血管型EDSは、大動脈解離の原因としては非常にまれです。マルファン症候群や家族性大動脈瘤を含む他の多くの条件の方が、より一般的です。動脈瘤と動脈解離の最も一般的な素因は、高血圧症およびアテローム性動脈硬化症です。 回答者: Peter Byers医学博士、Melanie Pepin理学修士、認定遺伝カウンセラー。
The Ehlers-Danlos National Foundation
あなたの必要な答えを得るための話題や質問にアクセスするには、以下の検索やハイパーリンクを使用してください。あなたの知りたい質問が見つからないか、他に質問がある場合は、私たちのInspire Message Boardsに質問を送って調べてください。EDNFは、定期的にここのFAQに追加する推奨される最高の話題を引っ張ってきます。
血管型EDSは、大動脈解離の原因としては非常にまれです。マルファン症候群や家族性大動脈瘤を含む他の多くの条件の方が、より一般的です。動脈瘤と動脈解離の最も一般的な素因は、高血圧症およびアテローム性動脈硬化症です。 回答者: Peter Byers医学博士、Melanie Pepin理学修士、認定遺伝カウンセラー。
小児期において、多くの血管型EDS患者は、まず、血液凝固障害を有していると考えられます。出血性疾患は、血管壁、血小板および凝固因子の欠陥から起こることがあります。ヴォン・ヴィレブランド病、凝固因子欠乏症、さらには血友病と診断されたことがある血管型EDS患者がいます。多くの研究機関での研究は、多くの患者が輸血および静脈栄養摂取を必要とするにもかかわらず、出血や凝固時間は正常であることを明らかにしました。最近の研究は、出血傾向の増大は、おそらく血管および血管周囲組織のコラーゲン構造の欠陥に起因することを示しています。毛細血管の脆弱性と静脈瘤が発生することもあります。出血傾向の一因となり得る血小板を誘引する、EDS患者における異常なコラーゲンの能力の減少も、またあります。 [M.Karaca医学博士 他。 「EDSにおける異常血小板コラーゲンの反応。」 European Journal of Haemotology 1972年:9号:ページ465–469。 John R.Wesley医学博士・TA。 「2人のEDS患者における複数の外科的問題。」 Surgery 1980年:87号:(3章):ページ319–324。]
組織の脆弱性と過伸展による、消化器系の構造上の異常が、EDSではよく起こります。裂孔ヘルニア、胃憩室、十二指腸憩室、結腸憩室が起こることがあります。実証されているその他の特徴には、内臓下垂症(腹腔内臓器の突出)、蠕動運動の低下、胃排出遅延、胃弛緩症(胃の収縮性の欠如)、周期性の腹痛、胃食道逆流症(GERD)、巨大食道症(犬・猫の病気)、過敏性腸症候群、便秘、下痢、巨大結腸、出血、破裂や穿孔があります。
供給元: Jeffrey A.Solomon医学博士、他。 「EDSの胃腸の症状。」 The American Journal of GASTROENTEROLOGY:1996年11月:91号(11章):ページ2282–2288。 論文はこちらから見ることができます http://bit.ly/UzmCCX。
Poken-Harris、他、 「EDSにおける非外科的合併症の罹患率。」。
これは、個人と、どんな欠陥のある結合組織(コラーゲン)かの症状に基づいています。EDS患者が口から肛門までの症状を持ち、そのうちのいくつかは良性であり、他のいくつかは致死的となります。 鑑別診断は、とにかく幅広く行われるべきであり、治療はEDSの既知の合併症だけでなく、それらを明らかにする特定の患者の傾向も、また考慮に入れなければいけません。
組織の脆弱性と過伸展による、消化器系の構造上の異常が、EDSではよく起こります。裂孔ヘルニア、胃憩室、十二指腸憩室、結腸憩室が起こることがあります。実証されているその他の特徴には、内臓下垂症(腹腔内臓器の突出)、蠕動運動の低下、胃排出遅延、胃弛緩症(胃の収縮性の欠如)、周期性の腹痛、胃食道逆流症(GERD)、巨大食道症(犬・猫の病気)、過敏性腸症候群、便秘、下痢、巨大結腸、出血、破裂や穿孔があります。
Jeffrey A.Solomon医学博士、 他。 「EDSの胃腸の症状。」 The American Journal of GASTROENTEROLOGY:1996年11月:91号(11章):ページ2282–2288。 論文はこちらから見ることができます http://bit.ly/UzmCCX。
古典型EDS患者の妊娠は、新生児と同様に妊婦もリスクを負います。早期破水(胎児に影響がある場合)と早産が一般的です。古典型EDSの厳しい型(重症型)では、約50%が早産を起こします。一方、穏やかな型(軽症型)では、通常の妊婦ほど、より頻繁に早産は起こしません。赤ちゃんが影響を受けていれば、逆子になりやすいし、筋肉の緊張低下の原因となり、新生児の股関節や肩の脱臼につながる可能性があります。影響を受けた女性は、会陰切開術での切開部の拡張、鉗子による会陰部の皮膚の裂傷、子宮破裂、膀胱破裂が、出産後に発生する可能性があります。全体として、これらの合併症は、通常の集団よりもより頻繁に起こります。しかしながら、良い研究は存在しないので、罹患した患者の個々の合併症の発生率を定量することは困難です。
臨床医(学者)と医師(内科医)はこのことを考慮する必要があります。型通りの非侵襲的な循環器の評価は、弁膜性心疾患と大動脈基部の拡張または冠状動脈を含む他の血管の拡張の可能性を排除する為に全てのEDS患者で行われることをお勧めします。 [Carlo DI MARIO医学博士、他。 1998年 Japanese Heart Journal 29号:(4章):ページ491–496。]
血管型EDS患者の場合、異常なほど低い内膜/中膜の厚さは、対照被験者の部位(部位が弾性動脈ならば、動脈解離や動脈破裂のリスクが増加します)よりも高い壁応力を発生させます。 [Pierre Boutouyrie医学博士・学術博士、他。 「血管型EDSの頸動脈の応力の増大。」 Circulation 2004年3月30日:109号:12章:ページ1530–1535。]
大動脈や橈骨動脈ではなく、頸動脈は、自然子宮動脈解離患者で異常な弾性特性を示しました。頸動脈壁の組織のより高い剛性及び円周壁応力は、これらの患者における解離のリスクを高める可能性があります。 [David Calvet医学博士、他。 Stroke 2004年7月8日:35号:ページ2078-2082。]
ビタミン、ハーブ、栄養補助食品が、栄養学的にEDS患者にどのような効果を与えるかについてを参照する研究は行われていません。 しかし、多くのEDS患者が、ビタミン(特にビタミンC)、亜鉛、マグネシウム、グルコサミン、コンドロイチン等の、特定の食事療法からある程度の恩恵を受けてきています。これは個人の自由です。何でも新しい治療法やサプリメントを始める前に、必ずこれらのサプリメントの効果に関して、あなたの主治医からの相談や助言を求めるべきです。注意すべき相互作用があるかもしれません。
筋肉の痙攣と片頭痛による細胞内赤血球マグネシウム(RBC Mg)が、Mg欠損患者に多く認められました。低カリウムは、筋力低下、さらには麻痺を引き起こす可能性があります。
供給元:[Coghlan HC、Natello G.、「主僧帽弁逸脱の徴候を呈する患者における赤血球マグネシウム:僧帽弁(二尖弁)の厚さ、関節の過可動性と自律神経系に関連した調節といった症状との関係性。」 Magnesium and trace elements Journal。 (1991–1992):10号(2-4章):ページ205–214。]
β遮断薬は、心拍数を遅くし、心臓からの吐出速度(剪断力)を減速させ、血圧を低下させるために使用されます。これらは、大動脈解離を発症した人の血圧を低下させるために日常的に使用されています。今のところ、一部の医師は、大動脈および他の動脈異常のリスクを軽減する試みとして、血管型EDSの患者に、それらを使用しています。それが合理的または効果的のいずれであるかは、私たちには分かりません。与えられた利用できる患者数が比較的少ないので、臨床試験を行うには難しすぎるのかもしれません。データ収集を調整するために努力することが必要とされます。
セリプロロールは、研究段階でいくつかの問題があったものの、60%の削減にもなる(おそらくトランスフォーム増殖因子βの経路を強化することにより)と仮定され、予備調査で有意に動脈解離や破裂を減少させた、β遮断薬です。セリプロロールは、まだ米国では使用できません。詳細については、「Hope for VEDS Treatment?」の2011年春号の「Loose Connections」の記事、16ページから読んでください。EDNFから無料で利用可能です。
Kim-Thanh Ong医学博士、他。: 「血管型エーラス・ダンロス症候群における心血管イベントの予防に関するセリプロロールの効果: 前向き無作為オープン結果遮蔽試験(PROBE試験)。」 The Lancet 376号:№9751:ページ1476–1484、 2010年10月30日。
Benjamin S.Brooke: 「血管型エーラス・ダンロス症候群の為のセリプロロール治療。」 The Lancet 376号:№9751:ページ1443-1444、 2010年10月30日。
EDNFの「血管型臨床リファレンスマニュアル」は自由に見ることができます。
はい、影響があります。血管型EDS患者は、ブラ(気腫性膿疱)という小さな気泡が肺組織の中に存在する傾向にあります。そして、空気がこれらの気泡、ブラから肺の周囲の胸腔に漏れて、肺が虚脱した状態になり、自然気胸を起こします。 回答者:Peter Byers医学博士、Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
一部の関節弛緩の患者では加齢により症状が悪化するかもしれません。他のタイプの患者では、そのようなことはありません。合併症のリスクは、血管型EDS(IV型)患者の場合、加齢によって増加します。私たちは、他の疾患の経過記録については、加齢による症状の悪化を、少し確信しています。 回答者: Peter Byers医学博士。
心臓奇形(心臓の構造に異常があるもの)は、古典型では珍しいです。僧帽弁逸脱と、それほど頻繁にではないのですが、三尖弁逸脱が発生する可能性があり、心臓超音波検査(心エコー)、CT、MRIで診断することができます。厳格な基準が、僧帽弁逸脱の診断に使用されるべきです。大動脈の自然破裂は、頭蓋内動脈瘤や動静脈瘻と一緒に、稀な古典型EDS重症型の患者に発生することがあります。臨床医は、現在の臨床基準によってEDSと診断された患者における大動脈基部拡張(ARD)の存在、展開および進展の評価を検討する必要があります。 [Richard J.Wenstrup、 他。 Genetics in Medicine 2002年:4号:(3章):ページ112–117。]
私は、EDSの他の型における「血管の問題」の絶対リスクの増加を認識していません。古典型EDSと関節可動亢進型EDSの患者で評価されているうちの一つ、「血管に関する心配事」は、大動脈直径の問題です。通常の大動脈の直径よりも大きい少数の古典型EDS患者を確認して、シンシナティと国立衛生研究所(NIH)の研究者は、EDS患者71人の大動脈を評価し、20人の患者で大動脈基部拡張(ARD)を発見しました(古典型EDSで42人中14人、関節可動亢進型EDSで29人中6人)。 誰でも、標準偏差が2より大きく、平均値(95パーセンタイル)を越えた(上位5%の人たち)大動脈直径の患者は「大動脈基部拡張症」として記録しました。現在、唯一、超音波診断の評価が各患者に行われています。EDS患者で大動脈の大きさが時間とともに変化する可能性があるのかどうか、またどのように変化するのか、私たちには分かりません。長期的な研究が、この質問に答えるために必要です。 [Richard J.Wenstrup、 他。 「エーラス・ダンロス症候群の大動脈基部拡張症の罹患率。」 Genetics in Medicine 2002年:4号:(3章):ページ112–117。] 回答者: Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
これは答えにくい質問です。考えられる最大の問題は、「何かが発見された場合、それは、修復するつもりか、または修復しなければならないことを意味するのか?」です。 血管型EDS患者の血管の虚弱性を考えると、これに対する答えは、「分からない。」です。それは、あなたに突然の血管病変が起きた場合、血管病変の原因である可能性が最も高い場所を予測するのに、役立つでしょうか?繰り返しになりますが、破裂が既知の動脈瘤の部位で起こるのか、他の部位で起こるのか、それは現在のところ知られていません。これらは、血管型EDS患者の詳細な研究により回答される必要のある質問です。 回答者: Peter Byers医学博士、Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
血管型EDS(vEDS)で発生する「血管イベント」には、動脈解離、動脈破裂、動脈瘤、臓器破裂が含まれます。これらが発生すると、その結果は、梗塞(血液供給の停止)、体腔・内臓への出血、閉塞となります。これらのイベントに加えて、vEDS患者は、しばしば、常にではないのですが、簡単にあざのできる終生の病歴を持っています。これらの血管の問題のいずれかまたはすべては、vEDSでない「正常な」個体においても起こり得ます。正常な人たちにはこれらの症状が、vEDS患者に比べて少ない程度、しばしばはるかに少ないくらい、より遅い年齢で起こり得ます。医師にとっての課題は、患者が説明または経験する「血管イベント」は正常な老化と生活の結果なのか、または基礎となるコラーゲンの障害の結果であるかどうかを整理することです。EDSの他の型の患者たちで血管イベントを考慮した場合、同じ問題があてはまります。関節可動亢進型EDS患者で血管イベントが発生した場合、医師は、これは偶然の一致なのか、または関連があるかどうかを検討する必要があります。EDSの他の型の患者のリスクが(一般集団と比較して)増加しているのか判断することができる調査研究は、行われていません。 回答者: Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
あざは一般的にできやすいですが、血管の破裂、解離、その他は、EDSの他の型では普通では起こりません。 回答者: Peter Byers医学博士。
エーラス・ダンロス症候群(EDS)は、6つの主要な型(古典型(Ⅰ型とⅡ型)、関節可動亢進型(Ⅲ型)、血管型またはvEDS(Ⅳ型)、後側弯型(Ⅵ型)、多発性関節弛緩型(ⅦA型とⅦB型)、および皮膚弛緩型(ⅦC型))に分類されている様々な症状を持つ遺伝性の結合組織の病気です。EDSは、特にCOL5A遺伝子とCOL3A遺伝子の変異(関節の過可動性の原因となる)による、コラーゲンの形成の欠陥が原因で発生します。EDSは、20世紀の変わり目に、それを発見した2人の内科医、エドヴァルド・エーラース(デンマーク)とアンリ-アレクサンドル・ダンロス(フランス)にちなんでその病名がつけられています。
EDSの型は、重症度で段階的に分けるのではなく、家族において「確実に遺伝する」別の病気と表現されます。異なる型は、それぞれの徴候や症状によって分類されています。EDSのすべての形態の基本的な特徴は、分子レベルでの遺伝的変化による異常と、コラーゲン自体の結合組織の欠陥(弱体化)です。
コラーゲンとは、体を保持し、結合組織を強固にし弾力性を与えて、体内で「接着剤」として機能するタンパク質です。 EDSのそれぞれの型には、異なるコラーゲンの異常があります。しかし、それぞれの型は全て、特定の症状の度合いを変化させることで、症状を共有しています。 この欠陥のあるコラーゲンは、皮膚、靭帯、腱、骨、筋膜や目に構造的な変化を引き起こします。EDSのいくつかの型は、胃腸管、食道、循環器系、子宮、膀胱、血管および動脈の、中腔器官の壁の弱さを特徴とします。EDSの特定の型を診断することは、症状が、多くの場合、重複しているため、簡単ではないかもしれません。この複雑な疾患とその多様な症状を根本的に理解するには、主要な生命を脅かす合併症を予防することが、不可欠です。
アスピリンを含めて、多くの薬は医師の承認を得て服用することができます。高血圧症を誘発する薬を服用するのは良い考えではありません。アスピリンは解離により血管(特に脳に血液を供給する血管)が狭窄を起こした際に、血流を維持するために使われます。だから薬を使えないということではなく、常に適切な注意を要する問題だということです。 回答者: Peter Byers医学博士、Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
不注意で血圧が上がることに注意するとともに、患者/医師は、特定の種類の薬物の、EDS患者、特に血管型EDS患者に与える影響に留意する必要があります。血管型EDS患者が、未診断の動脈瘤を有している可能性があるからです。
「店頭で販売されている」充血緩和剤を含む薬は、あなたの血圧を上昇させるかもしれません。これらは、寒気/副鼻腔炎/咳に備えて使用されています。純粋な「抗ヒスタミン薬」が無いのは、処方薬を準備することと同じように、一般的に安全です。高血圧のコントロールは、動脈瘤の予防に役立ちます。アテローム性動脈硬化症に関連付けられている全ての危険因子(食事、運動、コレステロールのコントロール)のコントロールは、動脈瘤や合併症を防ぐのに役立つことがあります。 [Medline Plus Medical Encyclopedia entry on Aneurysm]。
この疾患は、常染色体優性遺伝の様式で受け継ぎます。これは、たった1つの変更された遺伝子のコピーが疾患を引き起こすために必要であることを意味します。全症例の約半数は、この疾患に罹患している親から受け継ぎます。残りの半分は、この疾患の家族歴を持たない人々に起こります。これらの散発的な例は、COL3A1遺伝子の、ある1つのコピーの新たな変異によって引き起こされます。COL3A1変異による親の体細胞モザイク現象は、いくつかの家系で、2つの遺伝子が影響を受けた子供が、影響を受けていない両親の元に生まれていることが記録されていることに注意することが重要です。 [Kontusarri、他。 1992年]
「しかし、「私たちはタンパク質の変化した移動性を見ていないにもかかわらず、遺伝子の突然変異の可能性を除外することはできません。」といった記述がありました。」
私たちの結果通知書の中のこの記述は、古典型EDS(Ⅰ型/Ⅱ型)患者のⅤ型コラーゲンの変化のテストに触れています。EDSⅠ型/Ⅱ型の患者は、EDS関節可動亢進型(Ⅲ型)、EDS後側弯型(Ⅵ型)およびEDSⅧ型等のいくつかの型の患者がそうであるように、しばしば、簡単にあざができます。私たちは、EDSⅦ型の患者にはわずかな確信しか持っていません。 OI(骨形成不全症)/EDS(エーラス・ダンロス症候群)の症状が重複した一部の患者は、骨の脆弱性に加えて、関節過可動性の症状があり、簡単にあざができます。血管型EDS(Ⅳ型)のテストに関しては2つの問題があります。第一に、私たちは全ての患者の病状をきちんと確認してテストをしているのか?第二に、同じ表現型または、同じグループ内にあると考えられる血管型EDS(Ⅳ型)に十分に類似した表現型を生じさせる、他の遺伝子による突然変異があるかどうか?私たちは第一の質問の答えを知りません。私たちは、特定の場所に集中して起こる動脈瘤を含む、多くの血管の異常がある、私たちがまだ確認していないⅢ型コラーゲン遺伝子の異常がある、一部の患者がいることを、知っています。私たちは、これらの一部の患者は、「家族性動脈瘤」のような疾患を持っているかもしれないし、確認されていないながらも、これらの臨床症状を生じさせる可能性があると「突き止められた」いくつかの遺伝子があることを、知っています。時々、臨床医が血管型EDS(Ⅳ型)と思っている患者(私たちは異常を見つけられない)がいます。しかし、これらの多くは、この疾患の多くの臨床経験を持たない為、彼らの判断を評価するべき医師によるものです。私たちは、予想より少ない頻度でCOL3A1遺伝子の変異の特定の等級があることを知っています。これらの変異を持つ患者が血管型EDS(Ⅳ型)の臨床症状を持っているのか、何か他のものを持っているのか、私たちには分かりません。私たちのテストは、これらの患者を見逃すことがあるでしょうか?この時点で、私たちはそうは思いません、その代わりに、私たちは、彼らが他の、おそらく関連した、臨床症状を持っていると思います。私たちが思う、私たちが多くの患者の異常を見つける根拠は、タンパク質レベルの検査に限りませんが、もし何か疑問がある場合は、私たちは遺伝子レベルでも検査をします。 回答者: Peter Byers医学博士。
この記述、「私たちはタンパク質の変化した移動性を見ていないにもかかわらず、遺伝子の突然変異の可能性を除外することはできません。」は、私たちの「通常」の結果通知書から引用されます。私たちは、タンパク質(Ⅲ型コラーゲン)を調査することにより、血管型EDS(Ⅳ型)の診断テストを行うため、遺伝子変異が、異常なタンパク質に「翻訳」されない(これはⅢ型コラーゲンの量を減らすことはないし、分子量を変化させない等、ということを意味します)場合、私たちが検出していないCOL3A1遺伝子変異を持つ患者が存在することが可能となります。通常のコラーゲンの検査・研究を受けた患者の臨床歴の再調査から、私たちは、コラーゲンの検査を行うことによってそれを見逃すことは僅か(2~3%)ですが、誰かが血管型EDS(Ⅳ型)に罹患している、可能性を考えます。臨床歴が血管型EDSの診断と一致している事例では、私たちは時々、追加のCOL3A1遺伝子の研究を行います。さらなる研究を行うかどうかの決定は、患者の臨床歴の再調査の後、研究機関の責任者(Peter Byers)と患者の主治医によって決定されます。 回答者: Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
血管型エーラス・ダンロス症候群(vEDS)で発生する「血管の異常」には、動脈解離、動脈破裂、動脈瘤や臓器破裂が含まれています。これらが発生すると、その結果は、体腔での出血、内臓内での出血、血管の梗塞など不完全な状態(血液の供給が絶たれます)となります。これらの血管の異常に加えて、vEDS患者は、しばしば、常にではないのですが、簡単にあざができるといった、終生の病歴があります。これらの血管の問題のいずれかまたはすべては、vEDS患者ではない、「健常者」にも起こり得ます。血管の異常が発生するとき、血管の異常は、しばしば、vEDS患者よりも遅い年齢で発生する可能性があり、その程度は軽い、またはとても軽いです。内科医にとっての課題は、患者が説明する、または体験した「血管の異常」が、通常の加齢や生活によるものか、基本的なコラーゲン疾患によるものか、どうかを整理することです。EDSの他の型の患者たちの血管の異常を考えるときに、同じ問題が生じます。関節可動亢進型EDSの患者が血管の異常を発症した場合、内科医は、これは偶然の一致によるものか、または関連があるのかどうかを検討する必要があります。EDSの他の型の患者が血管の異常を発症するリスクが高いかどうかを判断するために行うことができる調査研究(健常者と比較する)は、まだ行われていません。回答者: Melanie Pepin理学修士、認定遺伝カウンセラー。
あざは一般的な症状です。血管の破裂、解離、その他の症状はEDSの他の型ではありません。回答者: Peter Byers医学博士。
コラーゲンの検査・研究は、血管型エーラス・ダンロス症候群の患者由来の細胞で典型的に見られるタンパク質(この場合は、コラーゲン)異常を識別する手段として行われています。研究患者由来の細胞におけるⅢ型コラーゲンが、コントロール(正常)試料のコラーゲンパターンと同一であれば、結果は「異常は検出されませんでした。」と報告されます。 この否定的な結果は、しばしば、コラーゲン検査・研究で検出、または臨床診断で確認できないときに、まれにこういうことがあるという事実を含め、結果通知書に詳細に記載されています。コラーゲンスクリーニングテストの感度は、ほぼ98%に近く100%ではありません。医師が、まだ患者が血管型EDSに罹患していることを疑う場合は、追加のDNAベースのテストを、ケースバイケースで考えていいかもしれません。 回答者: Melanie Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー。
EDSにも罹患している多くのキアリ患者がいます。さらなる注意が、EDSの診断を十分なものとするために必要とされています。キアリは、一般的に2つの方法(薬物管理および/または外科手術)のいずれかで治療されます。EDSでは、外科的治療計画は、結合組織の保護、くも膜瘢痕または癒着の対処、頭蓋-頚部の不安定性の防止の為に変更される必要があります。外科手術はとても特殊なものです。これらは、脆弱な組織を保護し、出血を防止または最小限に抑えるように、計画されています。そして、術後に裂開になるのを防止または固定することに重点が置かれています。いろいろな治療や手術を受ける前に、キアリの専門家を探して相談してください。窒息、呼吸の問題、失神発作等の警告を促す3つの症状のいずれかを持っていない限り、一般的に緊急事態ではありません。これらの徴候は、より深刻で脳幹に関与しているので、患者の為にも治療法を探すのが遅れないようにしてください。供給元: (Blair Grubb (2002) - Peter C.Rowe 他 (1999))
結合組織の遺伝性疾患は、キアリⅠ型奇形、後頭関節・環軸関節の過可動や機能性頭蓋沈降を呈することがあります。 Clair A.Francomano医学博士、Thomas H.Milhorat医学博士、Paolo A.Bolognese医学博士、Misao Nishikawa医学博士、Nazli B.McDonnell医学博士・学術博士。私たちは、後頭関節・環軸関節の過可動と機能性頭蓋沈降に起因する下位脳幹の症状を示す、結合組織の遺伝性疾患(HDCT)とキアリⅠ型奇形(CM1)の関連を報告しています。 結合組織の遺伝性疾患(HDCT)の有病率は予想して集められた2,813人のCM1患者の集団において決定しました。エーラス・ダンロス症候群(EDS)または他のHDCTの診断がついたのは、CM1患者2,813人中357人(12.7%)でした。HDCT/CM1の臨床的特徴は、女性の方が優勢で多く(7:1対3:1)、下位脳幹の症状の発生率は高く(0.43対0.05)、軸椎後方パンヌス(関節の滑膜細胞が増殖して形成された組織)形成(0.71対0.16)および口腔咽頭形成不全(0.45対0.02)、HDCTの臨床徴候によるCM1患者単独のものとは区別されました。HDCT/CM1の患者では、座ったり立ったりすると、歯状突起の基礎部分の間隔の減少(3.6mm)、第1脊椎骨の基礎部分の間隔の増大(3.0mm)、斜台軸椎角の減少(10.8°)、斜台環椎角の減少(5.8°)、第1脊椎骨の軸角度の減少(5.3°)がありました。これらの病変は、頚椎牽引や仰臥位に戻すことにより整復できました。CM1単独の患者で通常の治療では、これらの部分の測定値は変化しませんでした。 CM1の患者の12.7%(HDCTの患者でもある)は、これらの以前は無関係だと思われていた疾患との関連を認められます。CM1を示唆する症状のあるHDCT患者は、仰臥位と起立位で脳のMRIで評価されるべきです。 論文はこちらから見ることができますhttp://bit.ly/xesPlJ。
完璧な身体検査および家族歴の評価から始めます。研究機関でのテストは、その後、タンパク質または遺伝子ベースのテストの有効性と、審査官が臨床診断に来ることができると自信を持っているか、に依存します。私たちは、もしかしたら血管型EDS(Ⅳ型)の診断がテストで確認されることが問題かもしれない、ということを示唆しています。 回答者: Peter Byers医学博士。
古典型EDS(Ⅰ型およびⅡ型)の変異を見つけるためのより良い方法を探しています。 関節可動亢進型EDS(Ⅲ型)に共通の遺伝子を探しています。EDSⅧ型(歯周炎を伴う古典型)の遺伝子の探索が現在進行中です。 回答者:Peter Byers医学博士。
原発性の筋肉の緊張低下が発生することがありますし、それが、筋肉の発達遅延、歩行や軽度の運動障害の問題を引き起こす可能性があります。疲労や筋肉の痙攣は、比較的頻繁に起こります。理学療法は、関節の周りの筋肉を強化することができること、また、損傷を防止、制限するのに役立つ、確かな運動技術を教えることができます。水治療法(水中で行われる)は、関節への負担が少なくなります。
遺伝カウンセラーは遺伝医学やカウンセリングの訓練を受けている医療の専門家です。彼らは、家族における、発症または遺伝性疾患の発症の危険に対処します。彼らは最も頻繁に医学遺伝学者(内科医)と連携して働きます。彼らは、診断されたか、または遺伝性疾患のキャリアーと知られている患者に、事実の正確な提案を、提供します。ほとんどの人は、疾患の紛らわしい遺伝的側面を見つけます。
遺伝カウンセラーは、あなたが、あなたの遺伝様式をよりよく理解するための事実を吟味するのを助けてくれます。彼らは、家族が、情報に基づいた意思決定を行うことを容易にすることができるように検討している人に、非指示的カウンセリングを、提供しています。彼らは、危機にある家族のための社会心理カウンセラーとして、サービス/サポートグループをサポートするための連携係として、そして患者ケアのためのコーディネーターとして、疾患についての教育的な情報のための情報源として機能することができます。
エーラス・ダンロス症候群の特定の型の研究機関での確認が、可能になっています。これらには、古典型、血管型(vEDS)、後側弯型、多発性関節弛緩型、皮膚弛緩型が含まれます。EDSのこれらの型が臨床所見に基づいて疑われる場合、医学遺伝学者やあなたの内科医は、研究機関での確認をお勧めしたり、申し込んだりすることがあります。
遺伝カウンセラーは、患者と遺伝研究機関との間の連絡関係を調整することができます。この役割をするには、遺伝カウンセラーは、患者や他の医療従事者への技術情報を説明するための責任があるかもしれません。遺伝カウンセラーは、最も頻繁に、どのようにテストが行われるか、関連する費用、およびテスト完了までの時間の長さの見積もりを説明する人になります。
関連するテストは、通常、高度に専門的な研究機関で行われます。彼らは多くの場合、患者が評価されている現場での中心的存在ではありませんので、遺伝カウンセラーはまた、医療記録、家族歴や同意書などのすべての適切な医療情報を収集するための責任があるかもしれません。研究機関の検査結果が利用可能なときは、遺伝カウンセラーや遺伝学者は、検査結果と新たな知見の関連を、議論するために、患者や家族と会うことになるでしょう。
現在のところ、エーラス・ダンロス症候群には治療法がありません。そのため、医学的介入は対症療法、予防措置やカウンセリングに制限されています。EDSの患者には、小さな障害を持っている人がいますが、一方では、重度障害者となる可能性のある人々もいます。多くの場合、患者は、慢性疼痛に悩まされています。EDSは個人ベースで治療され、主要な看護師と議論する必要があります。EDSは、一般的に、誰にでも起こる「一目瞭然」な疾患ではありません。多くの場合、患者は、様々な活動を制限されることや、理由を他の人に説明しようとすることに失望すると、表現しています。多くの患者は、彼らの疾患にうまく対処すること、いくつもの職業を追い求め、完全かつ活動的な生活をする可能性があることを学びます。しかし、一部の患者は、低血圧(筋緊張の低下)、関節の不安定性および慢性関節痛に悩まされています。これらの症状は認識され、議論され、そして、生活様式と専門家の選択肢は、それに応じて適合させるべきです。
EDSは終生の病気です。多くの患者が、日常的に、自分の病気に関連した社会的な障害に、直面する可能性があります。かなりの痛みを伴う皮膚の破裂に対する恐怖、妊娠すること(特に血管型EDSの患者)、彼らの病状の悪化、失業、身体的かつ精神的負担、世間一般的に社会的に病人であるとの烙印を押されるなど、いくつかの報告があります。
供給元: Java O.Solis医学博士:A Health Advantage、「エーラス・ダンロス症候群」。
Ⅲ型コラーゲンの産生を増進させる為の医学的治療法は知られていません。 しかし、アスコルビン酸(1日あたり1~2グラム)は、コラーゲンの合成を増進させ、それにより、通常のⅢ型コラーゲンを少しは供給することができます。
全ての患者は、彼女らのEDSの明確な型を確定する為に、遺伝学者に会うべきです。ただ、患者の妊娠を考慮すると、彼女らが情報に基づいた意思決定を行うことができるように、遺伝カウンセリングを受ける必要があります。子供にEDSが遺伝する心配もあるし、EDSの女性は、流産、前期破水、早産、子宮頸管無力症、切迫早産の苦しみ等のリスクの増加があります。妊娠中は、リラキシンというホルモンが増加します。リラキシンは、結合組織を緩くする作用があるので、分娩前後の関節の緩みが酷くなります。これは、歩行ができないほど耐え難いものとなるかもしれないし、産後の合併症の原因となります。EDSの型によっては、出産時に出血や裂ける等の深刻な合併症を引き起こす可能性があります。血管型の患者は、さらに、子宮破裂や子宮摘出の可能性に直面します。
自然分娩に関連して、EDSの女性の一部は、失禁、弱い骨盤底、子宮脱、骨盤関節の捻挫、恥骨結合部の分離(骨盤の前面下部の2つの恥骨の間の関節)および直腸筋組織の破壊等を経験しています。一部の医師は、母親の脆弱な組織および/または骨盤が痛まないように、帝王切開をお勧めしています。出産の計画に関して、医師と女性は、帝王切開と比べた自然分娩のメリットとデメリットを議論する必要があります。
聴覚障害および/または過敏症が、中耳のこれらの骨(槌骨、キヌタ骨、アブミ骨)の間の関節の過可動性(中耳に渡る、効果的な音の伝導の問題を起こすかもしれない)の可能性を引き起こすことがあります。この内耳への経路におけるエネルギーの損失は、軽度から中等度の伝導性難聴を引き起こします。内耳にも平衡をとる為の責任があるので、不適切な機能は、眩暈の発作等のいくつかの影響を残すことになります。
供給元: [Amanda Jenner、Lynne Shields学術博士・認定臨床音声言語病理士。 「EDSの発話能力と言語能力の問題。」]
EDS患者に発症する可能性がある、軽度から中等度の聴覚障害の治療の安全かつ効果的な方法は、補聴器および必要に応じた追加の補助器具を使用することです。はるかに一般的な聴覚の遺伝性疾患として知られているものに、耳硬化症(EDSに見られる聴覚障害の種類を容易に混乱させます)というのがあります。耳外科医にとって、耳硬化症とEDSの聴覚障害の2つを区別できることが、極めて重要です。この2つの聴覚障害は、同様に中耳全体の音の伝導の異常です。耳硬化症のための標準的な治療法は、「アブミ骨切除術」と呼ばれる手術です。しかし、「アブミ骨切除術」は完全に聴力を失い、平衡感覚の崩壊といった大惨事を容易に招くことになるかもしれないので、EDS患者の要請に対して「アブミ骨切除術」を同意して試みようとしないでください。
供給元: [M.Hawthorne王立外科医師会会員。 「聴覚の損傷とEDS。」]
EDSには、いくつかの他の合併症で、簡単に脱臼する緩い関節を持っているものから、とても脆弱な結合組織(ごく小さな傷で皮膚が避けたり、割れたりします)、所定の位置に留まらない、関節の極端な脱臼/緩み、破裂しやすい主要な血管、内臓の出血を引き起こす、または破裂しやすい腸などに至る、分類できる、重症度の程度が様々なものがあります。EDSは以下のような症状を含みます。
一部の患者は、脆弱なビロード状の皮膚、伸縮性のある皮膚(皮膚の過伸展)、非常に柔らかいパンケーキ様の皮膚を持っています。そして/また、他の一部の患者は、皮下の血管が見える薄い皮膚を持っています。簡単に裂ける、あざのできやすさの影響を受けやすい、脆弱な皮膚の状態は、軽度なものから重度なものまであります。 EDS患者の皮膚の他の特徴は、「シガレット・ペーパー」状の傷跡、傷の治りが遅い、ひどい瘢痕、遅い貧弱な創傷治癒、および擬軟体動物の偽腫瘍の発生(高い圧力のかかる領域の傷に関連した肉質病変)が含まれています。
関節可動亢進性を伴う緩い/不安定な、しばしば、脱臼と/または亜脱臼の傾向がある関節。関節痛。過伸展関節(それらは関節の正常な範囲を超えて動きます)。 肩、背骨、肘、手首、膝、足首、および手と指の弛緩。 変形性関節症の早期発症。
大動脈基部拡張、大動脈瘤、大動脈破裂、腸の破裂および子宮脆弱性は、EDSの患者において、すべて注目されています。けれども、これらは、より一般的に、血管型(vEDS)で発見されています。
慢性の、早期発症する、筋骨格系を衰弱させる痛み(通常は関節可動亢進型に関連付けられています)。出生時の脊柱側弯と強膜脆弱性(後側弯型に関連付けられています)。貧弱な筋肉の状態(多発性関節弛緩型に関連付けられています)。僧帽弁逸脱。歯周病。
中耳の骨(槌骨、キヌタ骨、アブミ骨)の関節の過可動性が、中耳に渡る、効果的な音の伝導の問題を起こすかもしれません。この内耳への経路におけるエネルギーの損失は、軽度から中等度の伝導性難聴を引き起こします。内耳にも平衡をとる為の責任があるので、不適切な機能は、眩暈の発作等のいくつかの影響を残すことになります。発音、嚥下、嗄声/弱々しい声、流暢さなどの言語能力の問題が発生する可能性があります。 [Amanda Jenner、Lynne Shields学術博士・認定臨床音声言語病理士。 「EDSの発話能力と言語能力の問題。」]
EDS患者に発症する可能性がある、軽度から中等度の聴覚障害の治療の安全かつ効果的な方法は、補聴器および必要に応じた追加の補助器具を使用することです。はるかに一般的な聴覚の遺伝性疾患として知られているものに、耳硬化症(EDSに見られる聴覚障害の種類を容易に混乱させます)というのがあります。耳外科医にとって、耳硬化症とEDSの聴覚障害の2つ(この2つの聴覚障害は、同様に中耳全体の音の伝導の異常です)を区別できることが、極めて重要です。耳硬化症のための標準的な治療法は、「アブミ骨切除術」と呼ばれる手術です。しかし、EDS患者の要請に対して「アブミ骨切除術」を同意して試みることは、完全に聴力を失い、平衡感覚の崩壊といった大惨事を容易に招くことになるかもしれません。 [M. Hawthorne王立外科医師会会員-耳鼻咽喉科・外科医。 「聴覚の損傷とEDS。」]
モザイク現象とは、1人の患者の細胞中に2種類の細胞群(2つのうちの1つは、通常、遺伝的病気によって影響されます)が存在することを示しています。トリソミーのほとんどの形態は、当然のように減数分裂に問題を起こし、接合体の全ての細胞に影響を与えますが、トリソミーが唯一、細胞の淘汰で、発生する場合があります。一般に、この場合は、同じ病気の非モザイク患者よりも、穏やかな表現型になります。受精後に起こること:精子による卵子の受精後に起こる、突然変異または染色体の複製/分離の異常は、多くの場合、モザイク現象につながります。生殖細胞系列モザイク現象とは、2つまたはそれ以上の、遺伝的または、細胞遺伝学的細胞(前駆体(生殖細胞系列)が制限された卵子や精子の細胞、正式には生殖腺モザイク現象と呼ばれる)のつながりを意味します。体細胞モザイク現象とは、身体の細胞(生殖系列細胞を含んでいても、含んでいなくてもよい)に含まれる、2つまたはそれ以上の、遺伝的または、細胞遺伝学的細胞のつながりを意味します。隔離集団:他の全身の関与が存在しない場合に発生する異常。
供給元: Milewicz D.M.、Witz A.M.、Smith A.C.、Manchester D.K.、Waldstein G.、Byers P.H.。: 親の体細胞および生殖細胞のモザイク現象(Ⅲ型コラーゲン(COL3A1)対立遺伝子の異常な末端を伴う多数のエクソンの欠損)が、異型なヘテロの子孫、エーラス・ダンロス症候群Ⅳ型の患者を生み出します。The American Journal of Human Genetics:53号:ページ62–70:(1993)。
骨粗鬆症は、骨量の減少、および股関節、手首、脊椎の脆弱性骨折を特徴とする骨疾患です。骨粗鬆症を治療するための治療計画は、適切な栄養、カルシウムとビタミンDの適正摂取、生理学的な月経周期の維持、筋トレ計画、強化練習を介して最大骨量を最大にするように計画されています。骨代謝の高い状態(破骨細胞の再吸収が増加している骨粗鬆症)で、有効な治療法の選択肢は、ホルモン(カルシトニンおよびビスフォスフォネート)補充療法を含みます。不足した骨芽細胞の骨形成からの骨代謝低下の骨粗鬆症の結果として、フッ化物、副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連ペプチド類似体の、実験的な薬物プログラムに反応します。骨密度の測定は、患者の現在の状態を明らかにして、N -テロペプチド(コラーゲンの分解産物)のレベルの測定は、患者の骨粗鬆症骨折に関する将来、および股関節骨折の治療のための治療窓口を確立して、危険因子の存在を予測します。 供給元: [Lane Joseph M.医学博士。 「骨粗鬆症、医学的予防と治療。」 Spine 1997年12月15日:22号(24補足):ページ32S–37S]
一部のEDS患者は、骨折の傾向があると確認されて、低骨量および異常な骨構造を有しています。病因は、動かせない、または運動の減少によって効果が高まる、遺伝性構造要素による多因性である可能性が高いです。 供給元: [Jennifer L.Carbone医学博士、 他。 「エーラス・ダンロス症候群の骨密度。」 Osteoporosis International 2000年5月:11号:(5章):ページ388–392]
常染色体優性遺伝では、子供が影響を受けるのには、親からたった1つの不適切に機能している遺伝子が必要です。影響を受けた人が子供を持つ場合、妊娠のたびに親は彼/彼女の子供に変異した遺伝子を渡す可能性が50%となります。したがって、子供の性別に関係なく、5分5分の確率で子供は影響を受けることになります。変異した遺伝子を持っていない人は影響を受けませんし、彼/彼女の子供へ変異した遺伝子を渡すこともありません。常染色体優性の様式で遺伝するEDSの型には、古典型、関節可動亢進型、血管型(vEDS)、多発性関節弛緩型などがあります。 EDSのほとんどの症例は、常染色体優性の遺伝様式に従うように見えます。
もっと知りたい方は「medterms.com」で「常染色体優性遺伝」の記事を見てください。
交差咬合、狭口蓋、嚢胞、歯科用ピン、変色歯、顎の痛みやクリック、歯周および装具の必要性(すなわち、歯列矯正術)等、発生する可能性のある多数の歯の問題があります。咀嚼筋に毎日のように痛みを感じていたEDS患者群の、成人の大規模な集団の中で報告された、口腔の問題の有病率に関する研究がありました。研究は、心理学的な幸福度の低下は、EDS患者群でも、より一般的であることを示唆しました。歯科医師は、EDSと生活の質に及ぼす病気の影響に関連した口腔の問題に注意するべきことが重要です。
供給元: [Hagberg C.、 他。 「エーラス・ダンロス症候群(EDS)の口腔症状に焦点を当てたアンケート調査の研究。」 Orthodontics & Craniofacial Research 2004年8月:7号:(3章):ページ178–185。]
歯の知見は、EDSのいくつかの型で報告されています。この症例報告は、以前に診断未確定のEDSⅧ型患者における歯周調査を説明しています。歯周の関与が、基礎になる全身状態の診断につながる可能性があります。歯周病が病因だと疑われる病気の同定は、一部の患者の一般的な幸福度のための重要な証明をすることができます。
供給元: [Perez Luis A.、 他。 「エーラス・ダンロス症候群患者の歯周病の治療:症例報告と論評。」 Journal of Periodontology Online 2002年5月:73号(5章):ページ564–570。]
血管型EDSの新生児の約12%が内反足を、3%は先天性股関節脱臼を発症します。子供の頃には、鼠径ヘルニア、気胸、および頻繁に関節脱臼または亜脱臼を起こすのが普通です[Pepin 他、 (1992)]。影響を受ける患者は、多くの場合、簡単にあざのできる終生の病歴を持っています。
常染色体劣性遺伝では、親は2人とも影響を受けて変化した遺伝子を持っていなければなりません。ある機能している遺伝子と、ある機能していない(変異した)遺伝子を持っている人は、遺伝子キャリアと呼ばれます。共通した同じ劣性遺伝子を持つ2人に子供がいる場合、子供が2つの機能する遺伝子を持ち影響を受けない確率は25%、子供が彼/彼女の親と同じような遺伝子キャリアとなる確率は50%、子供が2人の劣性遺伝子を持ち影響を受ける確率は25%となります。これらのパーセンテージのリスクは、それぞれの妊娠に適用されます。常染色体劣性遺伝をするEDSの型は、後側弯型と皮膚弛緩型ですが、EDSの型としては稀に見られる遺伝様式です。
もっと知りたい方は「medterms.com」で「常染色体劣性遺伝」の記事を見てください。
歩行の開始の遅れは、家族性靱帯弛緩症の患者では、一般的です。靭帯の緩みによる患者の訴えには、第1趾の中足骨の内転による外反母趾、制限母趾、屈筋安定型つち状足指症、足底筋膜炎、後足部変形性関節症、膝の障害、こん棒状の足、臀部の歪み、大腿骨前傾の増進、水かきのあるつま先、槌趾/鷲爪趾、足指内反、足指外反、偏平足があります。
足と脚の痛みと疲労の訴え(特に夜間の筋肉の痙攣)が、よく知られています。痛みは重大な問題です。萎縮が筋肉の低緊張の原因となっています。足首に合わせて成型された装具のような、保護具や支持具を適合させることが、歩行のための靱帯の弛緩を持つ子供を支援し、けがを防止するためには、はるかに必要です。Agnew P.。「靭帯の弛緩を持つ子供の評価。」
供給元:[Clinics in Podiatric Medicine And Surgery (1997年):14号:(1章):ページ117–130。]
それぞれのEDS患者の、臨床上の病歴は独特なものです。なぜEDS患者がEDSの複数の型の特徴を持っているかもしれないのか、単一の答えはありません。彼らが、これを整理して手に入れることができる最初のステップは、医学遺伝学者を訪問することです。そこで、彼らは、彼らが持っているEDSの型の、分子または生化学的基礎を確認するための研究機関のテストの恩恵を受けられる可能性があります。時には、常にではないのですが、テストは、臨床上の混乱を明確にすることができます。とはいえ、彼らは、まだ「説明」されていない結合組織疾患(基礎となるタンパク質の異常または遺伝子変異が未知であることを意味します)を持っているので、彼らはEDSの複数の型の特徴を有することがあってもよいのです。今後の研究調査次第では、質問に答えることが必要になるでしょう。回答者: Melanie Pepin理学修士、認定遺伝カウンセラー。
慢性再発性頭痛は、構造上の欠乏、先天的、または後天的な中枢神経系(CNS)病変など、これらの症状と関連のある、EDSの神経性症状と考えられます。EDS患者は、脳血管の反応性または皮質の敏感性等の生まれつきの障害の為に、偏頭痛になりやすいのかもしれません。さらなる研究が、EDSにおける頭痛の発症機序を解明するために必要とされます。
供給元: [Daniel E.Jacome。 「EDSの頭痛。」 Cephalalgia (1999年 11月):19号:(9章):ページ791。]
EDSのすべての患者は、血圧の評価、心臓の聴診(心音を聴く)などを含む、定期健診を受けるべきです。この時点では、拍動の乱れ(不整脈)や雑音がある場合を除き、患者にさらに精密検査を受けさせるかどうかは、文献における統一的見解はありません。これは新しい分野です。研究は今、MRAの評価が、例えば、イメージングに役立つかどうか、血管型EDS(Ⅳ型)患者をフォローできるのかどうか、現在進行形で行われています。古典型(Ⅰ型)の一部の患者たちは、大動脈拡張のリスクを持っているように見えますが、さらなる研究が必要とされていて、どのくらいの割合で起こるのかは知られていません。 回答者: Peter Byers医学博士。
定期的な非侵襲的な心臓血管の評価は、心臓弁膜症と大動脈基部、またはその他の血管(冠状動脈を含む)の拡張の可能性を排除するために、すべてのEDS患者で実施すべきです。 [Carlo Di Mario、他:(1988):Japanese Heart Journal:29号:4章:ページ:491–496。]
近年の研究[R.Wenstrup、他、(2002)]での、非血管型EDSの大動脈基部拡張の発生率(関節可動亢進型で22%、古典型で33%)に注目し、Lavallee博士は、多くの患者に隔年の、大動脈基部拡張がある患者、血管型の患者、高血圧の患者、非常に激しいスポーツをしている人、糖尿病患者には毎年の、心臓と大動脈の超音波画像診断を勧めています。 回答者: Mark Lavallee医学博士、米国スポーツ医学学会会員。
確かなのは関節可動亢進型EDS(Ⅲ型)です。他に考えられるのは古典型EDS(Ⅰ型およびⅡ型)。脊柱側弯症による背中の痛みがある後側弯型EDS(Ⅵ型)。関節痛と早期の退行性関節炎は、EDS Ⅶ型の症状です。 回答者: Peter Byers医学博士。
「現在の研究は、慢性の、しばしば早期に始まる衰弱させる痛みと、多様な分布は、EDSの異なる型の影響を受けたほとんどの患者では、不変の特徴であることを示しています。慢性疼痛による機能的な影響力は、睡眠、性的機能、社会的関係、身体活動、学校および/または職務機能に強い影響を与えます。血管型EDS患者は、古典型や関節可動亢進型の患者と比較して、痛みを伴う場所が実質的に少ないように見えます。EDSは比較的まれであるため、この患者群の痛みまたはその軽減の体系的な研究は行われていません。EDSは、慢性筋骨格痛の鑑別診断を考慮すべきです。」 [Anubha Sacheti、他。 「慢性疼痛はエーラス・ダンロス症候群の特徴である」。 JOURNAL OF PAIN AND SYMPTOM MANAGEMENT、 1997年8月:14号:(2章):ページ88–93。]
「慢性疼痛は、確立していて、EDSの基本的な特徴で、痛みは身体的所見と放射線学的所見が比例しないことが一般的です。EDSの痛みの原因は明確に理解されていませんが、考えられる原因としては、筋痙攣(圧痛点がたまにあります)と退行性関節炎が含まれます。神経因性疼痛もまた、一般的に起こります。」 [EDNF's Pain Management Medical Resource Guide はこのサイトの他の場所で利用可能です。]
「深刻な脱臼や進行した骨関節炎に関連したものとは異なる慢性疼痛は、EDSの重大な合併症であり、患者を肉体的にも心理的にも身体障害者にしてしまいます。」 [Howard P. Levy医学博士・学術博士。 エーラス・ダンロス症候群、関節可動亢進型(Last Update: March 31, 2016)。 GeneReviews。]
「研究の結果は次の通りです。1)EDSにおける慢性疼痛は非常に広く認められ、鎮痛剤の定期的な使用に関連しています。2)痛みは、関節可動亢進型の方が古典型に比べて、より広く認められかつ深刻です。3)痛みの重症度は、関節可動亢進型で脱臼や過去の外科手術との関係が証明されています。4)痛みは、夜間の睡眠の質の低さとの関係が証明されています。5)痛みは、疲労のレベルとは無関係に、日常生活の機能の悪化の原因となります。EDS患者のこの大規模集団の研究結果から、私たちは、痛みはEDSの患者群では一般的かつ深刻な症状であるとの結論にたどりつきました。痛みは、過剰運動性、脱臼、過去の外科手術、日常の生活機能の穏やかな症状から深刻な症状への悪化との関連性……と、関係があるとされています。私達の調査結果は、EDSのこの患者群では、痛みは非常に一般的かつ深刻な症状であることを示唆しています。それは、脱臼、睡眠障害や日常機能における中等度から重度への悪化に関連しています。したがって、痛みの治療は、EDSの臨床管理の顕著な景観であるべきです。」 [Nicol C.Voermans医学博士、 Hans Knoop学術博士、 Gijs Bleijenberg学術博士、Baziel G. van Engelen医学博士・学術博士。 「エーラス・ダンロス症候群の痛みは、一般的で、重度で、機能障害と関連しています。」 JOURNAL OF PAIN AND SYMPTOM MANAGEMENT、 2010年9月:40号:(3章):ページ370–378。]
Ⅰ型コラーゲンのCOL1A2遺伝子におけるスプライス部位の変異が、他のエクソンのスキッピングの影響で軽度、中等度または致命的な骨形成不全症の様態になるように、エクソン6の部分的または完全なスキッピングにより、エーラス・ダンロス症候群(EDS)の様態を生じさせます。私たちは、EDS(関節可動性亢進、皮膚過伸展、心臓弁膜の欠陥によって特徴づけられる)のまれな劣性遺伝形式の3人の無関係な患者を確認しました。彼らのうち2人で、COL1A2遺伝子のヘテロ接合性からなる、スプライス部位の変異による、COL1A2メッセンジャーRNA(mRNA)の不安定性が生じました。そして、3人目ではホモ接合性からなるナンセンスコドンが生じました。スプライス部位の変異は、意味不明のスプライスドナー部位を使用すること、ダウンストリームの早すぎる終止コドン、極めて不安定なmRNAを生成することを導きました。野生型対立遺伝子では、これらの変異が発生した2つのイントロン(IVS11及びIVS24)は、それぞれの最も近いアップストリームのイントロンに関係して、通常、ゆっくりスプライスします。突然変異体対立遺伝子では、エクソンスキッピングが起こらないように、アップストリームイントロンが除去されました。 IVS24における突然変異の状況は、コンピュータで生成されたmRNAの変異部位の周囲の短い伸縮の折り畳みで、ドナーと意味不明のドナー部位の使用を容易にするアクセプター部位との間の再編成の関係が証明されました。これらの発見は、イントロンの除去の順序は、スプライス部位での突然変異の結果の予測と、発生期のmRNAの折り畳みが、スプライシングの順序の確定を与える1つの要素になることができる、重要な変数であることを示唆しています。プロアルファ2(I)鎖の完全な欠乏は、骨の関与なしに心臓弁膜疾患を引き起こす驚くべき効果を持っています。
供給元: [Schwarze U 他、 「エーラス・ダンロス症候群の、まれな常染色体劣性遺伝の心臓弁型は、ナンセンス(コドン)のRNAの崩壊への過程に影響を与えて活性化するCOL1A2遺伝子の突然変異に起因する。」 The American Journal of Human Genetics:(2004年5月):74号(5章):ページ917–930。 Epub(電子書籍) 2004年4月9日。]
背中と首の痛みは、EDSのすべての型の患者の間で共通に報告されています。痛みは、多くの場合、脊柱の変形のあるなしに関係ありません。関節可動亢進型は、筋骨格の機能に関して注意を要する、患者を最も弱体化させる型でした。筋骨格系(肩、肘、足、膝、足首)の外科手術の疼痛、不安定性、不十分な可動域、またはこれらの連係を緩和することが一般的に行われています。 [Weinberg J.、 他。 EDS患者の関節の手術:調査結果。]
皮下出血は、血管壁内のコラーゲンの異常によって引き起こされます。エーラス・ダンロス患者の止血のための通常のテストに於ける出血傾向の高さ(83%)は、この臨床上の特徴の従来の説明を立証しています。それは、皮膚や血管の構造的完全性の欠陥により、簡単にあざができることを示しています。
供給元: [Anstey A、Mayne K、Winter M、Van de Pette J、Pope F.M.、 「エーラス・ダンロス症候群における血小板および凝固作用の研究。」 British Journal of Dermatology:1991年8月:125号(2章):ページ155-163。 「血管の弱い病気:軽症の患者との関わり方」、Reed E.Pyeritz医学博士・学術博士:2001年:29号:(6章):ページ53-60。]
Pepin M、Schwarze U、Superti-Furga A、Byers P.H.、「エーラス・ダンロス症候群Ⅳ型(血管型)の臨床的および遺伝的特徴。」 The NEW ENGLAND JOURANAL of MEDICINE(日本語版): 2000年3月9日:342号(10章):ページ673–680:(日本語版)。 正誤表:The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE:2001年2月1日:344号(5章):ページ392。
組織の脆弱性と過伸展による、消化器系の構造上の異常が、EDSではよく起こります。裂孔ヘルニア、胃憩室、十二指腸憩室、結腸憩室が起こることがあります。実証されているその他の特徴には、内臓下垂症(腹腔内臓器の突出)、蠕動運動の低下、胃排出遅延、胃弛緩症(胃の収縮性の欠如)、周期性の腹痛、胃食道逆流症(GERD)、巨大食道症(犬・猫の病気)、過敏性腸症候群、便秘、下痢、巨大結腸、出血、破裂や穿孔があります。
供給元: Jeffrey A.Solomon医学博士、他。 「EDSの胃腸の症状。」 The American Journal of GASTROENTEROLOGY:1996年11月:91号(11章):ページ2282–2288。 論文はこちらから見ることができます http://bit.ly/UzmCCX。
Poken-Harris、他、 「EDSにおける非外科的合併症の罹患率。」。
自律神経障害は、自律神経系の機能障害を意味します。自律神経系は、身体全体のすべての無意識の臓器機能を支配する自動調節器です。これは、心拍数、血圧、体温、呼吸、消化および他の生命を保つのに必要な機能の制御に関与しています。自律神経系の機能不全は、自律神経が支配している臓器の明らかな機能不全を引き起こすことがあります。この理由のために、自律神経障害の患者は、しばしば、多数の、一見無関係な慢性的な病気を発症します。
患者が、眩暈、動悸、立っているときに振戦のような症状を感じるようなときは、起立不耐症の症状が表れていると思われます。多くの患者は、直立姿勢のときは、次の症状にも注意してください。視覚的変化、頭や首の不快感、頭のズキズキ、集中力の低下、疲労感、脱力感、時には失神。患者は、これらの症状および徴候(立位における下肢の皮膚の青みがかった赤い紅潮)によって、厳しく損なわれる可能性があります。これらは横になることによって緩和されます。
しばしば、より簡単に、体位性頻脈症候群、または起立性調節障害と分類されます。この病気は、起立するときに、重力に対抗するための必要な調整を行うときに、身体が無力になることを、特徴としています。POTSの定義症状は、起立しているときの、過度の心拍数の増加です。しかし、あなたが発見するように、多くの場合、この症候群に伴う他の症状が多数あります。POTSは、検出し理解するのが困難な病気であるといえます。
時には神経媒介性失神または血管迷走神経性失神と分類されます。この病気は、失神をもたらすような、血圧および/または心拍数の、気まぐれな降下を特徴とします[Robertson、2002]。
純粋自律神経不全症は、起立することにより血圧が著しく降下すること(起立性低血圧)を特徴とする、末梢神経系の、悪化しやすい病気です。起立性低血圧は、脳低灌流、眩暈、失神、視覚障害や首の痛みなどに関連した症状につながります[Mathias、Mallipeddi、Katharine Bleasdale-Barr、1999]。胸の痛み、疲労感や性的機能不全などの他の症状も発生することがあります。起立しているときに症状が悪化した場合、座ったり横たわったりすることによって緩和されることもあります。
C.J.Mathias、Rajeev Mallipeddi、Katharine Bleasdale-Barr、(1999)。「純粋自律神経不全症および多系統萎縮症の、起立性低血圧に関連した症状。」:Journal of Neurology:246号:10章:ページ893–898。
MedlinePlus Trusted Health Information for You(2003)。多系統萎縮症。2003年9月8日に、こちらから引用: http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000757.htm。
過剰運動症候群(EDSとは違う)の関節外症状は、末梢神経系を含む可能性があります。患者の自律神経系に関連した症状については、自律神経障害は、過剰運動症候群における関節外症状であることを示唆している病態生理学的基本原理があります。
供給元: [Yael Gazit医学博士、A.Menahem Nahir医学博士・学術博士、Rodney Grahame医学博士、Giris Jacob医学博士・科学博士、「過剰運動症候群における自律神経障害」、The American Journal of Medicine:2003年7月:115号:1章:ページ33-40。 コメント: The American Journal of Medicine:2004年6月1日:116号:11章:ページ783: 著者回答:ページ783–784]。
「医師は、これらの症候群は当然のようにEDSによる血管(通常の静水学的な反応として静脈が過度に膨張することになります)に従属している結合組織の異常と一緒に起こると提唱しています。簡単に言うと、この結合組織の異常が、患者が立っている時に、過剰な量の血液を患者の下肢にうっ血したままにさせておくということです。」
供給元: [Rowe 他、(1999)]。
マルファン症候群とエーラス・ダンロス症候群(EDS)の患者から睡眠に対する不満が、しばしば、報告されています。私たちは、これらの患者における睡眠に対する不満の正確な性質を調査しました。 周期性四肢運動障害は、照合(8%)して比較したところ、マルファン(27%、P = 0.25)に比べてEDS(67%、P = 0.02)でより頻繁に報告されました。痛みや背中についての不満は両方のグループで高度に見られましたが、特にEDS患者で顕著でした。私たちの研究で、これらの患者における無呼吸、痛み、周期性四肢運動障害の、大いに注目に値する症状に関心を引かれました。
供給元:[Verbraecken J、 他、 「EDSとマルファンの患者における睡眠時無呼吸の評価:アンケート調査による検討。」 Clinical Genetics。 (2001年 11月):60号:(5章):ページ360–365。]
「EDSⅣ型の診断は、臨床所見に基づくものであり、変異の原因となるCOL3A1(変異によりEDSⅣ型を引き起こすことが知られている唯一の遺伝子)の同定によって確認されます。シーケンス解析は、変異の98%を検出します。一方、稀なエクソンの欠失はCOL3A1の欠失/重複分析またはコラーゲンスクリーニングおよびcDNA増幅によって検出されます。 コラーゲンの分析は、Ⅲ型プロコラーゲンの産生異常を呈する患者からの培養線維芽細胞(「生化学的研究」)、細胞間保持、分泌低下、かつ、または、ゲノム塩基配列決定によって変異が検出されなかった患者の細胞の改変された移動性により示すことができます。」
供給元: [Melanie G.Pepin理学修士・認定遺伝カウンセラー、Peter H.Byers医学博士。 エーラス・ダンロス症候群Ⅳ型。 GeneReviews 日本語版 vEDSの最新情報(Last Update: November 19, 2015)はこちらhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1494/。]
「EDS血管型の罹患率は、50,000人に1人から100,000人に1人と見積もられています。なぜなら、EDS血管型の家族の多くが、重度の合併症を発症したり、死亡した後に確認されるからです。多分、軽度の表現型のCOL3A1変異の患者個人/家族は、治療に来ないし、それゆえに、気づかれないことになるからです。」
供給元:[Byers、他。 1995年]
この型は、EDSの最も一般的な型の1つです。おそらく10,000人から40,000人に1人より少ないくらい(推定)の人々に影響を与えます。
Creating Knowledge
Building Community
Promoting Change