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<ハナねえとクロいものページ>

 

病院へ行って来ました(11.06.22)クロ New!

    昨年の写真、すでにメタボだった

 先日、動物病院へ行って来ました。
 お腹に腫瘍のようなものができて、最近、立ち上がるのもすごくおっくうになっていたので、心配して、連れていってくれました。

 診断の結果は・・・。
 お腹の腫れは、脂肪の塊でした。立ち上がるとき、腰のすわりが悪くふらついていたのは、加齢と肥満が原因でした。
 30キロだった体重が36キロになっていました。年齢は不詳です。たぶん、ハナ姉と同じ10歳くらいじゃないかと、このごろは言われています。

 大型犬は10歳が一つの山だといわれているので、ここでダイエットして、この先まだ長く生きられるようがんばりたいと思います。

 ご主人いわく、スリムになったら北軽井沢のMさん宅に連れていってくれるそうです。Mさんの家にはラブラドールのクーちゃんがいます。
 クーちゃんはメル友だけど、まだ会ったことがありません。

 犬もニンゲンと同じで第一印象、見た目が大切。
 やっぱ、メタボよりスリムのほうがいいですよね。
 クーちゃんと会う日を楽しみにして、ダイエット、がんばろうと思います。

・ハナ姉から 「クロは、しあわせ太りのワンコです」
・クロから  「ハナ姉は、おやつ太りのワンコです」

 

 

家づくりのお手伝い(08.10.22)ハナ

  ご主人の動きを目で追うハナ

 夏ごろから、週2回、榛名山麓の家づくり現場へ行っています。
 お手伝い(のつもり)です。まだくぎを打つことはできませんけど、毎日、一生懸命、ご主人の仕事を見ています。大工をひとつでも覚えたら、足場に登って助手を務めたいと思っています。

 そのときは、これまで私が務めてきた番犬の役をクロに譲ってやるつもりです。クロもわが家に来て3年目。いつまでも無芸大食ではなく、お役に立たなくては。

 家ができたら、ここに引っ越してくるそうです。まわりに畑が広がっていて、その向こうに山や川があって、岩手生まれの私にはなんとなく懐かしい風景です。

 家が建ったら、つぎは工房をつくり、そこでまたロクロを回すそうです。ご主人のロクロ使いは、岩手のころから、私が一番間近で見てきました。もう何年になるかしら。
 来年、思い切って、弟子入りを頼んでみようかな。

 

 

ここはええとこやー(08.10.22)クロ

  クロは食べることと寝ることが大好き

 ハナねえと一緒に、現場に来ています。
 ここには柿ノ木が2本あって、放してもらうと、ダッシュ。木の下で、熟れて落ちた柿を食べまくっています。
 いちじくもあります。いちじくの実は落ちる前に鳥が食べてしまうので、熟れごろのものはご主人にとってもらいます。

 ハナねえと違って都会育ちなもんで、こういう自然の味、知りませんでした。腹いっぱい食べたあとは、夕方までひたすら昼寝。
 実りの秋。天気もいいし、ほんとに、ここはええとこやー。

 えー、なんですか。ハナねえが、わたしに番犬をやれってぇ?
 無理ですよ。そんなぁ。わたし、黒くて筋肉質なもんで、怖いというニンゲンがいるそうですけど、見た目と性格は正反対。ニンゲンにかまってもらうのが大好きで、だれにでもしっぽを振ってしまいます。

 番犬なんて、無理。
 ハナねえ。生涯現役で頼んますっ。

 

 

入院しました(07.09.09)ハナ

  6月のハナ

 動物病院でこの原稿を書いています。入院しました。
 昨日、開腹手術をしました。10日前から食べられなくなったんです。吐いて、吐いて。そのあとはもうまったく食べられなくなってしまって。
 ご主人の個展が始まるのと同時でした。ご主人は毎朝、個展会場の高崎へと出かけていきます。帰ってくるのは暗くなってから。
 「どうした、ハナ。朝ごはんを食べていないじゃないか」
 とご主人は心配してくれたのですが、忙しいこともあり、しばらくようすを見ることに。

 「今日も食べていないわよ」
 「個展が終わったら動物病院に連れていこう」
 ご主人夫妻は毎晩、私のことを心配してくれました。
 個展会場近くの高崎市内の動物病院で見てもらうという話もあったのですが、やはりかかりつけの病院でみてもらうことになりました。私の主治医は北軽井沢にいます。家からだと山越えの道を車で走って30分。高崎市内とは反対方向です。
 この動物病院を主治医と決めたのは6月に鼻を患ったとき。ほかの病院では治らなかった私の病気がきれいに治ったとき、ご主人も私も「これからはこの病院」と決めました。

 個展が終わった翌日、北軽井沢の動物病院を受診しました。台風の通過した日で前夜から土砂降りの雨。山越えの道は封鎖されたため、大回りして片道1時間半かけて北軽まで行きました。
 その日はレントゲンを撮り、注射を打ってようすを見ることになり、また1時間半かけて家に戻ってきました。
 ところが翌日になってもさっぱり食べることができません。それどころか午後にはまた吐いてしまいました。私のようすを間近で見ていたご主人が一言「行くぞ」。この日も山越えの道は封鎖されたままだったので、また1時間半かけて北軽の病院へ行きました。

 今度はバリウムを飲んで、レントゲンも何枚か撮りました。その結果わかったことは「腸がつまっている」。 その場で翌日の手術が決まり、入院することになりました。

 そして昨日、開腹手術をしました。主治医がご主人に電話で手術の報告をします。
 「腸でつまっていたものは・・・、トウモロコシの芯でした」
 えっ、トウモロコシの芯! 耳を疑いました。あー、恥ずかしい。開腹手術をしなければ死ぬかもしれないという状態だったのに、その原因がトウモロコシの芯だったとは。
 散歩で放してもらったときにこっそり拾い食いをしたヤツです。きっと。あー、あのとき口に入れるんじゃなかった。

 10日間食べ物がのどを通らなくて辛い思いをしてきたのに、拾い食いが原因だったとは!  明日、見舞いに来てくれるご主人夫妻にあわせる顔がありません。あー、恥ずかしい。
 (みなさん、クロにはぜったいに教えないでください)

 

 

マスターからの手紙(07.05.14)

 ハナ、クロ、元気ですか。
 来月で、クロが来て1年になります。ハナは7月で満6才になります。月日の経つのは早いものですね。
 今ではクロもすっかり馴れてわが家の一員となり、ハナはクロが来たおかげて(不満もあったようですが)甘えん坊を卒業してお姉さんになりました(おばさんだ、なんて失礼なことは言いません)。

 2年前にハナがこのページを立ち上げたこと、マスターは知っていました。
 このページの一番下にあるハナの写真は、保健所からもらってきて2週間後くらいの写真だと思います。表情がまだ硬いですね。ニンゲンに捕獲されたときのトラウマがまだ強く残っているようです。ハナが保健所の獣医に送った礼状、覚えています。よく書けましたね。好評でした。あのころのハナはほんとうにオチビでした。

 さて、群馬に来てからハナは少し太ったようです。自分でも体型を気にしているようですが(「ハナのぼやき」)、満6才といえば立派な中年、メタボに気をつけてください。
 肥満の原因は、運動不足(岩手の時は野山を自由に駆け回っていた)と食べ過ぎ。クロが来てから食事の量が増えたので一度ついた腹まわりの贅肉が落ちなくなってしまったようです。
 またダイエット、やりますか。
 でもハナだけを一食にするわけにはいかないし、とマスターは密かに悩んでいます。

 クロは大食漢で元気者。1年前、表情の乏しい毛づやの悪い犬だったのが嘘のようです。散歩に連れていくとよろよろしていたのが、今ではすっかりたくましくなりました。スイッチが入って飛び回りはじめると、しばらくは手がつけられないくらいのやんちゃです。毛づやはよく黒光りしていて、見た目だけはじつに立派。でもまだ2−3才。遊びたくてしようがない年頃です。
 クロには外見とのギャップを埋めるべく、今後の内面の成長に期待します(伸びしろはそうとうあるはず)。

 クロに一つだけ苦言があります。それは自分の落とし物は口にしないようにということ。わが家へ来る前から身につけていた癖のようですが、このような犬を飼うのははじめてだったのでびっくりしました。
 待遇に不満があるのか。 腹が減っているのか。それなら腹一杯食べさせてやろうか。
 ところが犬の飼育の本を読んだら、ラブラドールという犬種は名うての大食漢で肥満が大敵。食糞よりも(犬の食糞はよくあること)肥満のほうがはるかに害が大きいと書いてありました。
 それで午後になると野菜を与えてしばらく様子を見守ることにしたのです。
 完治するまでにはまだ時間がかかりそうです。子犬のころに覚えたトイレのしつけがなかなか変えられないようです(犬小屋の前でしかウンコができないなど)。
 クロ。思い切って自分を変えてみよう。ハナねえにならって朝夕の散歩の時にウンコをするようにしよう(それまでは我慢)。馴れればそのほうが快適だと思うよ。

 ハナは1週間ほど前から鼻を患うようになり、ちょっと心配しています。一度オロナインを塗ってやったのですが・・・。
  獣医につれていくことも検討していますが、ハナは極端な獣医嫌い(動物病院の建物前で回れ右、地を這って車に戻ろうとする)なので、もう少し見守ることにします。自然治癒能力を発揮して恢復に努めてください。

 さて5月中旬になりました。日中の陽射しは夏を思わせるほどです。
 ハナ、クロ。今年の夏はどこへキャンプに行こうか。湖、山、川。今から楽しみですね。
 昼寝が大好きなわが家のワンコたち、夏までによーく考えておいてください。

 天下太平のワンコたちへ /悩めるマスターより

 

 

白菜、大好きです(06.11.23)クロ

  白菜をむさぼり食う

 クロです。からす窯に来てから、野菜を食べるようになりました。野菜って、おいしいですね。以前はドッグフードなど加工食ばかりだったけど、ここに来てから新鮮な野菜の味をおぼえました(肉やお菓子はもらえないけど)。

 白菜がこんなにおいしいなんて、知りませんでした。ご主人は、クロも粗食になじんできたから野菜のおいしさがわかるようになったんだ、といってます。「粗食」ってなんですか。よくわからないけど、とにかく今は白菜が甘くておいしいです。毎日、午後になるともらってます。

 白菜を食べるようになってから、ウンコもたくさん出るようになりました。来年のお彼岸のころまでの分が用意されているそうで、とてもしあわせです。

 あと、ご主人には内緒だけど、郵便配達のNさんにいつもビスケットをもらってます。Nさん、ありがとうございます。ビスケットはちょっぴり、懐かしい都会の味がします。

 

クロです。よろしく(06.08.13)クロ

      

 6月から、からす窯の一員になった黒ラブ(黒色のラブラドール犬)のクロです。よろしく。大きくて、やんちゃですけど、まだ2歳。遊び盛りです。
 一度、川へ連れていってもらったら、もう、うれしくてうれしくて、初めてだったけど、思い切って飛び込んで、犬かきもしました。でもそのあと、ご主人の言うことを聞かなくなったので、ずーっと川はおあずけです。

 昔のことは忘れてしまったけど、ここに来る前は、町の中、家の中に住んでいたような気がします。突然、その家から追い出され、保健所というところに預けられました。保健所に2週間いて、いよいよそこも出なくちゃいけないというときに、今のご主人夫妻に引き取ってもらいました。 
 犬小屋を用意してもらったんだけど、家は山の中だし、外で寝るのははじめてだったのでとてもこわかったです。今でもさみしくなると、つい、ワンワンと吠えてしまいます。
 今朝も5時半頃から、ワンワン吠えて、ご主人に「うるさい」と一喝されてしまいました。

 性格は穏和。無芸大食。愛嬌がとりえ。見知らぬ人が近づいてきても、平身低頭、ひたすらしっぽを振ります。番犬はハナねえ(ハナ姉)にまかせて、私は営業スマイルに徹しています。これも世間にもまれて身につけた知恵。 
  番犬はハナねえ、クロいも(クロ妹)は招き犬をつとめております。

 来週は、キャンプに連れていってもらえるそうで、とても楽しみです。
 よろしく。

<ハナの一言>
 クロはほんとうにたくさんめしを食うんだなあ。食い過ぎだぞ。でも、クロが来てから、ご飯(ドッグフード)が少し良くなったのは「うれしい」けど。

 

東北・軽トラ・冬の旅(06.03.22)ハナ

  岩手・三陸・北山崎

 3月3日から3泊4日で東北に行って来ました。
 ご主人が、気仙沼に住む陶芸家の窯焚きを手伝うことになってたからです。出発するとき、私も軽トラの助手席に飛び乗って、連れていってもらいました。

 東北へ行くのは、こちらに越してきてから初めてです。岩手から群馬に移ってまる3年。
 気仙沼は、宮城県のいちばん北にあって隣は岩手県。岩手に住んでいたときに一度、連れていってもらったことがあります。ご主人はこの陶芸家Sさんの窯焚きを何度か手伝いました。窯はおおきな登り窯で岩手の職人がつくったとか、益子よりひとまわり大きいそうです。
 本当は2月28日の夜、出発するはずだったけど、急用があったため、3日になりました。

 家を出たのが午前11時。群馬県を西から東へ横断し、栃木県の佐野というところで東北自動車道に乗ったのが午後2時。そのあとはひたすら北をめざして走りました。
 軽トラの時速は90キロ。高速を1時間も走ったころ、ご主人の口から「だいじょうぶそうだな」という声がぽつりと漏れてきました。 
「ワン、ワンワワーン(えー、なにそれ)」。

 この軽トラ、昨年買い換えた格安の中古車で、あちこちに凹みあり。あとで聞いた話では、ご主人は内心、高速を走れるかどうか危ぶんでいたそうです。2月28日夜出発の当初の計画では、高速を使わないで、深夜に国道4号線をひた走り、翌朝
気仙沼に着くという予定でした。それが急用で日程が変わり、3日の朝になってようやく出かけられるめどがたったので、高速を走って北に向かうことにしたのです。
 ご主人を疑うことはなかったけど、そういえば、東北自動車道を走り始めたころは、いつもより強くハンドルを握りしめていたような気がします。もし事故を起こしていたら・・・。
 でも高速は信号がないし、ブレーキを踏むこともめったにないから、乗り心地は最高で、助手席でずーっとうたた寝をしていました。

 「ハナ、岩手だぞ」
 ご主人の声で目が覚めました。窓の外は真っ暗。車は一ノ関インター(岩手県)で高速を降りて、一路、気仙沼(宮城県)をめざして夜の国道を東へと走っていました。
 岩手は私の生まれ故郷です。少しだけ生い立ちを書いておくと、生まれは岩手県南部の廃屋。どこ
かはわかりません。親は野犬で私も野犬。廃屋の縁の下にいたところをニンゲンにつかまり、保健所送りとなりました。親とは生き別れ。生後1−2カ月のことです。
 そのあと、ご主人夫妻にもらわれ、ハナと名づけてもらい、岩手で2年過ごしたことは前にも書きました。

 その日、午後8時ごろ、気仙沼の大きな登り窯の前につきました。
 窯にはすでに火が入っています。その夜はSさんと交代してご主人が深夜まで窯を焚き、そのあとSさんが朝まで焚き、また交代してご主人が昼まで焚きました。窯の中にはおき(薪が炭になって赤く燃えているもの)がたまっていきます。ご主人によれば、このおきのあるなしが、薪の窯とほかの窯のいちばんの違いだそうです。
 翌日の昼過ぎから、いよいよ攻め焚き。Sさんとご主人が、タイミングを見計らって窯の横から同時に薪を投げ入れていきます。煙突からは煙がもうもうと立ち登り、ときどき風向きが変わると、こちらにも黒い煙が津波のように押し寄せてきます。私はけぶいもんだから、窯にお尻を向けて煙を避けていましたが、Sさんとご主人は、たちこめる煙や窯から吹き出す火にもひるむことなく薪を投げ入れていました。暗くなるころに攻め焚きが終了。窯のすき間を泥でふさぎ、用心のために窯のまわりに水をまいて、今回の窯焚きが終わりました。

 ご主人はこの日、民宿で一泊。私は軽トラの助手席で一泊。
 翌朝、気仙沼をあとにする前に港に寄りました。岸壁にずらーっと、おおきな漁船が並んでいます。そう、思い出しました。私がまだチビだったころ、一度この気仙沼の岸壁に連れてきてもらったことがあります。あのときはまだオチビで、どこへ行っても「この犬、めんこいなあ」って言われてましたっけ。
 ときどき「(体型が)変わっているけど、犬種はなに?」と聞く人がいて、そういうときはたいてい、ご主人は「秋田犬じゃないよ。岩手生まれの岩手犬」と答えていました。

 気仙沼を過ぎると岩手県陸前高田市。覚えてます。ここは山育ちの私が生まれてはじめて海を見たところ。いつも山の斜面を走っていたので、平らな砂浜にびっくりしました。陸前高田のつぎは大船渡、そして釜石、宮古と、三陸の町がつづきます。窓の外にはリアス式海岸の海が広がります。

 朝からずーっと走り続け、田野畑村というところで昼休み。陸中海岸国立公園の見どころの一つ、北山崎を見学しました。今回の旅で外を自由に走りまわることができたのはこのときだけです。北山崎は雪が積もっていて、観光客もほとんどいなかったので、断崖絶壁の海岸を思う存分駆けめぐりました。

 ご主人はそのあと訪問するところがあり、用を済ませたのが午後4時近く。三陸海岸の北の端、久慈から山越えの道で盛岡をめざしました。
 はじめのうち、「今晩は盛岡周辺で泊まろうか」と言っていたご主人でしたが、岩手は道がいいので、車がどんどん走ります。
 予定より早く、午後6時に盛岡市内に。
 盛岡の西方に小岩井農場があります。そのはずれに村営キャンプ場があり、4年前にそこではじめてキャンプをしました。今晩はあそこにテントを張るのかなあと思っていたら、「走るぞ」とご主人。車は休憩なしで国道4号線をひたすら南下。
 やがて、水沢(私が収容された保健所のあるところ)、一関といった懐かしい町を通り過ぎていきます。でも、私はずーっと車の中なので懐かしいというよりは退屈していて眠いだけ。ご主人が「水沢だぞ」と言ったときも一度顔を上げただけで、あとはずーっと眠っていました。
 車はそのあとも走り続け、仙台、そして福島。さすがにこのあたりになると、ご主人も眠くて目を開けていられなくなってきたようで、車を深夜の道の駅に止めて仮眠することに。
 
 ところが助手席には私がいるもんだから、狭い、狭い。なんでも一日、狭い運転席に座ったまま軽トラを運転していると、エコノミー症候群になって、足の血の巡りが悪くなってしまうとか。
 「ハナ、乗せるぞ」
 ご主人の足が、私の上にどさーっと乗ってきました。うざったいなあ、と思ったけど、がまんしました。ご主人を見ると、もうスースーと寝息を立てていました。

 2−3時間仮眠して寒さで目が覚めると、ご主人はまた車の運転をはじめました。
 群馬の家に戻ってきたのが午前10時頃。「あー、風呂に入りたい」といったまま、ご主人はこたつにもぐり込み、ぐーぐーと寝てしまいました。
 私は車の中でぐっすり眠っていたから、元気はつらつでした。

 今回の東北の旅。ふるさとの感傷に浸ることはなかったけど、野性の血がひとつ、目ざめてしまいました。それは「放浪癖」。
 もとが野犬ですから、ひもでつながれたりするのが好きではありません(群馬に来てからはつながれていますが)。ニンゲンのことばで言うと「拘束されるのが大嫌い」です。今でもご主人以外のニンゲンには従いません。
 ところが今回の旅。ほとんど軽トラに乗っているだけだったけど、なぜかとても気に入ってしまいました。一カ所に定住しているよりも、あちこち見て歩く、旅する、放浪するのが好きなんだということに気づいてしまいました。

 もし私に軽トラの運転ができたら。
 荷台にやきものを積んで、ご主人に代わって東から西へ、北から南へ、春夏秋冬、日本全国行商の旅にでたいと思っています。
 もしそんなことができたら。いつかどこかでみなさんに会うこともあるかもしれません。もし縁日の露店で、やきものを前にすわるを私を見かけたら、「フーテンのハナ」に声をかけてください。

 

夏休みのキャンプ(05.09.15)ハナ

 いつもよりちょっとワイルド(野反湖畔にて)

 更新が遅くなったけど、8月の夏休みにキャンプに行って来ました。
 場所は、群馬県と新潟県の境にある野反湖。昨年に続いて2回目です。野反湖は、家から車でゆっくり走って1時間半くらい。
 途中、六合村の道の駅で休んでいたら、大雨が降ってきて、雷もゴロゴロ、ドッカーン。野反湖のキャンプ場に着いたときも雨が降ってきて、いやーな予感がしたけど、そのあとは雨もやんで、無事テントを張ることができました。

 今年は、ドーム型のほか屋根だけのテントもあって、私はその下でキャンプしました。このテント、ほんとうは会津せと市の陶器市で使うつもりで、ホームセンターで買ったきたもの。でも、ご主人が腰を痛めて出店辞退になったので、ここで初お披露目です。
「立った、立った」と喜んでいたら、雨が降り出して、私はさっそくその下で雨宿り。 新品だったテントは、いきなり泥だらけ。
 ご主人は、このテントの下で湯を沸かしてコーヒーを飲みながら外を眺めて余裕の表情、と思ったら、なにやらぶつぶつひとり言。
「屋根テントがあるから雨が降ってもだいじょうぶ、今年は椅子にすわってご飯も食べられるし、ありがたいなあ、でも、雨の日にキャンプはしたくないなあ、いやだなあ」
 これでは、 なにが言いたいのかわかりません。
 私は、雨が降っても、雷が鳴っても、キャンプが大好きです。

 夜、天気が悪いので、私も雨の降り込まないドーム型のテントに入れてもらいました。
 狭いテントの中は、場所取り合戦。私も寝袋の間を転々としました。翌朝、ご主人は眠そうな目をこすりながら、私をにらんで一言。
「昨夜は、目の前にこだまスイカがごろごろしていて、眠れなかったぞ」
 テントの中では、腰を痛めていたご主人が一番でこぼこしたところで寝ることになってしまい、おまけに寝返りを打とうとすると、私がどてーっと寝ていたもんだから、すっかりご機嫌斜め。ちなみにご主人の言う「こだまスイカ」とは、私のお尻のことだそうです。

 朝御飯を食べたあとは湖を1週。3時間のハイキングコース。
 いつもの散歩のようにうれしくて飛び出していった私は、前半から飛ばしすぎて、後半は完全にバテ気味。朝の散歩が、まさか3時間にもなるとは思ってもいませんでした。
 くたびれた私は、帰りの車の中で眠りこけ、われを忘れて高いびき。不覚をとりました。

 雨が降ったり、寝場所を取り合ったりと、いろいろあったけど、今年も楽しいキャンプでした。

 

 

ハナのぼやき(05.06.15)ハナ

  ひさしぶりの沢歩きに得意満面

 群馬へ来てから、会う人ごとに「この犬、太っている」と言われます。私は、自分が太っているとは、ぜんぜん思わないんだけど。
 1ヶ月前、私が「太っている」と言われることを気にしたご主人が体重を計ってくれました。結果は、・・・太ってました。
 岩手にいたときは10キロくらいだったので、フィラリヤの薬も犬の体重が10キロ未満のもので済んだのですが、現在の体重では、どうさばをよんでも10キロに抑えることができません。
「薬の値段が高くなる」と頭を悩ましたご主人、思案の末に私のダイエットを決断。

 雨の日、低気圧に弱い私はいつもほどの食欲はありません。朝ごはんへの喰いつき方は今一つ。そんなようすを見てご主人が言いました。
「無理に喰わなくてもいいんだぞ。やめとくか」。
  その日から食事の回数が減らされ、2食だったのが1食になりました。
  最初のころは、もうおなかがすいて、おなかがすいて、昼ごろになると「ワン、ワン」と訴えていましたが、ご主人は知らん顔。聞き入れてもらえません。私をダイエットさせる決意はとても固いようです。

 減食になれてきた最近は、1日1食の甲斐あってか、少しスリムになってきました。ご主人も胴が細くなったと喜んでました。ところが今日、東京から来たNさんが私を見て一言。
「この犬、太ったなあ」。
 ショックです。私、今晩、みんなが寝静まったあと、東京みやげのお菓子を食い散らかしてやろうかな。

 

 

ようこそ、ハナのページへ(05.05.15)

 私の名前はハナ。生まれたのは2001年の夏です。たぶん7月上旬。それ以上のことはわかりません。生まれてまもなく、ニンゲンにつかまって保健所へ送られましたが、運良く一命をとりとめることができました。そのあと、今のご主人夫妻にもらわれ、ニンゲンといっしょに住むようになりました。
 ご主人との生活にも少し慣れたころ、保健所の先生に出したハナの手紙を読んでください。そのころの「気持ち」がつづられています。


ハナの手紙 (2001.10.11)

 獣医のI先生、お元気ですか。
 8月下旬から9月上旬までの2週間、保健所でお世話になった子犬です。どうも、ありがとうございました。
 9月11日に、山奥に住んでいるHさんに引き取られ、名前を「ハナ」とつけてもらいました。ご主人のHさん夫妻は関東地方からきた人で、山の中で有機農業と取り組んでいます。ほんとうは番犬になるようなたくましい犬がほしかったらしいんだけど、「この犬が来たのもなにかの縁だ。まっ、いいか」と、可愛がってくれます。
 私のことをいつも「ちっちゃいなあ」とこぼしていたご主人ですが、このごろは「大きくなった」とか「うーん、けっこう賢い犬だ」とほめてくれます。体重は1.3kgから3.1kgに増えました。
 でも、遊びたくてしようがないので、じゃれていてついご主人の足に噛みついてしまうと「コラー!」と叱られます。
 先日、ワクチンの注射を打ちに、60km離れたM市まで行ってきました。いつも静かな山の中に住んでいるので、車の騒音などでやかましい都会はとっても怖かったです。
 ご主人は「ハナの将来を考えると、もう少し社会性をつけてやらないと」と、むずしいことを言っていますが、私はまわりを自由に駆けまわることのできる今の環境が大好きです。
 町から帰って車から降りると、私は犬小屋のある土間まで一目散に駆けていきます。そんなうしろ姿を見て、ご主人は「ハナは内弁慶だなあ」と笑っていますが、なんと言われようと、私は今の家とご主人が大好きです。
 I先生、保健所のみなさん、どうもありがとうございました。

  2001年10月11日                      ハナ


ハナから

 2年前、ご主人といっしょに群馬に引っ越してきました。同じ山の中でも、岩手は一軒家だったけどここは8軒ほどの家が集まる集落。ほかにも犬を飼っている家が何軒かあって、朝晩には犬の遠吠えが谷にこだまします。家の前の道路は舗装されていて、岩手で住んでいたところに比べるととっても「都会」だけど、舗装道路は夏は熱くて冬は冷たいので、苦手です。

 このページは、ご主人にないしょで作ってみました。また、留守番を言いつけられたときなどにご主人のパソコンをこっそり開いて、近況を載せようと思います。楽しみにしていてください。

  2005年 5月

 

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