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リノベーションについて考える
「改修して生まれ変わる」
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日本の建築は、世界に誇れる最高の美意識(自然との融合、宇宙的な視点で考えられた哲学、嘘のない素材主義)と、鍛え上げられた職人的技術で建てられていた。
例えば民家にしても、太い大黒柱が真ん中にどーんとあり、そこにその地方でとれた杉や、藁葺屋根や、純粋な素材の土壁で作られていた。
そしてその民家は五十年も百年もの間、風雪に耐え、その地に立ち続ける力を持っていた。
それは単に職人的技術が優れていたことだけではなく、日本人が自然を愛していて、その美しさを知っていたからできたことなのだ。
現在の日本は、新築物件に価値を見出し、20年から30年ごとに建物を取り壊しては建てかえるスクラップ&ビルド ということを繰り返してきた。
建物への愛着というものがなく、耐久性のない建物のため、簡単に取り壊されてしまう。新たに建てられた建物もまた同じ運命をたどるのだ。
リノベーションする第一条件は、まず初めの建築が構造的にも堅牢であり、しっかりとした美意識で建てられている、ということである。
新たな感性と技術をもってリノベーションされた建物は、さらに美しく蘇り、街を生き返らせ、そして地球をも生き返らせることになるであろう。
そのためには、優れた美意識を持っていた昔の偉大な日本人の感性を、もう一度蘇らせること、つまり私たち自身をリノベーションすることが最も重要なことであると思う。
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