豊かな生態系に育まれた、樹齢数百年の自然なお茶
雲南省思芽及び西双版納地域にかけて、樹齢数百年の大葉種の喬木型茶樹が群生する一帯があります。かつてプーアール茶の産地として知られた六大茶山と呼ばれた易武、基諾なども、この一帯に含まれます。古い茶樹は樹齢800年にも及ぶことから、これらの地域で産する茶には「千年古茶」と呼ばれているものもあります。数百年前に植樹されたものなので、厳密な意味では野生ではありませんが、茶樹の生長する周囲には茶樹以外の樹木、草花が繁茂しており、茶樹そのものもあまり剪定されていないため、多くが2m以上に生長していて、栽培型茶園という言葉のイメージからはかけ離れた、原生林のような状態です。この茶樹には、施肥を全くしておらず、腐葉土や本来その土壌のもつ養分で生長しています。農薬も使われていません。それでも数百年茶樹が生き続けていること、そして季節季節に芽吹く新芽の味わいの力強さが、この茶樹そして茶樹を取り巻く生態系の健康をあらわしています。


千年古茶樹の茶葉のもつ芳醇な味わいが現れた青餅と紅茶
この千年古茶樹の茶葉を使って、様々なお茶が作られています。どんな発酵度合いであっても、千年古茶樹の茶葉が本来持っている芳醇な味わいが活きています。この二つのお茶を飲むことで、たとえば重発酵茶(紅茶)と不発酵茶(緑茶)の違いは、製法の違いに過ぎないことや、お茶を飲むことは、風味を楽しむことも然ることながら、お茶の樹の育った環境を身体に取り込むことだ、ということが改めて感じられると思います。我々は、その中から今回、青餅と紅茶をご紹介します。


独自の焙煎法により、時間の経過を待たずに美味しく飲めるようになった青餅と、多すぎる水分を飛ばし甘みと滋味を凝縮した紅茶
青餅は寝かさなければ美味しく飲めない、と言われてきました。私たちは、独自の焙煎によって、作りたてでも美味しく飲めるようにお茶を整えました。もちろん寝かせてもかまいませんが、今飲んで大変美味しいお茶に仕上がっています。
紅茶も産地で製茶された状態では、水分が多すぎて、味わいが水分に覆い隠されてしまったような状態になっていますが、私たちはこれを焙煎によって味わいを凝縮させました。どうぞ、他の青餅、紅茶と飲み比べてみてください。


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