようになり早く退院したいです。リハビリでは本日も絶叫を出してしまいました。私がリハビリを受ける時間帯は、周りの患者さんも知っている人ばっかりなので、もう遠慮なく大きなうめき声を発しています。「ギャー・・・!! 痛てぇ!! まいった!! ギブアップ!! ホンとだってば!! 勘弁して下さい!!」とかね。この辛さを忘れないようにとビデオにでも録画しておこうかなとマジで考えています。(笑) いちばん痛みがすごいのが、うつぶせに寝て、右足を膝から折って曲げるやつです。リハビリの先生は「全然力入れてないですよ。」と言っているが、腿の筋肉というか、筋がつっぱって死ぬほど辛い。ちょっとオーバーか・・・。

今日も映画を見ました。タイトルは「メメント」。一言で言うと「難しかった。」でも私は事前にインターネットであらすじを読んでいたので、なんとかついていくことができましたけども。なにしろストーリーの展開が普通とは違う。物語が現在から過去へ進んで行くのです。うまく説明できないのですがそういう作りなんです。斬新なんでしょうけどね。最初に結果が分かっているので楽しめないかなぁと思ったのは間違いでした。なんでこうなったの?とだんだん過去に過去にとひきずりこまれるような感じ。主人公は10分間しか記憶が保てないという障害を持った男。妻を殺した犯人を追う。誰が敵で誰が味方なのかドキドキ。最後はしてやられた〜というどんでん返し。楽しめました。この映画を見るときは最初に予備知識を入れてから見ないと訳分からなくなる可能性ありです。

私は現在3人部屋の病室に入院しているのだが、今日、一人の方がめでたく退院された。もう一人の方も来週中には退院する予定とのこと。良くなって退院していく方を見ていると、自分も早く退院したくなるから不思議だ。これまでは、個室に入っていたのでそういう気持ちがあまりわかなかった。(早く退院したくないという意味ではない。) 個室は確かに他人に気を使う煩わしさがないし、プライバシーも保てるのだが、「病は気から」という意味では複数の人数で居る方が良いのかもしれない・・・。


2002年12月20日 金曜日
注文しておいた「杖」が今日届きました。さっそく使ってみましたが・・・、やっぱ怖い。地面からの衝撃を吸収するショック機構というのが内蔵されているのだが、慣れないせいか動きが不安定になってしまう。松葉杖は脇の下に挟みこむことで安定感がある。それと比べると・・・、まっ気長に練習していくしかないですな。

とくに変わったことがない一日でした。金曜日なのでお風呂に入った。天気が良かったので洗濯もした。お昼の食事にめずらしく「パン」が出た。(笑) 最近読書をしていなかったので決意を新たに読み始めたら睡魔が・・・。どうもイカン。

同室の患者さんのOさんは、肩の障害で入院しているのだが、糖尿病の気もあるということでリハビリとは別に「糖尿病教室」なるものにも通っている。食事療法とか運動療法とかを勉強しているらしい。彼のテーブルには「食事療法を成功させる方法」なるものが置いてあります。私も肥満体型なので他人事とは思えません。さっそく写させてもらいました。
   
   ★食事療法を成功させる★
 1.腹8分目
 2.食事は規則正しくとる
 3.うす味とし 食塩・砂糖を控える
 4.偏食をしない
 5.間食・アルコール類も総カロリーのうち
 6.野菜は十分にとる
 7.他人の食事話には耳をかさない


私にとっては5番が一番辛いかもしれません。間食はしませんが、アルコール類というのがね。(笑) 7番もね・・・おしゃべりな私としては・・・。
でも入院中、実際に糖尿病で足を切断した人や、失明した人を見ているので怖さは十分に分かっているつもりです。
この飽食の時代、強い意志を持ってしてもなかなか大変でしょうな。


2002年12月21日 土曜日
午後からは雨模様の一日。こういう日は傷と股関節が疼きます。痛くてしょうがないという訳ではないのだが、調子は今ひとつ。

今日から同室の人が外泊です。この広い病室にひとりぼっち・・・。とても淋しいです。(笑) しかし、テレビにイヤホンをつけないでもいいしぃ、音楽もでっかい音で聴けるしぃ、寝たいときに照明落とせるしぃ・・・と、久しぶりに個室の雰囲気を堪能しているとくちゃんでした。本当は私も外泊したかったのですが、今週してしまうと年末にできなくなるのでガマン、ガマン。外泊は月に2回まで、かつ2週連続の外泊はできないという基本ルールがあるのです。もちろん外泊は患者の希望だけではなく主治医の許可があってのことですけどね。

困ったもう書くことがない。
今日は病院がお休みの土曜日→売店が休み→新聞が買えない→タバコが切れた→やっぱり買えない→暇→天気悪い→屋上にも行けない→ストレス→イライラ→うぎゃ〜ー!!反省。(笑)

今夜から明日にかけては天気予報が雪。そのとおりにになるのかなぁ?


2002年12月22日 日曜日
あれれぇ〜?? 良い意味で期待は裏切られました。朝からすごい快晴。こりゃ絶好のお洗濯日和ですな。(笑) さっそくコインランドリーで・・・、といってもそんなに溜まってないんですけどね、ははは。『パジャマがわりのスエット上下、下着のノースリーブシャツ1枚、おパンツ1枚、ストッキング1足、タオル一枚。』これだけです。洗剤と100円がもったいないような気がしないでもないが、あまり溜めすぎると干したり取り込んだりの作業が大変なので、これぐらいで行うのが丁度良いのでありました。

天気が良いので昨日と比べると足の調子は悪くないのだが、今朝トイレに行って「大」をしたら・・・、「ズキッ!」 やば〜い! またおしりの調子が悪化してしまいました。ここ2〜3日ちょっと痛いかなという感じだったのだが、ここにきてとうとうダメになってしまいました。(;_;) 座っている時間が長いからしょうがないのかもしれませんが、自宅療養中は一日中座った生活でも大丈夫だったのになぁ・・・。困ったもんですな。さっそくお願いして薬を出していただいた。飲み薬と座薬。一晩寝て痛みがなくなるといいのだが。

お昼に妻が来た。私の好物であるネギトロの海苔巻を買って来てくれたので、久しぶりに充実したランチタイムとなりました。食後の (^。^)y-.。o○ をして病室に戻ってくると、なんと私のベッドで妻は爆睡中。疲れているのだろうとそっとしておいたが、いくら疲れているからといって入院患者のベッドを占領してしまうとは・・・。う〜ん、とくちゃんの妻、やっぱり恐るべし。巡回の看護師さんも笑っていたぞ!! (笑)
病院長と相談して特別にとくちゃんのベッドだけダブルにしてくれるそうです。(嘘) あははは。


2002年12月23日 月曜日 天皇誕生日 晴れ!
ふぅ・・・、おしりが痛いですぅぅぅ〜〜! 昨夜就寝前に座薬を「エイッ」と入れましたが、その効果はまだ表れていません。ベッドに座っているだけでもズキズキします。そんなもんですからトイレのときは死ぬ思いです。(笑) 自宅から以前使用していた「円座」を持ってきてもらいました。これに座っていると少し楽な感じがします。早く痛みがなくなって欲しい。

天皇誕生日で休日。一日中病室に閉じこもっていると頭がボーっとしてくるので、許可をもらい病院の周辺を散歩してきました。風は結構冷たかったですが、久しぶりに外の空気を吸ってすっかりリフレッシュ!! 松葉杖を使っての移動のため汗もタップリかきましたし、良い運動になりました。コンビニに寄って雑誌などを買い込み、約1時間の大冒険?は終了。正直疲れたぁ〜。松葉杖2本使ってこの調子だもんね、1本じゃ100mも歩けないかもしれない。先はまだまだ長そうだ。シュン(-_-;)

土曜日から外泊していた同部屋の患者さんが帰ってきました。(病院に帰ってきたというのは変か?) やっぱり自宅はいいそうです。そりゃそうだよねぇ。でも彼は今週中に退院予定。そうするとまた一人になってしまうのか?はたまた新しい人が入院してくるのか? あ〜ぁ俺も早く退院してぇぞ!!


2002年12月24日 火曜日
♪雨は夜更け過ぎにぃ〜、雪へと変わるだろ〜、おぅおぅおぅ、さぁいれんなぁい、うぉうぉうぉ、ほりぃない〜、きっと君は来ない〜、一人きりのクリスマスイブ・・・・♪
『サンタクロース様へ、とくちゃんはプレゼントは何もいりません。どうか一日でも早く自力で歩けるようにして下さい。お願いします。<(_ _)>』
病院で迎える2回目のクリスマスです。ちっとも楽しくありません。(笑) まぁ我が家はクリスマスをやらない家なので、今更どうということはないが・・・。ケーキはお付き合いがあるので‘仕方なく’購入してはいますが、ツリーなどは飾ったことがない。でもクリスマスの街の雰囲気は好きだ。お酒飲む口実にもなるしね。あはは。

今朝、血液検査があった。結果は先週よりまた少しだけ良くなっていました。あともうちょっとで許容範囲の数値に届くところまで来た。おしりを患っていたので、もしかしたら数値が悪くなるのではと心配していたのでホッとした。次回の検査は多分年明けになると思うが、ちょっと期待してしまう。うふふ。

年の瀬も押し迫ってきたせいもあるのでしょうが、最近強盗など物騒な事件が多いですね。インターネットでニュースを見ていたらこんな見出しが。「ついてない牛丼店、今年3回目の強盗・・・」 さ、三回目?! このマヌケ(失礼)なお店は千葉県の「すき家木更津店」。8月に約40万円の被害。10月に約80万円の被害。そして今日また強盗に押し入られ約110万円を奪われたとのこと。警察によると反抗手口が似ていることから同一犯の可能性もあるらしい。私は「店員に仲間がいるんじゃないの?」と思っちゃいます。まぁ一回入られればもう後はないだろうと油断してしまうのかもしれませんけどね。それにしても3回っていうのは・・・。なんとも太っ腹なお店だこと。(笑)


2002年12月25日 水曜日
今日は朝起きたら両足が痛い。‘ふくらはぎ’あたりが特に。原因はアレだな、一昨日の散歩。普段使い慣れない筋肉をたっぷり使ったのでその影響かと思われる。しかし、二日後に痛みが来るということは、私もやっぱり「おじさん」になってしまったのでしょうか。気持ちはまだまだ若いつもりなのだが、体は着実に衰えていっていると感じるのが悲しい。

クリスマスなので、やっぱり昼食には「ケーキ」が出ました。ところが、同室の患者さんの食事にはケーキが載っていない。その方は糖尿病でもあるので、そうなったもよう。とてもがっかりした顔をしたのでかわいそうだなぁ・・・と思ったのは間違いだった。ケーキは付いていなかったが、その方のメインのご飯はなんと「魚介類たっぷりのチラシ寿司」だったのです。なんだ、そっちの方がいいじゃん!! 俺もケーキなんかいらないからチラシ寿司食いてぇよ〜!! ははは。

夕食後は病室で「とても良く解るとくちゃんのパソコン教室」を開催しました。同室の方がパソコンで年賀状を作成したいのだが、やり方がよく解らないというので急遽決まったのです。もちろん受講料は無料。約1時間の講習で、ワードを使いこなせるように・・・・、なるわけないわなぁ・・・。(笑) でも「さわり」だけは理解していただいたかなということで。ちゃんちゃん。


2002年12月26日 木曜日
同室の方が今日退院しました。おめでとうございます。これで一人部屋かと思ったのはつかの間、また新しい方が入院されてきました。その方の顔を見てびっくり、私が入院した当初(約2年前)に同室になったことのある人でした。偶然とは恐ろしい。それとも赤い糸で結ばれているのか・・・。でもまぁ、知っている人なので気分的には楽ですけどね。

インターネットの出会い系サイトがらみの事件が増えて、特に青少年や若者に悪い影響を与えているというのが問題になっている昨今だが、熟年といわれる人にもじわじわ来ているらしい。昨夜愛知県で、62歳の男性が55歳の女性に刃物で刺され、搬送先の病院で死亡するという事件がおきた。この2人は今年4月、携帯電話の出会い系サイトで知り合い、10回以上会っていたが、最近男性が別れ話を始めたためトラブルになっていたとのこと。恋愛に年齢は関係ないのは分かっているが、「62歳でねぇ」というのが正直な気持ち。俺の親父と同じくらいの年じゃん。私の父親に携帯電話は絶対持たせないようにしようっと!(笑) もしかしたらこれからもこういう事件は増えていくのかもしれませんね。

夕方、会社の先輩だったKさんからメールをいただいた。Kさんは現在人工呼吸器を使って車椅子生活をしている。大変な病と闘っているのだ。私が事故で入院したときからずっと励ましてもらっている。パソコンを操作するのだってとても大変なはずなのに・・・。昔は仕事上のことでもたくさん助けていただいた。私もKさんのようにいつも前向きで、強くそしてとても優しい気持ちを持った人になりたい。
『Kさん、いつも応援ありがとうございます。Kさんの病と私の怪我とでは比べ物にはなりませんが、これからもお互いがんばりましょう!!』


2002年12月27日 金曜日
明日28日が土曜日のため、今日が仕事納めというところが多いことでしょう。私も今年最後のリハビリをたっぷりと行いました。年末年始は外泊の許可もいただきました。昨年と同様12月30日から1月3日までの4泊5日です。今晩を含めてあと三つ寝なくてはいけません。とても待ち遠しい。

昨日退院した方が「もし良かったら読んでね」と置いていってくれた本を読んだ。「文藝春秋」という月刊誌。雑誌名は知っていたが、これまで立ち読みすら一度もしたことがない本でした。どうせ硬いことしか書いてないんだろうとの先入観で読み始めたが、これが結構おもしろい。暇つぶしにはもってこいかも・・・。今月号の特集が『医療大特集!医者も病院も味方にする。』という内容で、今の私には「なるほどねぇ」と考えさせらるところも。実はあの田中角栄が政権を手放したというか手放すようになってしまったのは、この文藝春秋に掲載された記事が引き金を引いたらしい。そういう話もうなずけるようなすごい切り口の記事もたくさん載っている。今月号でいえば「メガバンク」の問題や「北朝鮮」問題など。ここまで言うか?みたいな内容もチラホラ。これからは買わないまでも、店頭で目次くらいは立ち読みしようかなと思った。

昨夜の寝相が悪かったのか一日中首が痛くてまいりました。今日は金曜日、入浴の日だったので、お湯の中でじっくり揉んでみましたが効果はありませんでした。おしりがやっと良くなったと思ったら今度は首か・・・。足だけでも辛いのに首も回らなくなってしまうなんて、なんて不幸なとくちゃん。(笑)


2002年12月28日 土曜日
土曜日といってもいつもの土曜日とは違う。年末の土曜日である。(どこが違うの?という質問はしないでね。) 病棟内もどことなくザワザワしている感じ。今日の午前中で病院の売店も店じまいらしいという噂を聞き込み、あわててタバコやドリンクなどを買いに行きました。

午後は恒例の体重測定。先週はちょっと増加していたので体重計に乗るのが憂鬱だったのだが、今日の結果はなんと、また1kgくらい減少していた。いったいどうなっているんだ俺の体重は。先週増えたと思ったら今週は先々週よりも少ないとは・・・。その答えは簡単。着用している服の違いだったのでありました。今日は薄めのパジャマを着ていたのでグッと少なくなったのです。やっぱり体重測定は『すっ裸』でやらんとあきまへんな。(笑)

昨日からの首の痛みは治まってきた。昨夜飲んだ痛み止めの薬が良かったのかもしれない。おしりも絶好調だし、気分はいい。以前も書いたことがあるが、入院生活ではこの「気分」というのがとても大事なのだ。気分が良いと多少の痛みはなんでもない。逆に気分がすぐれないと、痛みは倍増するのです。制限事項の多い入院生活でいかに気分良く過ごせるか・・・。上手に気分転換できる人とできない人では同じ病でも回復に大きな差があると思います。「えっ?私? そりゃもうとくちゃんは気分転換の達人ですよぉ!! あははは。」

昨日27日に東京都国立市が、情報保護措置が不十分として住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から離脱しました。やっぱり問題が多いんだろうなと思っていたら・・・、とうとう恐れていたことが実際に起きてしまいましたね。それも福島県で。岩代町の全町民約9600人分の個人情報が納められたコンピューターのバックアップ用テープが、業務を受託しているコンピューター関連会社の社有車内から盗まれていたことが28日までに分かったそうです。(実際に犯行が行われたのは26日) データには、住民基本台帳ネットワークに搭載する住所や氏名などの情報が含まれており、被害届を受けた福島署は窃盗事件として捜査を始めたとのこと。同町は「データは暗号化されており、容易に解読できない」と説明。県も「ネットワークに侵入して情報が盗まれた訳ではなく、住基ネットの信頼性が失われることはない」と話しているそうですが、「容易に解読できない」というのは「難しいかもしれないが解読できる」ということですよね。バックアップテープはジュラルミンケースに入れて車の後部座席に置いてあったそうです。現金めあての車上あらしの犯行だとは思うのですが、もしかしたらこのニュースを知った犯人が岩代町に何か要求をしてきたりしてね。
やっぱりあの矢祭町の選択は正しかったのかなぁ・・・。


2002年12月29日 日曜日
風がとても強い一日でした。リハビリがないので自主トレ代わりに病院内を散歩。階段の上り下りにも挑戦した。一段一段ゆっくり進みますが、さすがに下りはちょっと怖い感じ。でも恐る恐るではあるが介助者なしで階段の移動ができるようになったのは大きな進歩だと思います。自宅に戻ったら約2年ぶりに我が家の2階に上がってみたいな。知らない人が住んでいたらどうしましょう。(笑)

昨夜のNHKBS2で21:00から放送された『吉田拓郎デラックス』はとても良かった。ビデオに録画しておきたい番組でした。再放送やらないかなぁ・・・。でっかいコンサート会場ではなくスタジオライブっていうのが雰囲気最高。彼は確か今年56歳だったかな。円熟味を増したステージは最後まで感動しまくりでした。特に良かった曲ベスト3は「春だったね」、「外は白い雪の夜」、そして「人生を語らず」。自宅には拓郎の譜面もどっかにしまってあるはずなので、退院したら弾いてみようっと。彼の曲を演奏すると初心に帰る気がする。私が一番好きな長渕剛も彼の影響をたくさん受けてるんだよねぇ。長渕剛が石野真子と結婚するときの仲人が吉田拓郎だったしね。(拓郎も剛も今はそのときと奥さん変わってるけどね。あははは。)

明日からいよいよ自宅外泊です。今夜は嬉しくて眠れそうもありません。以前と比べると先が見えたというか、ぐんと良くなっての帰宅なのでなおさらです。よ〜し!帰ったら飲むぞぉぉぉぉ!!!


2002年12月30日 月曜日
いよいよ自宅へ外泊です。体調はばっちり。朝9:00に妻が車で迎えにきてくれた。自宅へ戻る途中、スーパーに寄ってお買い物。私も松葉杖で店内へ。うろちょろしていたらなんと会社の同僚の方に会った。「え〜! もうそんなに歩けるようになったの?」とびっくりされてしまいました。そりゃそうだ。以前お会いしたときは車椅子だったもんね。「復帰待ってますからね」と言われてとても嬉しかった。

自宅に到着してまずは・・・、やっぱりビールでしょう。(笑) うまい!! 今日だけは妻も固いことを言わないので、調子に乗って甘えることにしました。
それからお風呂。花王のバブを入れてしばし温泉気分に。炭酸ガスの威力で体はぽっかぽか。以前とは違いなんとかかんとか一人で入浴できるので存分に長湯を楽しみました。

夕方からは本腰を入れての飲酒タイム。(笑) 今晩飲んだお酒は「純米吟醸 大和蔵」。宮城県黒川郡大和町の大和蔵酒造のお酒です。以前お見舞いに来てくれた方から頂いたものです。さて飲もうかと栓を開けようとしたらビックリ。なんとワインと同じコルクになっているのでありました。そういえば瓶の形もワインに似ているような・・・。日本酒を飲むのにコルク抜きを使うのは初めてだぞ。味は濃厚という感じ。とくちゃんが大好きな白身のお刺身に相性ぴったりでした。720mlはあっというまに空っぽ。うまかったで〜す。

外泊初日、スーパーなどで長時間歩いたというか立っていたので、右足がちょっと痛いです。股関節ではなく足全体がだるい感じ。先日主治医の先生が、「これからが大変ですからね」とおっしゃっていたのが解かるような気がした。2年近く使っていない右足は赤ちゃんと同じなのだ。少しずつ慣らしていくしかないのでしょうな。


2002年12月31日 火曜日 今年もお世話になりました!
大晦日。いよいよ今年も終わりです。あっというまの1年でした。
今日は大変感激したことがありました。兵庫県にお住まいの方からメールをいただいたのです。私と同じように交通事故で大怪我をした方でした。ネットサーフィンでたまたま「とくちゃんねる」を見つけて下さったとのこと。見ず知らずの方からの応援メールがこんなにも嬉しいものとは思いませんでした。私もよくネットサーフィンでいろいろなページにおじゃまするんですけど、メールを送信したことはありませんでした。今回メールをいただいたことで、これからは私も勇気を出して感想やなんかを送ってみようかなと思いました。
件名:はじめまして

はじめまして。
当方兵庫県に住むHと申します。 
昨日、ネットサーフィン中にこの「とくちゃんねっと」を見付け数時間かけ日記を拝見し、大きな共感を覚えましたのでメールさせて頂きました。
といいますのも、私も今年の9月に原付を運転中横から車に追突され、全く起き上がれない状態となり、即、救急車で病院へ運ばれました。そして、診断していただいた結果「左股関節脱臼骨折」、他骨折多数となり、すぐさま入院させられました。
そうです、とくちゃんと同じ怪我なんです。 
そこから、僕の入院生活もはじまりました。
2ヶ月の寝たきり生活、手術、リハビリと、いままで想像もしなかった日々が続きました。
ただ僕の場合、臼蓋の骨折だけでいまのところ骨頭壊死は発症しておらず、なんとか12月の中旬に退院することが出来ました。しかし、主治医からはまだ骨頭壊死の可能性はあり向こう2〜3年位は定期的にMRI検査の必要があることも告げられました。また、「変形性股関節症」という合併症も発症する可能性があるそうです。
いろいろ先のことを考えると不安になりますが、とくちゃんみたいに僕より症状が重い方が、こうやって前向きに一生懸命がんばられているのを知って、もっとがんばらなきゃとも思いました。
まだまだ、普通の生活を送るのは困難な体ですが、1日も早い社会復帰を目指しリハビリをがんばろうと思います。
とくちゃんも、風邪などひかぬようがんばってください。 
これからも、応援させていただきます。 
(原文にはきちんと氏名が記入されていました。Hさんありがとうございました。)

中学生の息子は野球の仲間と「スパリゾートハワイアンズ」で年越しカウントダウンをするのだということで、15:00頃さっそうと出かけて行きました。せっかく自宅に私がいるのにぃ〜。俺と年越しをしてくれてもいいじゃんかぁ〜。君は父よりも友達をとるのかぁ〜!!もうお小遣いやらんぞぉ〜。(笑)

夕方、7ヶ月になった自慢の息子を連れて弟夫婦が来た。すげぇかわいくなった。子供ってこんなにかわいかったっけ?いいなぁ。叔父さんちの子供になりませんか?あははは。

只今17:30分。これからの予定は、お風呂入って→お酒飲んで→紅白歌合戦見て→年越しそば食べて→今年を反省して→寝る。(笑)
皆様今年1年「とくちゃんねる」をご覧頂きありがとうございました。毎日少しずつカウンターの数字が上がっていくのがとても励みになりました。おかげさまでようやく先が見えてきた感じがしています。来年は自分自身絶対良い年になるだろうと確信しています。この2年間を取り戻してお釣りが出るくらいの年にしたいと考えています。
皆様どうぞ良いお年を!! ありがとうございました。<(_ _)> 



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