弥生時代(紀元前10世紀〜3世紀)

 従来、弥生時代の開始年代は、多くの教科書などで紀元前3世紀とされていましが、土器に付着したススやコゲなどの放射性炭素年代測定による研究結果から、現在では、紀元前800年から紀元前900年代にまでさかのぼるということが通説になっているようです。日本における水稲耕作は、紀元前10世紀に九州北部に伝わり、300年〜400年かけて近畿地方南部まで、そして700年〜800年かけて南関東まで伝播したと考えられているそうです。

弥生土器


稲作中心の文化

 弥生時代には、稲作が社会の基盤として、あらゆるものの中心に位置付けられていました。銅鐸に付けられた絵柄の多くには、稲の豊穣に関連するモチーフとして、様々な動物が登場します。下の例では、シカ、トンボ、カマキリ、アメンボ、カエル、カメなどとともに、猟犬を使った猪猟の場面が描かれています。


銅鐸
(右はこの拡大写真)

トンボ
 
カマキリとアメンボ

カメ
 
猟犬を使った猪猟

新しい文化・風習

 弥生時代には、弥生土器や水稲農耕とともに、それまでになかった文化・風習が大陸から新たにもたらされました。そのなかには、豚、馬、牛、鶏、犬(縄文犬とは違い弥生時代に大陸から持ち込まれた犬)などの家畜があります。牛は主に農耕にともなう労役、馬はそれに加えて軍事的な用途に用いられたようですが、豚と犬については、発掘された骨の状態から判断して、食用にされていたと考えられています。また、鶏については、夜明けとともに鳴き声で時を告げる鳥として、神聖視されていたようで、この時代には食用ではなかったと考えられています。