日本人と動物との関係性における西洋化の影響
西洋化の功罪
1854年日米和親条約の締結をもって、200年を超えた鎖国政策が終了し、急速な西洋化の歴史が始まりました。後進国として国際社会にデビューした日本は、正に生き残りを掛けて国を挙げた西洋化を推し進めましたが、その過程で、日本の伝統的価値は、前近代的で劣っているものとして明治政府によって否定されるようになりました。これは、江戸幕府による仏教界と民衆への統制を徹底する政策(寺院諸法度、本末制度、寺請制度など)によって、日本人の仏教の教えに対する敬虔な思いが弱まっていたことと相まって、結果として宗教心と伝統的倫理観に乏しい国民性が形成されることに繋がったのではないかと考えられます。